井上尚弥「中谷陣営がアレを見せてしまった」――全てを織り込み済みの王者「どう出てきても対応できる」

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ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥が20日、横浜市内で公開練習を行った。5月2日に東京ドームで迎える中谷潤人との防衛戦に向け、王者は「どう出てきても対応できる」と自信をのぞかせる。チケットはすでに完売し、国内史上最多となる5万5000人の動員が見込まれる。
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180人が見つめた公開練習
横浜市内の大橋ジムは、異様な熱気に包まれていた。4月20日、井上尚弥(33)=大橋=が公開練習を実施。フロアには映像カメラ15台が並び、約180人の報道関係者が詰めかけた。ジムが入るビルの外にまで人があふれ出す事態だ。
視察に訪れた中谷陣営の目の前で、井上はシャドーボクシングやミット打ちなどを各1ラウンド披露。「包み隠さず全部やりました」。練習後、M.Tジムの村野健会長に向けて笑顔で言い放った。
会見では、父の真吾トレーナーが戦術に触れる一幕もあった。真吾トレーナーが「ナオの出入りのスピードだったり、空間を見てもらいたい」と語ると、井上がすかさず「ダメだよ、そこまで言ったら」と制止。それに対して真吾トレーナーは『言い過ぎた?』という一幕があり、会場の笑いを誘いつつ、万全の仕上がりを印象付けた。
奇襲は「織り込み済み」
挑戦者の中谷潤人(28)=M.T=は、32戦全勝(24KO)の戦績を持つ長身サウスポーだ。昨年6月の西田凌佑戦では、開始直後から強引な打撃戦を仕掛ける奇襲を見せ、6回終了TKOで王座を統一した。
この戦い方は、井上にとって格好の研究材料となった。
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スポニチの取材に対し、「中谷陣営があれを見せてしまったところがどう出るか」と井上は指摘する。「目の前であの戦い方を見せてくれたのは非常にプラス。イメージはもの凄くふくらんでいる」。普段見せないスタイルをいきなり披露した挑戦者の意図を、王者はすでに読み切っていた。
「どんな入り方、戦い方でも対応できる準備はできている」。会見でそう語る表情に、迷いはなかった。
重圧を否定する「通過点」
今回の東京ドーム興行は、日本ボクシング史上最大規模となる。大橋秀行会長は、入場料収入が過去最高だった一昨年のネリ戦を上回る見通しを明らかにした。
だが、周囲の喧騒をよそに、井上本人は冷静だ。
日本ボクシング界を左右する大一番での重圧について問われた井上は「毎試合乗り越えて32戦戦ってきているので、今に始まったことではない」と一蹴した。「僕のボクシング人生はここで終わりではない。通過点という言葉を使わせてもらった」。
東京ドームという舞台には、一昨年のネリ戦で初回にダウンを奪われた記憶が残る。しかし井上は、動画配信サービスLeminoの密着番組内で「あれがドームだからということは関係ない」と断言。「一度ダウンを経験しているというのは自分の中ですごくいい経験。5・2にも活かせる」と、過去のピンチすら糧にしている。
熱狂は全国へ
決戦への熱気は、すでにドームの外へと広がっている。
5万5000枚のチケットは一般発売を待たずに即完売。中日スポーツによると、全国116の映画館でライブビューイングの開催が決定した。井上の地元である神奈川県座間市や、中谷の出身地・三重県東員町の映画館でも上映される。
対する中谷も、静かに牙を研いでいる。ロサンゼルスでの合宿を終えて帰国した際、下馬評で井上優位の声があることについて「しっかり見返すだけ」と短く答えた。無敗の挑戦者は、番狂わせを狙ってリングに上がる。
PFPランキングの行方
この一戦は、世界的な評価にも直結する。
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米ボクシング専門誌「ザ・リング」が発表する最新のパウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングで、井上は2位を維持。一方の中谷も6位に浮上し、トップ10ランカー同士の激突となる。
勝敗だけでなく、その内容が問われる。井上は会見で「勝ち方次第では1位の返り咲きも見えてくる」と認めつつも、「1位になることを目標に戦うわけではない」と目の前の勝利に集中する姿勢を示した。
絶対王者が支配を続けるのか、無敗の挑戦者が頂点に立つのか。答えは5月2日、リングの上で明らかになる。
[文/構成 by 久遠(KUON)]


























































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