永原依弦、アジア大会スケボー・パークで逆転金 15歳で長谷川瑞穂とアベック優勝、兄は永原悠路

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愛知・名古屋アジア大会のスケートボード男子パーク決勝が9月25日、愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)であり、長野・白馬中3年の永原依弦(15)が88.96点で金メダルに輝いた。予選3位からの逆転優勝。同じ日に女子パークを制した15歳の長谷川瑞穂とともに、日本勢の男女アベック優勝となった。兄はパリ五輪代表の永原悠路で、前回大会で銀メダルだった兄を上回る結果を残した。
予選3位から頂点へ 2回目の88.96点が決め手に
決勝は45秒間のランを3回ずつ滑り、ベストスコアの上位5人が最終4回目の「ゴールデンラン」へ進む方式で行われた。順位は最終ランを終えた時点の最高得点で決まる。
永原は予選3位で決勝に進んだ。予選では1回目にミスが出て50点台の9位に沈んでいたが、そこから立て直し、全体8位までに与えられる決勝の枠を3位で手にしている。
流れをつかんだのは決勝の1回目だ。多くのライバルが転倒する中、永原は高さのあるエアトリックを重ねてノーミスで滑り切り、87.33点で首位に立つ。2回目は完成度をさらに高め、大技のキックフリップインディなどを決めて88.96点へスコアを伸ばした。
この得点を超える選手は、最後まで現れなかった。
銀メダルはチャイニーズ・タイペイの12歳、辜泳諺。1回目は70.50点、2回目と3回目は転倒が続き、3回目を終えた時点で5位だったが、最終4回目のランで永原の1回目と同じ87.33点を出し、2位に浮上した。2回目に86.03点を出して2番手で最終ランへ進んでいた志治は、この逆転で3位に下がった。4回目のランでは一度失敗した技に再び挑んだが、高く跳んだ後に背中側から落ちて得点を更新できず、銅メダルとなった。落下後は担架で運ばれ、会場が一時騒然となったものの、競技後には取材に応じている。4位は84.41点のジェリコ・フランシスコ・ジュニア(フィリピン)で、銅メダルまで1.62点届かなかった。
| 順位 | 選手 | 国・地域 | 得点 |
|---|---|---|---|
| 1位(金) | 永原依弦 | 日本 | 88.96 |
| 2位(銀) | 辜泳諺 | チャイニーズ・タイペイ | 87.33 |
| 3位(銅) | 志治群青 | 日本 | 86.03 |
| 4位 | ジェリコ・フランシスコ・ジュニア | フィリピン | 84.41 |
「めっちゃうれしいです」。兄を超える金メダルに、永原は誇らしげに笑った。表彰台の中央については「緊張した」と頭をかきながら、「いい眺めだった」と話している。見せ場の2回目については「高く跳ぶところが観客席からも近くて、見せ場だと思った」と胸を張った。
女子は長谷川瑞穂が94.03点 日本勢は男女4人全員が表彰台
同じ日の午前に行われた女子パーク決勝では、スケートボードパークの世界ランキング1位に立つ長谷川瑞穂(S高1年)が金メダルを手にした。予選1位で決勝に進むと、1回目に体を空中で1回転半させる「540」を組み込んで88.83点をマーク。2回目には代名詞の「フロントフリップインディ」を成功させ、出場選手でただ一人の90点台となる94.03点を出した。
2位は林逸凡(チャイニーズ・タイペイ)で85.15点。20歳の岡本碧優は1回目のランを失敗したものの、2回目に540を決めて82.86点を出し、銅メダルに入った。2021年東京五輪で4位に終わり、一時は競技から離れた時期もあった選手が、アジア大会初出場で表彰台へ戻っている。
| 順位 | 選手 | 国・地域 | 得点 |
|---|---|---|---|
| 1位(金) | 長谷川瑞穂 | 日本 | 94.03 |
| 2位(銀) | 林逸凡 | チャイニーズ・タイペイ | 85.15 |
| 3位(銅) | 岡本碧優 | 日本 | 82.86 |
長谷川は試合後、大技の成功を「本当にうれしかった」と喜んだ。一方で「でもその後、本来なら決めるべきだったのに決められなかった技があってそれがすごく悔しい」と課題も口にしている。2年後のロサンゼルス五輪に向けては「まずはケガをせずに、常にベストなコンディションを保ち続けたい」と話した。
山梨県甲府市出身の長谷川は、12歳で臨んだ2023年の日本オープンを初めて制し、2025年の日本選手権で優勝。2026年3月の世界選手権で2位、4月の日本オープンでも優勝を重ねている。男子の永原、志治と女子の長谷川、岡本を合わせ、パークに出場した日本選手4人は全員がメダルを持ち帰った。
32年ぶりに日本で開かれたアジア大会では、競泳でも17歳が男子200m平泳ぎを世界新記録で制するなど、日本の10代選手の活躍が続く。
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兄・永原悠路は杭州で銀、パリ五輪にも出場
永原悠路は白馬村出身のスケートボーダーで、太陽ホールディングスに所属する。2023年秋に開かれた杭州アジア大会(第19回大会)の男子パーク決勝では、最終滑走の3本目に技をすべて決めたが84.00点にとどまり、84.41点の陳燁(中国)に0.41点及ばず銀メダルだった。2024年のパリ五輪にも同種目で出場し、1回目に81.38点を出したものの2回目、3回目で転倒し、15位で予選を終えている。
大会前、弟の依弦はけがで練習ができず、ゲームに熱中する時期があった。その姿を見た兄から厳しく活を入れられたという。依弦はすぐにゲーム機を片付け、競技に集中する日々へ切り替えた。
「お兄ちゃんは前回銀メダル。今回は自分が優勝できてよかった」
兄が届かなかった金メダルを、弟が地元開催の大会で手にした。依弦は大会前の取材で「中学校に金メダルを持ち帰りたい」と語っており、その言葉どおりの結果となった。
依弦はグーフィースタンス(右足を前に置く構え)で滑る。2025年の日本選手権で初優勝した際には、志治を抑えている。一方の志治は愛知県蟹江町出身で蟹江北中に通う15歳。2025年4月の日本オープンを13歳で制し、同年10月の日本選手権で準優勝している。地元・愛知の会場では、滑走中に「群青!群青!」と名前を呼ぶ声援が響いた。
日本勢はアジア大会パークで男女とも実績 次は10月の世界選手権
スケートボードがアジア大会で初めて実施された2018年のジャカルタ・パレンバン大会では、男子パークで笹岡建介、女子パークで四十住さくらがそれぞれ金メダルを手にした。2023年の杭州大会では女子を草木ひなのが制し、男子は永原悠路が銀、笹岡が銅だった。
女子パークは長谷川の優勝で日本勢の3連覇。男子パークは2018年の笹岡以来、2大会ぶりに日本勢が頂点へ戻った。15歳の男女がそろって表彰台の真ん中に立ち、2028年のロサンゼルス五輪を目指す世代の層の厚さを示した。
永原は次の舞台として10月の世界選手権を見る。「この流れで、いい成績を残したい」と意気込みを語った。兄が立った五輪の舞台を目指す戦いは、ここから続く。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]










































































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