吉良大弥、カニサレス戦へ「KOで倒す」 プロ5戦目の最速世界王者タイ記録に今は思い入れなし

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
志成ボクシングジム所属の吉良大弥(23)が9月2日、横浜BUNTAIでカニサレスとWBAライトフライ級の王座決定戦に臨む。7月28日の会見で「KOで倒す」と言い切った。プロ5戦目での世界王座戴冠は日本人男子最速のタイ記録となるが、思い入れについては「今んとこない」と静かに語った。
↓ 詳細が気になる方は、このまま下へ ↓
9月2日横浜、カニサレスとの決定戦
吉良は4戦4勝、3KOと無敗を守り、9月2日には横浜BUNTAIでカルロス・カニサレス(33、ベネズエラ)とWBAライトフライ級の王座決定戦に臨む。WBAランキングでは吉良が1位、カニサレスが2位につけている。上位2人による一戦だ。
吉良は2003年5月30日生まれ、大阪府門真市出身。アマチュア時代にはアジアジュニア選手権・高校選抜大会・インターハイの3冠を制し、2024年6月27日にプロデビューした。デビューから2年余りで世界挑戦権をつかんだことになる。
吉良は7月28日、横浜市内での会見でカニサレス戦への意気込みを問われ、こう答えた。
「そのいい結果っていうのはやっぱりKOで倒すことです」
判定に頼るつもりはなかった。自らの拳で決着をつける宣言だった。
対戦相手のカニサレスは28勝20KO3敗1分、2018年にWBAライトフライ級王座を手にした実力者だ。吉良のプロ経験はわずか4戦。カニサレスは通算32戦を数えるベテランで、キャリアの厚みには大きな差がある。それでも、吉良の言葉に迷いは感じられなかった。
当初の相手はサンティアゴだった
もともと、9月2日に吉良と対戦する予定だったのはカニサレスではなかった。当初組まれていたのは、WBA・WBO両団体の統一王者でプエルトリコのレネ・サンティアゴとの一戦だった。
では、なぜ相手はカニサレスに替わったのか。
サンティアゴが7月22日、トレーニング中の肘負傷を理由に欠場を発表したためだった。王座は空位となり、代わってカニサレスとの一戦が王座決定戦として組まれた。
本来は統一王者への挑戦者だった吉良にとって、対戦相手の変更は必ずしも不利にはならない。空位の王座を懸けたこの一戦は、勝てばそのまま新王者の座に就く一戦だ。相手が替わっても、KOで決める目標に変わりはない。
カニサレスはWBA・WBC両団体の元王者
カニサレスには、2018年にWBAライトフライ級王座を手にした実績がある。2021年に同王座を失った後も歩みを止めず、2025年8月にはパンヤ・プラダブスリを5回KOで破り、WBC同級王座も手にした。会場は母国ベネズエラのカラカス。地元での一戦で、2度目の世界王座を勝ち取った。
もっとも、カニサレスは同年12月に予定されていたWBC王座の防衛戦を欠場し、休養王者となった。休養王者とは、負傷などの事情で防衛戦を行えない王者に一定期間王座を留保する措置で、王座剥奪とは異なる扱いだ。現在のWBC同級で防衛線を守るのは岩田翔吉で、2026年7月に初防衛を果たしたばかりだ。ライトフライ級でWBA・WBC両団体の世界王座を経験した選手は多くない。カニサレスは、それだけの実力を持つ相手だ。
これだけの実績を持つ相手を前にしても、吉良の「KOで倒す」という宣言に迷いは見えなかった。
一方で、この一戦そのものへの思い入れを問われると、吉良は言葉少なにこう述べた。
「思い入れは今んとこないかなって思ってます」
今はまだ、というニュアンスだ。特別な感情より、目の前の一戦に意識が向いている。
田中恒成の最速記録とダブル世界戦
9月2日は、吉良にとって記録の面でも節目となる。プロ5戦目での世界王座戴冠が実現すれば、元世界4階級制覇王者・田中恒成が持つ日本人男子最速の戴冠記録に並ぶ。田中は2015年5月、プロ5戦目でWBOミニマム級王座を手にした。その後も8戦目で2階級制覇(井上尚弥と並ぶ最速)、12戦目で3階級制覇(ワシル・ロマチェンコと並ぶ世界最速)と記録を更新し、最終的に4階級を制覇している。
だが、記録そのものへのこだわりは強くなさそうだ。7月28日の会見でデイリースポーツの取材に応じた吉良は、こう語った。
「KOで倒す。世界チャンピオンになってからがスタートだ」
記録より、その先に目を向けた発言だ。
9月2日の横浜BUNTAIでは、吉良とカニサレスの一戦に加えて、石井武志がウィルフレド・メンデスとWBAミニマム級の世界初挑戦に臨む。キックボクシング出身で12戦11勝(8KO)1敗の石井にとっても、初の世界戴冠がかかる大一番だ。吉良にとっても、勝てば自身にとって初めての世界王座になる。1つの興行に世界戴冠のかかる一戦が2つ並ぶのは、国内ボクシング界でも珍しい編成だ。2つの世界戦が同時に組まれ、ダブル世界戦となる。動画配信サービスのLeminoが独占生配信する予定だ。
会見の舞台を終え、吉良の意識はすでに9月2日のリングへ向いている。判定を待たず、自らの拳で決着をつける。吉良が掲げた目標は明快だ。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]





































































コメントはこちら