クラフトボス バナナラテの午後3時、店頭POPに果汁1%以下の表記 実際は無果汁、サントリー「当社が提供したPOPではない」

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
サントリーが9月1日に発売した「クラフトボス バナナラテの午後3時」を紹介するコンビニの店頭POPに、果汁1%以下と読める文言が入っていた。商品にバナナ果汁は使われておらず、容器には無果汁と書かれている。サントリーの飲料事業を担うサントリービバレッジ&フードは、自社が出したPOPではないと説明する。
店頭の紙は果汁1%以下、容器は無果汁
きっかけは9月2日、あるXユーザーがコンビニ店内に掲示されていたというPOPの写真を投稿したことだった。POPには商品とバナナの画像が並び、果汁1%以下と読める文言が添えられていた。写真はそのまま拡散していく。
サントリーの商品情報に載る原材料は、牛乳(国内製造)、砂糖、乳製品、コーヒー、食用油脂など。バナナ果汁はどこにも入っていない。バナナらしさは、同じ原材料表示にある香料が担っている。ITmedia NEWSによると、実際の商品にも無果汁と記載がある。店頭の紙と容器で、書かれている中身が食い違っていた。
商品そのものは500mlのペットボトルで、希望小売価格は250円(税別)。ミルク感の強い味わいにバナナの香りを合わせ、午後の休憩に飲むラテとして売り出された。2022年に発売された「クラフトボス ミルキープレッソ 甘熟バナナラテ」とは別の商品になる。
サントリー「当社が提供したPOPではない」
ITmedia NEWSが9月4日に報じたところによると、サントリービバレッジ&フードはこのPOPについて、自社が提供したものではないと回答した。同社もSNSの投稿で存在を知ったといい、誰が作ったのか、生成AIが使われたのかは分かっておらず、詳細を調べている段階だという。
果汁1%以下と読める表記そのものについては、適切でないと認識していると答えた。ただし掲示していた店舗を特定できておらず、今後の対応は検討中としている。
無果汁と果汁1%以下は、表示ルール上は別物
買う側から見れば、無果汁も果汁1%以下も「ほとんど入っていない」で同じに映る。ところが飲料の表示ルールでは、この2つがはっきり分かれる。
景品表示法にもとづく告示「無果汁の清涼飲料水等についての表示」は、果実の名前や絵を使った清涼飲料水などで、果汁がまったく入っていない場合や5%未満の場合に、果汁を使っていない旨か果汁の割合を分かるように書くよう求める。対象は容器や包装だ。業界の公正競争規約も、果汁ゼロなら無果汁、5%未満なら無果汁か果汁○%と書き分けると定める。ルールが用意している書き方はこの2通りで、果汁1%以下という言い回しはそこに入らない。
つまり、このルールが直接かかるのは容器のラベルであり、そのラベルは無果汁と表示していた。数字が食い違っていたのは、店頭に置かれた紙のほうだった。
では店頭の紙は関係ないのか。そうでもない。景品表示法が対象とする表示は容器や包装に限られず、範囲を定めた告示はポスターや看板、陳列物なども表示として挙げる。売り場に貼られたPOPも、買う人が商品を選ぶときの手がかりになるからだ。ただし規制がかかるのは、自社が売る商品について表示をした事業者になる。誰が作って掲示したのかが分からない今回は、その入り口の部分がまだ埋まっていない。
生成AIで作ったのではないかという指摘
POPが話題になった理由は、表記の誤りだけではなかった。商品やバナナの画像が独特の質感だったことから、生成AIで作られたのではないかという指摘が出た。
メーカーが作ったPOPだと受け止めてサントリーを批判する向きもあった。一方で、サントリーのロゴが入っていない、ラミネート加工された手作りのPOPに見えるといった点を挙げ、販売店が独自に作ったのではないかと見る人もいた。制作したのが誰なのかも、生成AIが使われたのかどうかも、現時点では確認されていない。
似た構図は7月にも起きている。にんにくや巨峰などの青果に付けられたスーパーの派手なPOPが生成AIで作られたのではないかとして、見づらいという指摘が目立った一方、看板広告で知られる歯科医院の院長が差別化になると擁護した。
迷ったときに見るのは容器の表示
販促物と容器で中身が食い違ったとき、買う側が頼れるのは容器の一括表示。パッケージの裏や側面に枠で囲ってまとめられた、あの表示のことだ。原材料名、アレルギー物質、栄養成分は食品表示法にもとづいて容器へ書くと決まっており、店頭に貼られた紙とは重みが違う。この商品なら、アレルギー表示は乳、エネルギーは100mlあたり48kcalと公式に示されている。
サントリー側の調査はまだ途中で、掲示していた店舗も分かっていない。誰が作ったPOPなのかが判明しないまま、表記の誤りだけが先に広がった。生成AIが売り場の販促に入ってきたいま、こうした食い違いをどこで止めるのか。メーカーと売り場の双方に、答えの出ていない問いが残る。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]






























































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