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ティアフォー、東証グロース上場で初値1009円 公開価格1085円を7%下回る、自動運転『Autoware』の会社

ティアフォー、東証グロース上場で初値1009円 公開価格1085円を7%下回る、自動運転『Autoware』の会社

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自動運転ソフト「Autoware」を手がけるティアフォーが7月22日、東証グロース市場に新規上場した。初値は1009円で、公開価格1085円を7.0%下回るスタートとなった。名古屋大学発のベンチャーで、上場時の時価総額は公開価格ベースで約689億円に上る。

初値は1009円、公開価格から7%安のスタート

ティアフォー(証券コード593A)が7月22日、東京証券取引所グロース市場に新規上場した。

初値は1009円で、公開価格の1085円を7.0%下回る水準で形成された。初値形成時の出来高は328万800株だった。

公開価格は、事前に示された仮条件1015円〜1085円のうち上限で決定していた。発行済株式数は6352万4090株で、この株数に公開価格を掛けた時価総額は約689億円となる。

ブックビルディング(需要申告)は7月6日から10日にかけて実施され、7月13日に公開価格が決定した。共同主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券、SMBC日興証券の3社が務めている。

名古屋大学発、加藤真平氏が育てた自動運転OS

ティアフォーは2015年12月、名古屋大学発のスタートアップとして設立された。代表取締役社長CEOの加藤真平は慶応義塾大学大学院で2008年に工学博士号を取得し、米カーネギーメロン大学とカリフォルニア大学での研究員を経て、2012年に名古屋大学講師に着任、2013年に同大学准教授に昇任している。

加藤はこの間、自動運転システムの開発・運用に必要な機能群を備えたオープンソース型ソフトウェア「Autoware」の開発を主導した。Autowareは2015年、世界初のオープンソース型自動運転ソフトウェアとして公開され、特定のメーカーに依存しない中立的な立ち位置のまま、国内外の企業や自治体が手がける実証実験で採用を広げてきた。ティアフォーは創業後もその普及と発展を担ってきた。

事業は主に、自治体・交通事業者・MaaS事業者向けの「モビリティサービス」、自動車OEM等向けの「デベロップメントサービス」、研究・教育機関や技術導入を検討する企業・政府機関・団体向けの「ソリューションサービス」の3事業で構成される。「自動運転の民主化」を経営ビジョンに掲げ、企業や自治体を対象にした実証実験や導入支援を重ねてきた。加藤は2023年4月から東京大学の特任准教授も兼任しており、従業員は413人(2026年4月30日現在、連結。ほかに平均臨時雇用者数188人)に上る。

2025年9月期の売上高構成比は、ソリューションサービスが43.9%(28億12百万円)と3事業の中で最も大きく、モビリティサービス35.4%(22億67百万円)、デベロップメントサービス20.8%(13億30百万円)と続く。研究・教育機関向けにとどまらないソリューションサービスが、実は収益面で事業全体を支える柱になっている。

累計調達381億円、赤字覚悟の大型上場

ティアフォーはシリーズBまでの累計資金調達額が381億円に達しており、2024年には追加ラウンドで85億円を調達し、いすゞ自動車やスズキといった事業会社が新たに出資に加わった。上場前時点の株主構成は、創業者の加藤本人が11.0%を握るほか、損害保険大手のSOMPOホールディングスが21.3%で筆頭株主となっている。ヤマハ発動機6.6%、いすゞ自動車5.7%、JAFCO(ジャフコSV5)6.9%、KDDI4.0%、UTEC(東京大学エッジキャピタルパートナーズ)3.0%なども大株主に名を連ねる。

今回の上場では、公募1744万9600株と売出し396万8400株に加え、オーバーアロットメントによる売出しが上限321万2700株組まれた。公募と売出しの合計に占める公募の割合は約8割に上り、既存株主の現金化よりも、新株発行による資金調達が中心の構成となっている。公開株数の合計に公開価格を掛けた吸収金額は最大で約267億円に達し、上場後の発行済株式数に対する比率(オファリング・レシオ)は約38.8%となる。グロース市場の新規上場としては大型の部類に入る規模だ。

業績面では、2026年9月期は売上高84.8億円に対し、営業損失112.4億円を見込んでいる。自動運転の社会実装を掲げるディープテック企業らしく、収益化にはまだ時間がかかる見通しだ。

公開価格割れのスタート、問われるのはこれから

初値が公開価格を下回る展開は、グロース市場に新規上場する銘柄で珍しいわけではない。ただ、仮条件が上限まで引き上げられて決定した公開価格に対し、実際の売買では届かなかった格好で、投資家の需要は上場前の期待ほど強くはなかったとみられる。グロース市場を含む新規上場銘柄では、2026年の年明けから3月にかけて初値が公開価格を下回る銘柄が相次ぎ、市場関係者の一部からは「こうした展開はコロナ禍以来、数年ぶりの水準」との指摘も出ていた。

267億円規模の吸収金額は、資金流入が限られやすいグロース市場では軽くない金額だ。大型の資金調達を実現した一方、それに見合う成長を市場に示せるかが問われる。

自動運転技術をめぐっては、国内外で実証段階から実用化への移行が進んでいる。上場で得た資金をどこに振り向け、赤字が続く事業をどう黒字化に近づけていくか。ティアフォーの次の一手に注目が集まる。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

寄稿者

MEDIA DOGS 編集部
メディアドッグス株式会社のMEDIA DOGS 編集部チーム。インターネットマーケティングに約10年携わるメンバーで編成し、企画・取材・執筆から公開後の改善まで一貫して担当。「出会いを、設計する。」のもと、人と企業が正しく出会える場をつくるために、一次情報の確認とファクトチェックを徹底。情報をわかりやすく誠実に届け、読者の疑問を解決します。

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