吉田鈴、日本シリーズ第2戦で始球式 同じ日に姉・吉田優利が米ツアー初優勝、プロゴルファー姉妹

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
女子プロゴルファーの吉田鈴(22)=大東建託=が10月25日、横浜スタジアムで行われたSMBC日本シリーズ2026第2戦、DeNA対ソフトバンクの試合前に始球式を務めた。投球は大きくそれたが、笑顔で大役を終え、「ゴルフの試合より緊張しました!」とコメントした。同じ10月25日(日本時間)には、姉の吉田優利(26)=エプソン=が韓国で行われた米女子ツアーのBMW女子選手権で、ツアー初優勝を手にしている。
夢だった始球式、ボールは大きく外へ
日本野球機構(NPB)が第2戦の始球式に吉田鈴を起用すると発表したのは10月23日だった。シリーズは24日に開幕し、第2戦は25日午後6時に横浜スタジアムで始まる予定となっていた。
当日、吉田は緑を基調としたユニホームの上着に黒のショートパンツ、ポニーテール姿でマウンドへ向かった。捕手役の松尾に向けて投じたボールは一塁側へ大きくそれる。打席に立ったソフトバンクの1番・正木智也の外角のはるか外を通り、捕手が横に飛びついても届かなかった。スタンドがどよめいた。
それでも吉田は悔しそうな表情のあとに笑みを見せ、スタンドに頭を下げてマウンドを降りた。客席からは大きな拍手が起きたという。
吉田は「夢だったSMBC日本シリーズの始球式に登板させていただき大変光栄でした」とコメントし、マウンドでの気持ちを「ゴルフの試合より緊張しました!」と明かした。ツアーで優勝争いを経験してきた22歳でも、プロ野球の大舞台は勝手が違ったようだ。
なぜプロゴルファーが日本シリーズのマウンドに立ったのか。
答えはシリーズの冠にある。日本シリーズは三井住友銀行(SMBC)が特別協賛しており、吉田は2025年から同行とスポンサー契約を結んでいる。NPBの発表でも、吉田は「三井住友銀行が応援する注目の若手プロゴルファー」と紹介されており、協賛社が支援するアスリートが日本一を決める舞台に招かれた形だ。
試合はTBS系列の地上波で中継され、始球式の場面も全国に流れた。Xでは、アイドルだと思ったらプロゴルファーだったと驚く投稿や、プロでも始球式では緊張するのかと緊張ぶりに触れる投稿が見られた。姉の優勝と同じ日の登板に、巡り合わせを感じるファンの声もあったという。
試合そのものは延長戦にもつれた。ソフトバンクは8回に筒香嘉智の3ランで逆転されたが、9回に代打・山川穂高のソロで追いつき、延長10回に川村友斗のソロで勝ち越して4-3で勝利。第1戦に続く延長勝ちで、シリーズ2連勝となった。
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始球式は第1戦でも行われ、DeNAの前監督・三浦大輔がマウンドに上がっていた。
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同じ日、姉・優利は韓国で4打差逆転
同じ10月25日、姉の吉田優利は韓国・海南のパインビーチ・リンクス(パー72)でBMW女子選手権の最終日を迎えていた。首位のユ・ヘラン(韓国)と4打差の2位から出ると、雨の中、2番パー5でチップインイーグルを決め、前半のうちに首位へ立つ。
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後半は15番でボギーをたたき、17番パー5では約48ヤードのバンカーショットをピッチングウェッジでピンそばに寄せてバーディーを奪った。18番は3パットのボギーとしたが、最終組のユ・ヘランも18番でボギー。通算17アンダーの吉田が、ユ・ヘランと崔慧珍(ともに韓国)に1打差をつけて逃げ切った。最終日のスコアは68だった。
優利は「夢がかなった。一生心に残る瞬間」と喜び、17番のバンカーショットについては「もう一生打てない」と語った。優勝賞金は35万2500ドル(約5500万円)。次は10月29日開幕のメイバンク選手権(マレーシア)を経て、11月5日開幕のTOTOジャパンクラシックで日本のファンの前に立つ予定だ。
「同じ日」は日本時間でも成り立つ。韓国と日本はどちらも協定世界時より9時間進んでおり、時差がない。優利の初優勝は25日午後4時前(日本時間)には報じられており、午後6時開始予定の第2戦の前に鈴がマウンドに立ったとき、姉の優勝はすでに決まっていた。
姉の背中を追った妹、今季2勝の22歳
吉田鈴は2004年2月21日生まれ、千葉県市川市の出身。ゴルフを始めたのは6歳頃で、父と3学年上の姉がプレーしていた影響だった。小学生の頃は水泳やフットベースボールにも打ち込んだが、真剣に練習する姉の姿を見て、自然とプロを目指すようになったという。
アマチュア時代は2021年の日本女子アマで4位タイに入り、2022年と2023年にはオーガスタ・ナショナル女子アマに出場した。2022年は日本勢でただ一人予選を通過し、20位で終えている。
プロへの道は平たんではなかった。プロテストに合格したのは2024年、4度目の挑戦でのことだ。プロ2年目の今季は6月のヨネックスレディス(新潟・ヨネックスCC)で通算8アンダーで逃げ切り、ツアー初優勝。国内女子ツアーで姉妹がともに優勝したのは、福嶋晃子・浩子、堀奈津佳・琴音、岩井明愛・千怜に続く4組目となった。
8月のCAT Ladies(神奈川・大箱根CC)では最終日に68を出して通算13アンダーで2勝目。初優勝から約2か月での優勝だった。
ヨネックスレディスの優勝スピーチでは「まだまだ技術面でも足りないことばかりですが、もっともっと練習して女子ゴルフ界を盛り上げられる存在になれるように頑張っていきます」と話していた。
同じ市川市出身、それぞれの舞台へ
姉の優利は2000年4月17日生まれで、同じ市川市の出身。2018年に日本女子アマと日本ジュニアを制し、2019年のプロテストに一発で合格した。国内ツアーでは2021年の楽天スーパーレディースで初優勝し、2023年のワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップで国内メジャーを制するなど通算4勝を挙げた。2024年から米ツアーに本格参戦し、3年目でつかんだ初タイトルだった。
ジュニア時代、姉妹が同じ大会で争うことはほとんどなかった。鈴は地元・市川について語ったインタビューで、姉が先に高校の部へ進んでいたため「同じフィールドで戦うことがなかったこともあり、当時はライバルとは思わなかったですね」と明かしている。プロになった今は、ライバル意識が芽生えているかもしれないとも話していた。
姉は韓国で米ツアーの頂点に立ち、妹は横浜で日本シリーズのマウンドに上がった。舞台は違っても、2人の名前が同じ日に並んだ。
姉が凱旋するTOTOジャパンクラシックは11月5日、茨城県で開幕する。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]









































































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