くら寿司、9月4日から価格改定 サーモンなど33品目は120円に、110円メニューは37品目

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
くら寿司は2026年9月4日、寿司メニューの価格を改定する。店舗ごとに設定されている「最低価格」は現行より一律5円引き下げられ、最も店舗数が多い最低価格115円の店舗は110円になる。一方で、これまで115円で提供していた「サーモン」など33品目は120円に値上げされ、新たに設定される110円の最安値メニューには「ねぎまぐろ」「たまご焼き」など37品目がそろう。値下げと値上げが同時に行われる改定で、原材料価格の高騰や円安による仕入れコスト上昇が背景にある。
何が変わるのか:店舗タイプ別「最低価格」が一律5円引き下げ
回転寿司業界では2022年、スシローとくら寿司が「1皿100円」の看板を相次いで下ろした一方、はま寿司・かっぱ寿司は100円(税抜)帯を維持するなど、各社の対応が分かれる中で実質的な値上げ局面が続いてきた。そうした流れの中でくら寿司が打ち出した今回の改定は、「最低価格の引き下げ」を前面に押し出している点が特徴だ。ただし内訳を見ると、人気の高い一部ネタはむしろ値上げされており、全品目が一律に安くなるわけではない。何がどう変わるのか、公式発表と複数メディアの報道をもとに整理する。
くら寿司の店舗は、立地条件(家賃や周辺競合など)に応じてもともと4段階の「最低価格」が設定されている。傾向としては郊外の店舗ほど最低価格が安く、都心部に近づくほど高くなる仕組みで、9月4日の改定ではこの4段階すべてが一律5円引き下げられる形だ。値上げ報道が先行しがちだった近年の改定と異なり、今回は「最低価格そのものを下げる」という珍しい打ち出し方になっている。
| 店舗タイプ(目安) | 現行の最低価格 | 改定後(9月4日〜) |
|---|---|---|
| 最も店舗数が多いタイプ | 115円 | 110円 |
| 次に多いタイプ | 120円 | 115円 |
| 都市部寄りのタイプ | 130円 | 125円 |
| 都心部の一部店舗 | 150円 | 145円 |
流通ニュースなど複数の報道によれば、対象となるのは全国551店舗で、内訳は「115円→110円」が313店舗、「120円→115円」が133店舗、「130円→125円」が75店舗、「150円→145円」が30店舗という。全体の半数以上を占めるのが現行115円店であり、多くの報道が見出しで「最低価格115円→110円」を採用しているのはこのためだ。
値上げの33品目、新たな110円メニューの37品目
今回の改定で見落とせないのが、価格帯の引き下げと同時に一部品目が値上げされる点だ。これまで最低価格(115円)で提供していた「サーモン」「ゆず塩かつおたたき」「生えび」「大葉松いか」「赤貝」など33品目は、新たに120円の価格帯に移る。
一方、新しい最低価格(110円)の商品として37品目が用意される。「熟成びんちょうまぐろ」「ねぎまぐろ」「たまご焼き」「ハンバーグ」「コーン」など、子どもや家族連れに人気の高いメニューが中心で、これまでより注文しやすい価格に設定される。
| 区分 | 品目数 | 価格の変化 | 主な品目(例) |
|---|---|---|---|
| 値上げ | 33品目 | 115円 → 120円 | サーモン、ゆず塩かつおたたき、生えび、大葉松いか、赤貝 |
| 新・最低価格 | 37品目 | (新設)110円 | 熟成びんちょうまぐろ、ねぎまぐろ、たまご焼き、ハンバーグ、コーン、相盛り3種 |
この37品目には、1皿で2種類のネタを楽しめる新商品「相盛り」も含まれる。サーモンを軸に「えび」「熟成びんちょうまぐろ」「たまご焼き」とそれぞれ組み合わせた3種類が、110円で新たに販売される。1皿で2つの味を楽しめるため、実質的な割安感を打ち出した新機軸といえる。
なぜ値上げと値下げを同時に行うのか
くら寿司は改定の理由について、原材料価格の高騰や円安による仕入れ価格・エネルギーコストの上昇が続く中、商品の価格と品質を自社の努力だけで維持し続けるのが難しくなっていると説明している。日本経済新聞の報道では、主要客層であるファミリー層に人気の商品をあえて値下げすることで来店客数を増やし、トップライン(売上高)を伸ばす狙いがあるとも伝えられている。値上げと値下げを組み合わせることで、コスト増を吸収しつつ客足への影響を抑える設計とみられる。
くら寿司が今回のように全店規模で基本の最低価格に手を入れるのは、2022年10月1日以来となる。当時は創業以来続けてきた「1皿100円(税抜)」の看板を下ろし、基本皿を110円から115円に、「できたてシリーズ」を220円から165円に改定した経緯がある。今回の9月4日改定は、その2022年に設定した115円という基準そのものに再び手を入れる形だ。なお2025年10月31日にも、いくら軍艦など一部の高単価ネタを中心とした大幅な価格見直しが行われており、原材料コストへの対応は近年断続的に続いている。
スシロー・はま寿司・かっぱ寿司との価格比較
大手回転寿司チェーンの最低価格帯は、2026年8月時点の各社発表・報道をもとに整理すると次のようになる。
| チェーン | 最低価格帯の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| くら寿司 | 110円〜145円(改定後、店舗タイプにより4段階) | 2026年9月4日に改定 |
| スシロー | 120円〜150円(郊外型・準都市型・都市型で3段階) | 2026年7月、「厳選まぐろ赤身」を都市型店舗で180円まで値上げ。定番のサーモン・いか・えびなどの最低価格は120円で据え置き |
| はま寿司 | 110円〜 | 2026年5月に一部商品(まぐろ等)を値上げ、大半は据え置き |
| かっぱ寿司 | 110円〜 | 平日限定の90円メニューも展開 |
くら寿司は改定後、業界最安水準とされるはま寿司・かっぱ寿司の「110円」に最低価格の数字上は並ぶ形になる。ただし、サーモンなど人気ネタは110円ではなく120円になる点には注意したい。実際に会計時にいくらになるかは、どのネタを選ぶかによって変わってくる。
スシロー・くら寿司が「1皿100円」の看板を下ろした一方、はま寿司・かっぱ寿司は今も100円(税抜)帯を主力メニューとして維持しているように対応は分かれるが、各社とも原材料高と円安を理由にした価格改定を繰り返しており、くら寿司の今回の改定もその延長線上にある。一方で、値下げする品目をあえて設けて客数の維持・拡大を狙う姿勢は、値上げ一辺倒だったこれまでの改定とはやや異なる打ち出し方といえそうだ。
今回の改定は全国551店舗が対象で、店舗ごとにどの価格帯(115円・120円・130円・150円のいずれか)に属するかによって、実際に引き下げ・引き上げとなる金額は異なる。上記の「33品目→120円」「新・110円メニュー37品目」という内訳は、報道で具体的に示されている現行115円店(改定後110円店)のケースであり、他の価格帯の店舗でも同様の品目構成になるとは限らない。実際の価格やメニュー構成は、来店前に各店舗の店頭表示や公式アプリで確認するのが確実だ。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]
































































コメントはこちら