オードリー・若林正恭『青天』が候補に 直木賞ではお笑い初 同世代男性の心をつかんだ「あの頃の青春」

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オードリーの若林正恭(47)の初小説『青天』(文藝春秋)が、第175回直木賞の候補作に選ばれた。1999年の東京を舞台にした高校アメフト部の青春小説で、累計発行部数は29万部を突破。お笑いタレントの直木賞候補入りは史上初となる。選考会は2026年7月15日(水)、都内で開かれる。
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■ 若林の初小説が直木賞候補に お笑いタレントとして初の選出
2026年6月10日、第175回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の候補作が発表された。直木賞5候補のうちの1作に、若林正恭(47)=オードリー=の小説『青天』(文藝春秋)が名を連ねる。お笑いタレントが直木賞候補に選ばれるのは初めてだ。
他の候補作は朝倉かすみ「けんぐゎい」(光文社)、蝉谷めぐ実「見えるか保己一」(KADOKAWA)、凪良ゆう「多類婚姻譚」、原田ひ香「#台所のあるところ」の計4作。授賞作を決める選考委員会は7月15日(水)、都内で開かれる。
直木賞は1935年創設の大衆文学の賞で、「文藝春秋」を創刊した菊池寛が、前年43歳で没した直木三十五を記念して設けた。年2回の選考委員会で受賞作を決める仕組みだ。現役のお笑い芸人がその候補に名を連ねるのは今回が初めてとなる。
■ 1999年の東京、弱小アメフト部が描く「宙ぶらりん」
舞台は1999年の東京だ。総大三高アメフト部の「アリ」こと中村昴は、万年2回戦どまりのチームに所属する。強豪・遼西学園に高3の引退試合で打ち砕かれ、引退後は受験にも不良にもなりきれない宙ぶらりんの日々が続いた。もがき続けるなかで、アリは再びアメフトと向き合う決意を固める。
タイトルの「アオテン」はアメリカンフットボール用語で、試合中に仰向けに倒されること。転倒の瞬間そのものが作品の名に宿る。
若林自身も日本大学第二高校時代にアメフト部でプレーし、相方の春日俊彰(47)=オードリー=とはチームメイトだった。1978年東京都生まれの若林にとって、1999年は21歳の年にあたる。受験の焦燥、部活後の宙ぶらりん——40代男性が「あの頃の自分」を重ねやすい時代設定を、若林は選んだ。
「アメフトのルールはよくわからない。それでも楽しかった」「こんなむき出しの小説を読むのは久々」。刊行前に書店員100人以上が感想を公式に寄せており、競技の専門知識を超えて幅広い読者に届く。
1999年に高校生だった読者は、2026年現在で42〜45歳となる。部活と受験に挟まれた「あの頃」を直接知る世代が、主要な読者層を形成した。
■ 「夢中で書いた」—noteから29万部、若林のコメント
小説の執筆は今作が初となる。2024年に文章投稿サイト「note」で連載を始め、今年2月20日に文藝春秋から書籍化。予約段階で発売前重版が決まり、書店の棚から在庫が消えたと話題になった。全304ページ、税込1,980円の本が、発売から約3カ月半で29万部に達する。
若林は文藝春秋を通じて「とにかくアメフトが好きで夢中で書いた作品なので、直木賞の候補作に選ばれるとは思ってもいませんでした」と明かした。「主人公のアリが、想像よりずっと力強く、遠くまで走っていくなあと。”そのまま直木賞にぶち当たってこい”と背中を見守る気持ちです」。主人公への愛着が滲む言葉だ。
■ エッセイで13年、前例はピース又吉の芥川賞
若林の執筆活動は2013年に始まる。初エッセイ集『社会人大学人見知り学部 卒業見込』はたちまちベストセラーとなった。2018年にはキューバ旅行を記した『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』で第3回斎藤茂太賞。3冊目のエッセイ集『ナナメの夕暮れ』は累計42万部を突破する。
だが、小説は今回が初挑戦だった。エッセイで磨いた文章力を携え、虚構の世界へ踏み出した一作だ。
お笑い芸人と文学賞が交わった先例がある。ピース又吉直樹(46)=ピース=は2015年、初小説「火花」で芥川賞を受賞した。直木賞ではNEWSの加藤シゲアキ(38)=NEWS=が2020年「オルタネート」と2023年「なれのはて」で2度候補に入ったが、いずれも受賞には届かず。芸人として直木賞候補に名を連ねるのは若林が初めてだ。
又吉の受賞は芥川賞——純文学の舞台だった。若林が選ばれたのは直木賞、大衆文学が対象の賞だ。エッセイで培った読者との距離感を、小説でどう表現するかが問われる場となった。
■ 選考会は7月15日 「書き手・若林」の新たなキャリア
受賞作は2026年7月15日(水)の選考委員会で決まる。受賞なら、又吉の芥川賞と並ぶ現役お笑い芸人の文学賞受賞だ。7月15日が、若林の新たな表現者としてのキャリアを刻む日となる。
2024年2月18日、「オードリーのオールナイトニッポン」15周年を記念した東京ドームライブを開催し、会場・ライブビューイング・配信合計で16万人が熱狂した。バラエティ、ラジオ、執筆と複数の表現の場を持つ若林が、今度は直木賞の扉をたたく。答えは7月15日に出る。
[文/構成 by たかなし もか]

































































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