『店長がバカすぎて』実写映画化決定、東映配給 吉祥寺の書店が舞台の原作あらすじとシリーズ3作・累計55万部を整理

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作家・早見和真の小説『店長がバカすぎて』(角川春樹事務所)の実写映画化が10月9日に発表された。配給は東映。東京・吉祥寺の書店で働く契約社員と”非”敏腕店長の日々を描くお仕事小説で、続編2作を含むシリーズは累計55万部を超える。キャストや監督、公開時期は今後発表される。
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映画化決定、キャストや監督は「今後順次発表」
発表は10月9日18時。映画ニュース各社が同じ時刻に一斉に伝え、原作の書影とともに映画化の一報が流れた。
10月10日時点で明らかになっているのは、原作が早見の同名小説であること、そして東映が配給することの2点だけだ。主人公を誰が演じるのか、メガホンを取るのは誰か、いつ劇場にかかるのか。どれもまだ公表されていない。キャストや監督、公開時期などの詳細は今後順次発表される予定で、続報を待つ状況が続く。
原作者や制作陣のコメントは、10月10日時点で各報道に載っていない。発表は映画化の決定と配給会社に絞った、ごく短い第一報だった。
舞台は吉祥寺の「武蔵野書店」、京子と山本店長の物語
物語の中心にいるのは、谷原京子という28歳の女性だ。本が好きで、東京・吉祥寺にある〈武蔵野書店〉吉祥寺本店で契約社員として働き、文芸書の棚を受け持つ。
仕事は超多忙なうえに薄給。客からのクレームも日常茶飯事だった。そこへ追い打ちをかけるのが、店長の山本猛だ。出版社の紹介文は「名前ばかり勇ましい」と書き、映画化を伝えた報道には、”人を苛立たせる天才”の「非」敏腕店長と紹介したものもある。山本の珍行動が重なるたびに、京子の苛立ちは限界を超えていく。毎日「マジで辞めてやる!」と思いながら、それでも本と小説への愛情が彼女を書店に引き留める。
京子の心の支えは、あこがれの先輩書店員・小柳真理だった。ところがある日、その小柳から店を辞めると告げられる。京子の毎日が揺れ始めるのは、ここからだ。出版社の紹介文は、最後に「驚愕のラスト」が待つと予告している。
作中には書店員だけでなく、作家や出版社の営業担当、常連客も登場し、本が読者の手に届くまでの裏側が京子の目を通して描かれる。原作は角川春樹事務所の小説誌『ランティエ』での連載をまとめたもので、連載中から全国の書店員の間で評判になった。
書店員が書店員を主人公にした小説を推す。読み手と売り手の距離がこれほど近い作品は珍しい。
本屋大賞9位からシリーズ3作・累計55万部へ
単行本の刊行は2019年7月。翌2020年の本屋大賞にノミネートされ、本屋大賞公式サイトの発表によると、105.5点で第9位に入った。全国の書店員の投票で決まる賞で、第17回にあたるこの年は一次投票に477書店の書店員586人が参加した。
大賞は凪良ゆうの『流浪の月』、2位は小川糸の『ライオンのおやつ』。のちに映画やドラマになる作品が並ぶ年に、書店の内側を描いた小説がノミネート10作の中に入った。
原作の1作目は2021年にハルキ文庫から文庫版が出ており、手に取りやすい価格帯で今も書店に並ぶ。
物語はその後も続いた。2022年に『新!店長がバカすぎて』、2025年9月に『さらば!店長がバカすぎて』が刊行され、3作で1つのシリーズになっている。版元はいずれも角川春樹事務所。2作目は2024年にハルキ文庫に入り、3作目は10月10日時点で単行本だけが出ている。
| 作品名 | 単行本の刊行 | 版元 | 文庫化 |
|---|---|---|---|
| 店長がバカすぎて | 2019年7月 | 角川春樹事務所 | 2021年(ハルキ文庫) |
| 新!店長がバカすぎて | 2022年 | 角川春樹事務所 | 2024年(ハルキ文庫) |
| さらば!店長がバカすぎて | 2025年9月 | 角川春樹事務所 | 未(10月10日時点で単行本のみ) |
2作目では、宮崎の山奥に異動していた山本が3年ぶりに吉祥寺本店の店長として戻ってくる。相変わらず周りを苛立たせる店長に、京子は心の中で「お帰りなさい」とつぶやく。本と書店を取り巻く環境が厳しさを増すなか、新人作家の才能に打ちのめされ、好きな作家の新作に心を躍らせる京子の日々が続く。
3作目の京子は、長いスランプの中にいた。本の話と店長の愚痴を言い合える元同僚・磯田の結婚式で、山本店長は燕尾服を脱ぎ捨ててマイクを握り、高らかに歌う。その1週間後、京子を訪ねてきた磯田は「書店を守ってもらわなきゃ」と言葉をかけた。出版社の紹介文は「まさかの完結!?」とうたっている。
部数の伸びも追える。3作目の出版社の紹介文には、1作目と2作目の2作品で50万部とある。そこに3作目が加わり、シリーズの累計は55万部を突破。映画化を伝えた各報道がそろって示している数字で、1作目の刊行から約7年で積み上げたことになる。
作者・早見和真と映像化された作品
早見は1977年生まれ、神奈川県出身。2008年、自身の経験をもとに書いた『ひゃくはち』で作家デビューし、同作は同じ年に映画になった。2016年には愛媛県松山市へ移り住み、地元紙での童話連載やラジオのパーソナリティーも務めたのち、2022年に東京へ拠点を戻している。2作目の『新!店長がバカすぎて』は、東京に戻った年の刊行だった。
作家としての歩みは受賞歴が語る。2015年に『イノセント・デイズ』で第68回日本推理作家協会賞を受け、2020年には『ザ・ロイヤルファミリー』で2019年度JRA賞馬事文化賞と第33回山本周五郎賞を受賞した。2025年の本屋大賞では『アルプス席の母』(小学館)が第2位に選ばれた。近著には『春までのセンセイ』がある。
映像化も多い。2014年には母の闘病を支えた家族を描く『ぼくたちの家族』が石井裕也監督、妻夫木聡の主演で映画になった。『イノセント・デイズ』は2018年にWOWOWで連続ドラマ化され、2024年には『95』がテレビ東京系で、『笑うマトリョーシカ』がTBS系でそれぞれドラマになっている。2025年には『ザ・ロイヤルファミリー』が妻夫木の主演でTBS系「日曜劇場」枠で放送された。青春小説から重いミステリー、競馬の世界までと題材の幅が広く、『店長がバカすぎて』は笑える仕事コメディの系統に入る。
映画で分かっていること、まだ分からないこと
10月10日時点の公表内容を整理すると、決まっているのは、原作が角川春樹事務所刊の早見和真『店長がバカすぎて』であることと、配給が東映であることの2項目にとどまる。
映画化の発表は、3作目『さらば!店長がバカすぎて』の刊行(2025年9月)から約1年1か月後のタイミングになった。映画がシリーズ1作目だけを描くのか、続編の要素まで取り込むのかも明かされていない。谷原京子と山本猛を誰が演じるのかは、原作の読者が最も気にする点だろう。
吉祥寺の書店を舞台にした物語が、どんな顔ぶれでスクリーンに移るのか。キャストや監督の発表を待ちたい。
[文/構成 by エンタメライター 真柴 ことね]










































































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