『紛争でしたら八田まで』TVアニメ化決定 田素弘の地政学マンガ、第30話まで無料配信

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
漫画家・田素弘(でん・もとひろ)の『紛争でしたら八田まで』のTVアニメ化が9月14日、発表された。放送時期や放送局、スタッフ、キャストはまだ明かされていない。アニメ化を記念し、講談社の漫画アプリ「コミックDAYS」では9月24日(木)まで、第1話から第30話までを無料で読める。原作の最新20巻は9月18日(金)に発売される。
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9月14日にアニメ化発表、放送時期やキャストは後日
発表の場は9月14日、講談社のモーニング公式サイトだった。同サイトは「今一番、世界の情勢がわかる地政学漫画」と銘打ってTVアニメ化の決定を告知し、アニメやマンガの専門ニュースサイトも同日夕方に一斉に伝えた。
ただ、明らかになったのは「TVアニメになる」という一点だけだった。放送時期、放送局、制作会社、監督などのスタッフ、八田百合を演じる声優を含むキャストは、いずれも発表に含まれていない。講談社は放送スケジュールやビジュアルなどの詳細を後日発表するとし、続報は作品公式Xアカウント(@funsodeshitara)で確認するよう呼びかけている。
発表にあわせて告知ビジュアルとイントロダクションが公開されたが、PVは発表に含まれていない。
プロレス技で紛争を解く地政学リスクコンサルタント
主人公の八田百合は、眼鏡をかけた地政学リスクコンサルタントだ。地政学とは、国や地域の地理的な条件が政治や経済、人々の対立にどう影響するかを考える学問を指す。百合はこの知識を武器に世界各地へ飛び、企業や個人から持ち込まれた揉めごとを解決していく。
作品の決まり文句は「知性(チセイ)と地政(チセイ)と荒技(プロレス)」。同じ読みの2つの言葉に、力業のプロレス技を組み合わせた。講談社の単行本紹介では、百合の手段を「地政学に基づいた知性と、ちょっとの荒技(主にプロレス技)」と説明している。学問の知識と格闘技という離れた2つを1人の主人公に同居させた点が、この作品の持ち味になっている。
アニメ化発表にあわせて公開されたイントロダクションは、国境紛争、人種対立、宗教問題、テロ、貧困、犯罪カルテルを争いの種として挙げる。舞台は迷信と呪術が残る秘境から、高層ビルが並ぶ最先端都市まで及ぶ。観れば世界の「今」と「美食&寄食」に少し詳しくなれる作品だとうたっている。
設定にも変化がある。1巻では、イギリスに本社がある企業に勤める社員として描かれていた。それが3巻の紹介文になると、イギリスを軸に活動するフリーのコンサルタントに変わる。
2019年に43歳で連載開始、累計120万部に
連載が始まったのは2019年11月21日発売の「モーニング」51号だった。巻頭カラー付きの新連載で、公式サイトは当時「海外のことがちょっと楽しくなる新連載」と紹介した。現在はモーニングの公式アプリ「Dモーニング」と、講談社の漫画アプリ「コミックDAYS」で連載中だ。
作者の田氏は1976年生まれの東京都出身。アパレル、広告、ウェブデザインやディレクションの仕事を経て、30代後半で会社勤めを辞めた。『定時退社でライフルシュート』で「第1回THE GATE」の一色まこと賞を受け、初めての連載となる本作を43歳でスタートさせた。
単行本は2020年3月23日に1巻が出て以降、19巻まで刊行されている。累計部数は電子版を含めて120万部を突破した。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作者 | 田素弘 |
| 連載開始 | 2019年11月21日発売「モーニング」51号 |
| 現在の連載先 | Dモーニング、コミックDAYS |
| 既刊 | 19巻(20巻は9月18日発売予定) |
| 累計部数 | 120万部突破(電子含む) |
最新20巻の舞台は2つある。1つ目は19巻で始まったグリーンランドの話の続きで、自殺と推定されたデンマーク人男性・フレデリクの死の謎を追う。百合は杉村と共に聞き込みを始め、出会った「カラーリット」の女性に違和感を覚える。鍵を握るのは、フレデリクが残した「Siku is Alive(氷は生き物)」という言葉だ。
もう1つはブラジル。百合はスラム街「ファヴェーラ」に入り込み、街を仕切るヤクザでもあるブルゴが進める大規模なインフラ整備を邪魔する「扇動者」の正体を探る。2026年のトランプ政権を百合が考察する特別編も収録される。
無料配信は第30話まで、1巻から3巻の内容を読める
アニメ化を記念した無料配信は、9月14日の発表と同時にコミックDAYSで始まった。講談社は「10日間限定」とうたっており、期限は9月24日(木)まで。対象は第1話から第30話で、単行本の1巻から3巻に収録された話に、4巻収録の話の一部が加わる。
この範囲には、連載初期のエピソードがまとまって入る。1巻では、ミャンマーにある日本企業で起きたデモや、タンザニアで起きた「魔女狩り」事件を百合が扱う。警察が介入しにくい揉めごとを、独自のやり方でほどいていく話だ。
2巻ではイギリスの酒場で起きた乱闘騒ぎを収める話も描かれ、2巻と3巻には「ウクライナ愛と暴力と資金提供編」全6話が入る。第15話から始まるこの章は、ロシアとの緊張が続くウクライナを描いた。コミックDAYSは2022年2月24日にもこの6話を無料公開した。ロシアがウクライナへの侵攻を始めた日と重なる。
3巻ではさらに、百合の里帰りと山奥での不良同士の抗争が描かれ、インド編が幕を開ける。講談社の紹介文によれば、インド編では排泄物の処理と高度なIT技術が鍵を握る。無料範囲の最後にあたる第30話は、このインド編「インド、宗教とITと蟲の夢」の8話目だ。インド編は次の第31話で完結するため、無料で読めるのは結末の1話手前までになる。
原作を読んでいない人にとっては、アニメの放送前に作品の雰囲気をつかめる機会だ。第1話はモーニング公式サイトでも試し読みができる。
モーニング連載作の映像化発表が続く
モーニング公式サイトでは8月31日にも、同誌で連載中の『8月31日のロングサマー』のTVアニメ化とTVドラマ化を告知していた。『紛争でしたら八田まで』のアニメ化発表は、そのちょうど2週間後だった。
関連記事:8月31日のロングサマー、8月31日にW映像化を発表 シャフト制作アニメの放送時期は未発表
ミャンマー、タンザニア、ウクライナ、インド。その後もアイスランド、アメリカ、シンガポール、台湾、スウェーデン、カザフスタン、フィリピン、グリーンランド、ブラジルと、連載開始から約7年で百合の行き先は広がった。地政学の解説とプロレス技という組み合わせを、アニメがどう映像にするのかが次の焦点になる。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]





































































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