カーリー・サイモン、「生きることも、仕事もやめていない」 83歳でパーキンソン病を公表

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
米シンガーソングライターのカーリー・サイモン(83)が、現地時間7月27日にパーキンソン病と診断されたことを自身の声明で明らかにした。同じ時期に顔の皮膚がんの治療も受けていたという。膝と股関節の手術後に歩行が悪化し、精密検査を経て診断が確定した。8月14日には18年ぶりとなる新作アルバムの発売も控えている。
パーキンソン病と皮膚がんを公表
米国の歌手カーリー・サイモンが、現地時間7月27日にパーキンソン病と診断されたことを公表した。サイモンは公式インスタグラム(@carlysimonhq、フォロワー約21万人)に声明を投稿し、AP通信や英ガーディアン、米紙ニューヨーク・タイムズ、米誌ピープルなど各メディアが同日中に伝えた。声明でサイモンは「多くの方が、私の沈黙を気にかけて手紙をくださいました。実のところ私は、パーキンソン病とともに生きる方法を学んでいたのです」とつづった。同じ時期には顔の皮膚がんの一種、基底細胞がんの手術も受けており、外見が変わったことで人前に出るのがより気になるようになったという。「You’re So Vain」を書いた本人だけに、これまで誰よりも自分の外見に厳しかったとも明かし、今回の手術がその厳しさに新たな材料を与えたと振り返っている。ここ数年ほとんど公の場に姿を見せていなかったサイモンにとって、今回の声明は長い沈黙の理由を自らの言葉で説明する内容となった。
歩行の悪化からたどり着いた診断
サイモンによると、体調の変化は膝と股関節の変形性関節症から始まった。両膝と片方の股関節、合わせて3カ所の人工関節置換手術を受けたが、術後も歩行は改善せず、むしろ悪化していったという。低い椅子や深く沈むソファから、人の手を借りずに立ち上がれなくなり、「まるで椅子に飲み込まれて、二度と出られなくなったかのように感じた」と振り返る。やがて、介助なしでは歩けない時期も出てきた。「家族と私は、何かもっと別のことが起きていると気づきました」。米メイヨー・クリニックで精密検査を受けた結果、パーキンソン病の診断に至った。診断後は、こわばりなどの症状を和らげる薬による治療も始めている。パーキンソン病は、脳内でドーパミンをつくる神経細胞が徐々に失われることで起こる進行性の病気で、震えや動作の緩慢さ、姿勢の不安定さなどが表れる。全米パーキンソン病財団によると、患者数は米国内だけで推計100万人、世界全体では1000万人に上るという。「この病気に、きちんとした予定表はありません」とサイモンは説明した。
動作だけでなく心にも及ぶ影響
パーキンソン病は体の動きだけでなく、不安や抑うつ、倦怠感、無気力感といった心の状態にも影響するとされる。サイモンが特に説明しづらいと感じたのが、この無気力感だった。「悲しみでも、怠惰でもありません。まるで、日々の暮らしに参加するよう誘いを出す脳の部分が、招待客の名簿を一時的になくしてしまったかのようなのです」とつづっている。長らく公の場を避けてきた理由についても言及し、「歩行の問題、パーキンソン病の診断、手術、そしてそのすべてがもたらす感情的な影響のあいだで、公の場から退くことが、最も受け入れやすい選択でした」と明かした。それでもサイモンは、声明の中盤でこう言い切っている。「けれど私は、生きることをやめてはいませんし、仕事もやめていません」。この一文こそが、今回の声明の核心。
制作の支えになった新作アルバム
サイモンは声明の中で、闘病の合間に新作アルバム「Comes in Waves」の制作を進めていたことも明らかにした。2008年以来18年ぶりとなるオリジナルアルバムで、8月14日の発売が決まっている。先行シングル「Howl」もすでに公開している。「制作は今も、自分でも不思議な経験です。音楽はいつも、訪れるべき時を知っています。これまで何度も、数え切れないほど私を救ってくれました」とサイモンはつづった。アルバムには、何年も前に書きかけたまま手元に残っていた曲やフレーズも収録されているという。「完成させる時間と気持ちの余裕ができる、いつか分からない未来のために取っておいた曲でした。どうやら、その未来が今だったようです」。制作は生活に張りをもたらしたようだ。「部屋を出なくても、行き場ができました。病気は人生を変えても、人生のすべてにはならないと気づかせてくれました」とも振り返っている。
困難を越えて歩んできた音楽人生
サイモンは1971年に発表したセルフタイトルのデビューアルバムでグラミー賞の最優秀新人賞を受賞し、翌年発表した「You’re So Vain」で世界的に知られる存在となった。1977年公開の007シリーズ「私を愛したスパイ」の主題歌「Nobody Does It Better」や「Let the River Run」も代表曲だ。ここ数年は表舞台からほぼ距離を置いており、公の場に姿を見せたのは2019年10月、回顧録の宣伝のため米シリウスXMのスタジオを訪れたのが最後。ステージでの歌唱は2018年3月、カーネギーホールでのチャリティー公演が最後だったという。2022年11月にはロックの殿堂入りを果たしたが、その数週間前に2人の姉を相次いで亡くしており、式典への出席は見送っていた。サイモン自身も1997年に乳がんの診断を受け、手術と化学療法を乗り越えた経験を持つ。俳優のマイケル・J・フォックスをはじめ、パーキンソン病を公表してきた著名人は音楽や映画の世界にも少なくない。声明の最後、サイモンはこう締めくくった。「今は動きも以前よりゆっくりですし、人に頼ることも増えました。日によって違う一日になることも受け入れています。それでも私は今も、ここに確かにいます」。新作「Comes in Waves」の発売は、8月14日に控えている。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]



































































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