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中村鶴松、10月の平成中村座 十月大歌舞伎で復帰 襲名や幹部昇進は発表時点で未定

中村鶴松、10月の平成中村座 十月大歌舞伎で復帰 襲名や幹部昇進は発表時点で未定

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歌舞伎俳優の中村鶴松(31)が、10月1日開幕の「平成中村座 十月大歌舞伎」で舞台に復帰することが8月3日、分かった。今年1月に建造物損壊の疑いで逮捕され、以降は謹慎していたが、示談成立と起訴猶予処分を踏まえて復帰が決まった。第1部「仮名手本忠臣蔵」九段目、第2部「助六曲輪初花桜」に出演する。2月に予定されていた初代中村舞鶴への襲名と幹部昇進は、発表時点で未定のままだ。

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10月1日開幕の舞台で復帰、忠臣蔵と助六に出演

歌舞伎俳優の中村鶴松(31)が、10月1日から東京・浅草寺境内の仮設劇場で始まる「平成中村座 十月大歌舞伎」で舞台に復帰する。松竹は8月3日、公式サイトなどでこれを発表した。

鶴松が出演するのは、第1部「仮名手本忠臣蔵」九段目・山科閑居の小浪役と、第2部「助六曲輪初花桜」の傾城胡蝶役だ。「仮名手本忠臣蔵」は赤穂浪士の討ち入りを題材にした歌舞伎屈指の大作で、九段目・山科閑居は討ち入り前の緊迫したやり取りを描く場面として知られる。小浪は、討ち入りに加わる大星力弥の許嫁という役どころだ。公演は10月1日から25日までの3週間強にわたり、第1部は午前11時、第2部は午後4時に始まる。

謹慎のきっかけは今年1月にさかのぼる。酒に酔った状態で都内の飲食店のドアを蹴って壊したとして、建造物損壊の疑いで警視庁に現行犯逮捕された。以降、鶴松は舞台から離れていた。

1月の逮捕から謹慎、2月の襲名は見送りに

事件を受け、鶴松は当面の謹慎に入った。2月に歌舞伎座で予定されていた初代中村舞鶴への襲名も見送られ、中村屋一門は若手の柱を一人欠いたまま公演を続けた。

事態が動いたのは3月だ。東京地検が起訴猶予処分の判断を示した。起訴猶予は、罪自体は認めつつも本人の反省や被害弁償などの事情を踏まえ、検察が起訴を見送る処分を指す。飲食店側との示談も成立している。事件から半年以上が過ぎ、関係各所が慎重に検討を重ねた末の復帰決定だという。

鶴松は1995年3月15日生まれ、本名は清水大希。屋号は中村屋で、18代目中村勘三郎に芸を仕込まれる「部屋子」として一門に入った。中村勘九郎、中村七之助とともに中村屋を支えてきた、女性役を演じる「女形」の若手の一人だ。

部屋子として鶴松を引き取った18代目勘三郎は、生前「三人目の倅」と呼ぶほど可愛がっていたそうだ。その勘三郎は2012年12月に57歳で死去しており、鶴松は勘九郎、七之助の兄弟とともに、師と仰いだ勘三郎の没後の中村屋を支えてきた一人でもある。

豪華な顔ぶれがそろう十月大歌舞伎、仁左衛門も特別出演

平成中村座は、2000年に18代目中村勘三郎が中心となって旗揚げした仮設の芝居小屋だ。江戸時代の芝居小屋の間取りや客席との近さを再現した造りが特徴で、浅草を拠点に各地への巡業も重ねてきた。その平成中村座で開かれる十月大歌舞伎は、鶴松や勘九郎、七之助ら中村屋の面々を中心に、豪華な顔ぶれがそろう舞台になる。

第1部は「仮名手本忠臣蔵」に加え「初帆上成駒宝船」「連獅子」の3演目、第2部は「御存 鈴ヶ森」と「助六曲輪初花桜」の2演目だ。中村勘九郎、中村七之助のほか、成駒屋の中村芝翫、中村橋之助、中村福之助、中村歌之助、中村扇雀、中村鴈治郎、そして中村屋の勘太郎、長三郎らが顔をそろえる。「連獅子」には勘九郎と息子の勘太郎、長三郎も名を連ね、親子三代の共演になる。「助六曲輪初花桜」は歌舞伎十八番の一つに数えられる江戸歌舞伎の代表作で、江戸っ子の男伊達・助六が悪役を相手に啖呵を切る様式美が見どころだ。初代市川團十郎ゆかりの荒事だが、現在は複数の家で演じ継がれている。

目玉は、歌舞伎界を代表するベテランの一人、片岡仁左衛門の特別出演だ。10月23日から25日までの3日間限定で、「助六曲輪初花桜」に白酒売新兵衛役で加わる。松竹は演目と主要な配役を6月末の時点ですでに発表していたが、鶴松の名前はそこになかった。8月3日の発表で新たに加わり、山科閑居の小浪役に配役された。

襲名と幹部昇進は「未定」のまま、今後の焦点に

舞台復帰は決まった一方、鶴松のキャリアにとって大きな節目となるはずだった二つの動きは止まったままだ。初代中村舞鶴への襲名、そして幹部昇進。いずれも発表の時点で未定としている。

歌舞伎の俳優には、若手からベテランまでを区分する「名題」などの格付けがあり、幹部はその中でも看板俳優として遇される上位に位置づけられる。名跡の襲名とあわせて幹部昇進を果たす例は多く、鶴松にとっても大きな節目になるはずだった。発表では、この二つがいつ、どのように実現するかには触れられていない。

10月の舞台は鶴松にとって、謹慎後初めて客の前に立つ場になる。しかも復帰の場に選ばれたのは、歌舞伎座ではなく、師である18代目勘三郎が起こした平成中村座だった。発表からおよそ2カ月後の開幕で、限られた準備期間で舞台の感覚を取り戻すことが求められる。

チケットの発売時期や座席詳細など、公演運営に関わる情報はこの発表では示されていない。名跡の行方も含め、中村屋一門としての次の一歩は、この十月大歌舞伎の先にある。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

寄稿者

MEDIA DOGS 編集部
メディアドッグス株式会社のMEDIA DOGS 編集部チーム。インターネットマーケティングに約10年携わるメンバーで編成し、企画・取材・執筆から公開後の改善まで一貫して担当。「出会いを、設計する。」のもと、人と企業が正しく出会える場をつくるために、一次情報の確認とファクトチェックを徹底。情報をわかりやすく誠実に届け、読者の疑問を解決します。

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