風の谷のナウシカ、8月14日の金曜ロードショーで放送された 3週連続ジブリ第2弾、原作漫画版との違いを整理

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
『風の谷のナウシカ』が8月14日午後9時から、日本テレビ系「金曜ロードショー」で30分拡大・ノーカット放送された。放送は午後11時24分までの2時間半にわたって行われている。「3週連続夏はジブリ!!」と題した特別企画の第2弾で、放送のたびに原作漫画版とのストーリーの違いにあらためて注目が集まっている。
島本須美さんらおなじみのキャストで、火の七日間から1000年後の世界を描く
物語の舞台は、“火の七日間”と呼ばれる過去の大戦から1000年後の世界。人類は、有毒な瘴気を放つ「腐海」と、そこに棲む生き物たちの脅威にさらされながら細々と暮らしていた。風の谷の姫・ナウシカは、墜落した軍事大国の船から王女を救出したことをきっかけに、最凶兵器「巨神兵」をめぐる戦乱に巻き込まれていく。声優キャストは、ナウシカ役に島本須美、ユパ役に納谷悟朗、クシャナ役に榊原良子、アスベル役に松田洋治、ラステル役に冨永みーな、クロトワ役に家弓家正、ミト役に永井一郎など、公開当時からのおなじみの顔ぶれがそろう。
原作漫画は全7巻、映画化されたのは2巻分程度まで
地上波での放送を機に、今回あらためて注目されているのが、原作漫画版とのストーリーの違いだ。原作漫画は全7巻にわたる長編だが、映画が製作された1984年当時、原作はまだ連載途中だった。そのため映画は原作をそのまま映像化した作品ではなく、腐海や王蟲、トルメキア、巨神兵といった要素を活用しながら、1本の映画として独立して成立するように再構成されている。実際に映像化されているのは、原作全7巻のうち2巻分程度までの内容にとどまる。土鬼(ドルク)との戦争や、腐海・巨神兵・人類の歴史をめぐる謎など、原作でさらに深く掘り下げられる要素は、映画では大幅に省略されている。連載が完結したのは映画公開から10年以上が経過した1994年のことで、映画製作時点では宮崎駿監督自身も物語の結末を描き切れていなかったことになる。
「一つだけ納得できない」映画だけでは語られない“火の七日間”の謎
こうした構成の違いから、映画放送のたびにSNS上では「一つだけ納得できない」といった声が話題になる。映画の冒頭で語られる“火の七日間”という過去の大戦の詳細な背景は、実は映画単体では十分に説明されておらず、原作漫画の3巻以降で初めて詳しく描かれる設定だ。映画だけを見たファンにとっては長年の疑問として残り続けてきたポイントで、「映画の続きが気になる場合は、漫画を1巻から読むと人物関係や世界観の違いを追いやすい」とも指摘されている。地上波で映画が放送されるたびに、こうした声がSNS上で繰り返し話題になるのは、それだけ多くの視聴者が作品の世界観に引き込まれている証とも言えるだろう。
人と自然の共生を描く物語、原作漫画は権威ある2賞を受賞
物語の根底に流れるのは、人と自然の関係というテーマだ。主人公のナウシカは、腐海やそこに棲む蟲たちに対して恐怖ではなく共生の姿勢で向き合う人物として描かれ、自然と人間が敵対するのではなく共存を目指すべきだという考え方を体現している。核戦争や放射能汚染を思わせる“火の七日間”という設定、そして時とともに拡大していく腐海の脅威は、環境問題への警鐘としても長く語り継がれてきた。原作漫画は、その完成度の高さから第23回日本漫画家協会賞大賞と第26回星雲賞コミック部門を受賞しており、単なるアニメ映画の原作にとどまらない評価を得ている作品でもある。
ジブリ設立前の作品、興行収入14億8000万円を記録
『風の谷のナウシカ』は1984年3月11日に劇場公開された作品で、興行収入は約14億8000万円(配給収入7.4億円)を記録した。公開から40年以上が経過した今もなお、地上波での放送のたびに大きな話題を呼ぶ息の長い人気作品となっている。この作品は、アニメ雑誌『アニメージュ』を発行する徳間書店と広告代理店・博報堂による製作委員会方式で映画化され、原作者でもある宮崎駿が自ら監督・脚本を務めた。高畑勲がプロデューサーを、久石譲が音楽を担当するなど、後にスタジオジブリを支えることになる顔ぶれが集結した作品でもある。実はこの映画製作の後、宮崎駿監督は高畑勲プロデューサーらとともにスタジオジブリを設立しており、『風の谷のナウシカ』はジブリ設立“前”に作られた作品という位置づけになる。それでも今日では「ジブリ作品」として語られることが多く、実質的にジブリの原点とも言える一本として位置づけられている。
3週連続ジブリ企画、8月21日は「となりのトトロ」
今回の放送は、地上波での視聴を心待ちにしていたファンも多かった、8月7日の『借りぐらしのアリエッティ』に続く「3週連続夏はジブリ!!」企画の第2弾。8月21日には第3弾として『となりのトトロ』の放送が予定されている。夏休みシーズンにジブリ作品が連続して地上波で放送されるのは毎年恒例となっており、今年もこの3週間はジブリ作品の話題で盛り上がりを見せそうだ。1週目の『借りぐらしのアリエッティ』は米林宏昌監督による2010年公開作品、そして3週目の『となりのトトロ』は1988年公開の宮崎駿監督作品と、それぞれ制作年代の異なるジブリ作品が並ぶラインナップになっている点も見どころのひとつだ。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]




































































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