クリスタルキング元メンバー・中村公晴さん死去、74歳 『愛をとりもどせ!!』作詞などを手がけた経歴を辿る

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
1979年の「大都会」で知られるクリスタルキングの元ピアノ担当、中村公晴さんが10月24日未明に亡くなった。74歳だった。亡くなったのはボーカルではない。元ボーカルの田中昌之(75)が25日に自身のXで公表し、アニメ「北斗の拳」の主題歌「愛をとりもどせ!!」を作詞した人の訃報として伝わった。
クリスタルキングのメンバー死去、亡くなったのはピアノの中村公晴さん
中村さんが息を引き取ったのは10月24日の午前3時5分。翌25日、長く同じステージに立ってきた元ボーカルの田中昌之が、自身のXでファンへ報告した。
「クリスタルキングを愛してくれた皆さまへ。中村公晴が昨日未明 3時5分 虹の橋を渡って逝きました。彼を愛していただきほんとうにありがとうございました。」
クリスタルキングは、ハイトーンの田中と低音のムッシュ吉﨑によるツインボーカルで知られる。亡くなったのはバンドでピアノを担当した中村さんで、ボーカルの2人ではない。
死因は伝えられていない。葬儀の日程などについても、25日時点の報道では明らかにされていなかった。
報道によると、田中と中村さんの付き合いは55年に及ぶ。田中は9月18日付の投稿で中村さんについて「信頼感があった」とつづり、中村さんが静岡県富士市に移住したことにも触れていた。2022年の報道でも、中村さんは静岡県に移ってのんびり暮らしていると紹介されている。
「愛をとりもどせ!!」の作詞作曲、中村さんと山下三智夫のコンビ
中村さんの名前を最も広く残したのが「愛をとりもどせ!!」だ。1984年10月5日に発売されたシングルで、テレビアニメ「北斗の拳」の初代オープニングテーマになった。作詞は中村公晴、作曲は当時ギターを担当していた山下三智夫。バンドの中のメンバー2人で仕上げた1曲だった。
冒頭の「YOUはSHOCK」を2人で歌い、Aメロはムッシュ吉﨑の低音、サビは田中のハイトーンが受け持つ。ツインボーカルの持ち味をそのまま生かした構成で、「YOUはSHOCK」のフレーズは放送から40年以上たった今も、アニメの名場面とセットで語られる。
曲の寿命は長い。2004年7月には、吉﨑が率いるクリスタルキングが20年ぶりに同曲をリリースした。2026年4月10日深夜に放送が始まった18年ぶりの新作アニメ「北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-」では、X JAPANのToshlがエンディングテーマとしてカバーし、7月1日発売のアルバム「IM A SINGER VOL.4」にも収めている。
作詞者を見送った今も、この歌は新しい世代のアニメで流れ続ける。
クリスタルキングの歩みと中村さんの23年
クリスタルキングは1971年、ムッシュ吉﨑が長崎県佐世保市で結成したバンドだ。中村さんは1975年に加入し、1998年まで在籍した。全国区になる前の下積みの時期から、ピアノでバンドを支えてきたことになる。
転機は1979年に訪れる。「大都会」がヤマハポピュラーソングコンテストと第10回世界歌謡祭でグランプリを受け、同年11月21日に発売されるとミリオンセラーにつながった。あの曲のイントロでピアノを弾いていたのが中村さんだ。翌1980年には第31回NHK紅白歌合戦に初出場し、「大都会」を歌っている。
その後も「蜃気楼」「瀬戸内行進曲」などのヒットを重ね、1984年に「愛をとりもどせ!!」が生まれた。ただ、バンドはその後メンバーの脱退や再加入が続き、田中も1986年にいったん離れている。中村さんがグループを離れたのは1998年。再加入していた田中が再び脱退したのと同じ年で、23年に及んだ在籍に区切りをつけた。
中村さんと共に歩んだクリスタルキングのメンバー
「大都会」のころのクリスタルキングは7人編成だった。中村さんと同じステージに立ったメンバーとの関わりと、それぞれの現在をまとめる。
田中昌之(ハイトーンボーカル)
中村さんとは55年に及ぶ付き合いだったと報じられている。「大都会」でイントロのピアノを弾いたのが中村さん、サビの高音を歌ったのが田中だった。田中は1986年にいったん脱退して九州を拠点に活動し、1995年に再加入。3年後の1998年、中村さんがグループを離れたのと同じ年に再び脱退した。一時期は「田中雅之」の名義でも活動している。
今はソロ歌手としてライブを中心に歌い続けており、70歳だった2022年の取材では「今のほうが歌うまい」と現役続行への意欲を明かしていた。
ムッシュ吉﨑(リーダー・低音ボーカル)
1971年にバンドを結成したリーダーで、中村さんは1975年にそのバンドへ加わった。中村さんが詞を書いた「愛をとりもどせ!!」では、Aメロを吉﨑の低音が受け持つ。レコード会社のプロフィールでも、「大都会」でのグランプリ獲得や「瀬戸内行進曲」などのヒット曲とともに、1984年に「北斗の拳」の主題歌「愛をとりもどせ!!」を歌ったことを紹介している。
現在のクリスタルキングは吉﨑のソロプロジェクトとなっており、グループ名を引き継いで活動を続けている。
山下三智夫(ギター)
中村さんとともに「愛をとりもどせ!!」を生んだのが山下だ。作詞は中村さん、作曲は山下が担当した。1975年から1986年まで在籍したギタリストで、「大都会」の作曲も手がけた作曲面の柱でもある。
田中は2022年の取材で、山下は音楽の第一線を離れ、九州で別の仕事をしていると明かしている。
今給黎博美・野元英俊・金福健(キーボード・ベース・ドラム)
ボーカルの2人、ギターの山下、ピアノの中村さんとともに「大都会」のころのステージに立っていたのが、キーボードの今給黎博美、ベースの野元英俊、ドラムの金福健さんの3人だ。田中は2022年の取材で、この7人のうち今も音楽を続けているのは自身と吉﨑、今給黎の3人だと語り、野元は音楽以外の仕事に就いていると明かしている。
ドラムの金福健さんは2014年に亡くなっている。中村さんの死去で、7人のうち2人が世を去ったことになる。
中村公晴さんが残したもの
表舞台で目立つのは、いつも2人のボーカルだった。それでもピアノと詞でバンドを支えた中村さんの仕事は、「大都会」のイントロと「愛をとりもどせ!!」の歌詞の中に残る。
55年来の仲間を見送った田中は25日、ファンへの「ほんとうにありがとうございました」という言葉で報告を結んでいる。
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[文/構成 by 飯田タツヤ]











































































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