ヨドバシカメラ名鉄名古屋店、16日午前9時30分開店 内覧会で公開された全5フロアの中身

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
ヨドバシカメラが9月16日午前9時30分、名鉄名古屋駅直結の名鉄ビルに「ヨドバシカメラ マルチメディア名鉄名古屋店」を開店した。15日の内覧会では、百貨店時代の吹き抜けを残した売り場や、商品を試せる体験コーナーが公開された。地下1階から4階までの5フロア、売場面積は約1万1900平方メートルだ。
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旧名鉄百貨店の地下1階から4階、5フロアで開業
店舗は愛知県名古屋市中村区名駅一丁目の名鉄ビルに入る。2026年2月28日に閉店した名鉄百貨店本店の本館が営業していたビルで、そのうち地下1階から地上4階までの5フロアをヨドバシカメラが使う。売場面積は約1万1900平方メートル、坪数にして約3600坪となった。
営業時間は午前9時30分から午後10時まで、年中無休で営業する。名鉄名古屋駅と名鉄バスセンターに直結しており、ヨドバシは「雨の日でも濡れずに立ち寄れる」立地を打ち出している。車で来る客向けには、約2000台分の提携駐車場を用意した。
開店日の告知は9月上旬に公式発表済みだった。店内がお披露目されたのは15日の内覧会で、報道陣に売り場が公開され、藤沢和則社長が記者会見に臨んだ。
ヨドバシにとっては、JR・名鉄・近鉄の各駅が集まる名古屋駅、いわゆる名駅エリアへの初出店になる。愛知県内の店舗は、栄の「ヨドバシカメラ サンシャインサカエ店」に続く2店舗目だ。
吹き抜けは双眼鏡売場に フロアごとの売り場
内覧会で目を引いたのは、百貨店の面影だ。建物は改装したものの、1階から2階へ抜ける吹き抜けは残した。エレベーターやエスカレーターも百貨店時代のものを使い続けている。
その吹き抜けを、ヨドバシは売り場に取り込んだ。2階には双眼鏡売場を置き、1階まで見下ろせる吹き抜けの広さを生かし、その場で双眼鏡を試せるようにしている。
各フロアの主な売り場は次のとおりだ。
| フロア | 主な売り場 |
|---|---|
| 地下1階 | 日用品、医薬品、トラベル用品 |
| 1階 | 携帯電話・スマートフォン、スマートウォッチ、モバイルバッテリー、電動モビリティ、ヨドバシ・ドット・コム注文品の受取カウンター |
| 2階 | 双眼鏡、パソコン・PCパーツ、カメラ、ゲーム、腕時計 |
| 3階 | 冷蔵庫、洗濯機、エアコン、掃除機、調理家電、美容家電 |
| 4階 | イヤホン・ヘッドホン、プロジェクター、テレビ、玩具、カプセルトイ、クレーンゲーム |
地下1階は名鉄名古屋駅の改札口とつながる。1階には、通販サイト「ヨドバシ・ドット・コム」で注文した商品を受け取る専用カウンターを設けた。他店ではレジと一緒にしていることが多い受け取り窓口を、百貨店時代の空間を使って独立させている。会社帰りにスマホで注文し、店で受け取って帰る使い方を想定しているという。
2階のパソコン売場は、アップル製品やウインドウズの最新モデルを目立つ位置に並べる。周辺にオフィスが多いことを踏まえ、モニターやプリンター、シュレッダーなど仕事向けの機器も集めた。カメラ売場ではミラーレスカメラをそろえ、ライカのような高級機も手に取れる。腕時計はオメガやロレックスから手頃な価格帯まで扱う。
3階は白物家電と美容家電のフロアだ。掃除機売場にはゴミのサンプルが置かれ、吸引力をその場で確かめられる。美容家電の売場には鏡付きの椅子を用意し、ドライヤーの仕上がりを見ながら試せる。
4階ではテレビ売場の前にソファを置き、部屋に置いた様子を再現した。玩具売場のほか、約1500面のカプセルトイコーナーも設け、その隣にはクレーンゲームが40台近く並ぶ。
AIグラスにヘッドホン約1800アイテム 「試せる」売り場の数字
店が前面に出すのは「体感できる売場」だ。公式発表によると、スマートフォンやスマートウォッチと同じフロアに、AIグラスやAIレコーダー、アクションカメラなどを集め、話題の機器を比べながら試せるようにした。AIグラスは、AIの機能を備えたメガネ型の端末のことだ。
数字で目立つのがヘッドホンだ。試聴できるヘッドホンコーナーには約1800アイテムがそろう。2月まで栄で営業していた「マルチメディア名古屋松坂屋店」の約1.5倍にあたる。4階のイヤホン売場ではワイヤレスイヤホンを自由に試聴でき、商品棚の鏡で着けた姿も確認できる。
店長は内覧会で「お客様が実際に触ってご体感いただける売場づくりをモットーにしている」と説明した。ドライヤーは風量や音を、イヤホンは全商品の音を確かめてから買えるという。
コスメ売場は約8000アイテムを扱い、500種類以上のフェイスマスクや韓国・中国コスメも並ぶ。キッチン用品では包丁ブランドを集めた「ヨドバシ刃物コーナー」を設け、調理家電は実演で試食や試飲もできる。
もっとも、売り場はまだ仕上がりきっていない。商品点数は6月30日に開業した「ヨドバシカメラ マルチメディア池袋」と同程度だが、池袋の店舗面積約3万3000平方メートルに対して名鉄名古屋店は約3分の1にとどまる。入りきらなかった商品もあり、店長は随時スペースを作りながら品ぞろえを増やす考えを示した。
決定は7月、開店は9月 藤沢社長が語った短期決戦
準備期間は2カ月あまりしかなかった。名古屋鉄道とヨドバシカメラが名鉄ビルへの出店合意を発表したのは7月10日。そこから9月16日の開店まで、急ピッチで店づくりが進んだ。
藤沢社長は内覧会で「今回は決定が7月で、オープンが9月16日という非常に短い準備期間だった」と明かした。まだ店づくりが終わっていない部分もあるとしたうえで、客の声を聞きながら店を良くしていく考えを示している。
会見では「念願かなって名古屋の地に開店でき、期待している」とも述べ、立地については「東海地方の中で一番ご利用いただく、最も良い場所にご縁をいただいた」と語った。一方で、名古屋ではまだヨドバシの名前が浸透していないとも話している。
店長は客層の中心をビジネスパーソンとみるが、来店の見込みはもっと広い。駐車場は名鉄百貨店が契約していた近隣の約2000台分を引き継ぐ。藤沢社長は「岐阜、三重、静岡、こういったエリアまで含めたこの東海地区のお客様の来店を期待している」と話し、すぐ近くを通る高速道路からの来店も見込む。静岡・愛知・岐阜・三重の東海4県で、ヨドバシの店舗は名古屋の2店だけになる。
百貨店のビルへの出店は、6月30日に開業した池袋に続く。問われた藤沢社長は「たまたまご縁をいただいた。偶然が重なったとご理解いただきたい」と答えた。新宿西口の駅前から始まった会社として、駅前の好立地は機会があれば迅速に決めて出店する方針だという。
名駅再開発の延期が生んだ出店
なぜ百貨店の建物がそのまま残っていたのか。
名鉄百貨店本店は1954年12月、東海地方初のターミナル百貨店として開業した。閉店は、名古屋鉄道グループの名古屋駅地区再開発に合わせて決まっていたもの。ところが名鉄は2025年12月、人材確保難を理由に施工予定者の選定に応募していた企業が入札を辞退したと発表し、建物の解体と建て替えの時期を「未定」に改めた。百貨店は予定どおり2026年2月28日に営業を終え、71年の歴史に幕を下ろした。残った建物の低層階をどう使うかという課題に対し、答えの一つとなったのがヨドバシの出店だ。
名鉄ビルではすでに6月、本館地下1階にギフトコーナーが開業している。旧メンズ館のビル地下1階には、この冬にも高級スーパー「サポーレ」が出店する予定だ。
ヨドバシ側の事情も重なる。栄の松坂屋名古屋店に入っていた「マルチメディア名古屋松坂屋店」は、松坂屋の大規模リニューアルに伴って2月1日に閉店した。2月3日に移転開業したサンシャインサカエ店の売場面積は約1433平方メートルで、名鉄名古屋店の8分の1ほどしかない。
サンシャインサカエ店は9月5日に売り場を組み替え、スマートフォン関連の売り場を残しつつ、カプセルトイやカードゲーム機のコーナーを新設した。取り扱いをやめた分野の商品は名鉄名古屋店が引き継ぐ。駅前の大型店と栄の小型店で役割を分ける2店舗体制になった。
名駅の家電量販店では、JR名古屋駅の周辺にビックカメラの名古屋JRゲートタワー店と名古屋駅西店がある。旧名鉄百貨店ヤング館に入っていたヤマダデンキLABI名古屋は、2月に閉店した。競合店との違いについて、店長は「社員の接客力、提案力。他社に負けない商品知識のレベル」を挙げている。
開店に合わせ、家電2点以上のまとめ買いで最大2万ゴールドポイントを付けるなどの記念キャンペーンも行っている。名古屋エリア限定の「ゴールドポイントカード・プラス」新規入会キャンペーンは12月31日まで続く。駅直結の5フロアが、名駅の買い物の流れをどこまで変えるのか。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]





































































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