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渋谷のポイ捨て”半数以上が外国人”の衝撃 過料2000円は本当に観光客から徴収できるのか

渋谷のポイ捨て”半数以上が外国人”の衝撃 過料2000円は本当に観光客から徴収できるのか

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2026年6月1日、東京・渋谷区で「ポイ捨てその場で過料2000円」の取り締まりが始まった。区の調査ではポイ捨て行為者の52%が外国人で、区民はわずか8%だ。行政罰の「過料」は自治体職員がその場で徴収できる制度だが、帰国間近の観光客からの回収が本当に可能か。問いに答えるのは6月以降の運用となる。

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6月1日始動、「ポイ捨て即2000円」の仕組み

渋谷区は2026年6月1日、「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」を一部改正し、ごみをポイ捨てした人にその場で過料2000円を科す制度を始めた。最大50人体制の巡回指導員が24時間区内を動き、ポイ捨てを現認した場合は即座に徴収に当たる。渋谷区長の長谷部健は条例改正の発表に際し、「ポイ捨てごみ対策を抜本的に見直す」と述べた。現金のほか、キャッシュレス決済への対応も進める方針だ。

コロナ禍以降のポイ捨て急増が背景にある。区が渋谷・原宿・恵比寿駅周辺など区内5カ所の歩道で100メートル当たりの放置ごみを調べると、コロナ禍直後の2020年5月に最多70.3個を記録した後、減少傾向で推移してきた。2024年以降は8〜13個台で落ち着き、2025年2月時点では10.1個となっている。区は「啓発や巡回員の指導でモラルに訴えるだけでは、もはや難しい」として、強硬策に踏み切った理由を語った。

区民8%、外国人52% 誰が捨てているのか

問題の核心は、誰が捨てているかだ。区のアンケート調査では、ポイ捨てをした人のうち区民は8%にとどまり、残る92%が区外の人間だった。内訳は外国人52%、日本人48%。外国人が過半数を占める。区が昨年7月に路上でポイ捨てをした42人に聞き取り調査を実施したところ、9割以上が区民以外で日本人と外国人がほぼ半々という数字が出た。

ポイ捨てごみの出どころはコンビニが63%と最多だ。ところがコンビニのごみ箱設置率はすでに78%と高い。カフェは80%、ファストフードは97%で、ほとんどの店がごみ箱を置く。一方、ケバブ店などは20%と低く、飲料テイクアウト店(47%)、キッチンカー(50%)も約半数にとどまる。

コンビニのごみ箱は「店舗でご購入いただいた商品を消費した際のごみ箱として、サービス目的で設置している」もので、条例を受けても「店外のごみの持ち込みによって店舗の負担が増えることが懸念される」とローソンの担当者はそう説明した。条例の効果を「ごみのポイ捨てが減ることが期待される」としながらも、店頭運営への影響を率直に認めた格好だ。

「罰金」から「過料」へ、外国人観光客に届くか

条例が「罰金」でなく「過料」を選んだのには理由がある。渋谷区は1997年の条例制定当初からポイ捨てへの罰金規定を持っていた。罰金は刑事罰で、適用には警察・検察の介入が必要だ。区の担当者は「適用された実績はほぼなかった」と認める。そこで採用したのが行政罰である過料で、自治体の指導員がその場で徴収できる点が罰金との最大の違いだ。

ただ観光客に対しては、徴収が難しい場面も生じかねない。過料は行政上の義務違反に対するペナルティだが、支払いを即座に強制する手段は限られる。帰国前日の外国人旅行者が拒否した場合、法的な回収手続きはほぼ機能しない。

先行事例が大分県由布市にある。2025年4月から観光客の多いエリアを重点地域に指定し、ポイ捨てへの過料徴収を開始した。施行当初の変化は軽微。ところが徐々に改善し、今年のゴールデンウィークには市の担当者が「道路に散乱する状況はなくなった、効果はあった」と評価するまでになった。由布市で過料2000円を実際に支払った人数、ゼロだ。それでも街はきれいになった。

川崎市でも1995年から特定地区でのポイ捨てに過料2000円を科す条例が続く。徴収実績はない。市の担当者は「条例はポイ捨てを禁止する抑止効果の意味合いもある」と説明する。豊島区・新宿区も同様の規定を持つが、いずれも摘発例はゼロだ。

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区議が問う「順序」と区の責務

渋谷区の佐々木ゆき区議は条例改正自体には賛成しながらも、一点を突く。「まずは公共のごみ箱を設置すべきで、それでもポイ捨てが減らない場合の過料というのが順序だ」と語った。

区の責任の範囲についても、佐々木区議は問題を提起する。「区の責務がほとんどない条例だ。区の役割は基本方針の策定、調整、啓発のみで、主体的に美化活動を行う規定はない。事業者側に大きな責任を押し付ける内容だ」と批判した。

解決の糸口として佐々木区議が示したのは財源の組み立てだ。「商店街全体でごみ箱を設置して費用を分担し、そこに区が補助金を出す。あるいは宿泊税などで来街者から財源を確保して街の美化に充てるなど、実効性のある仕組みが必要だ」と訴えた。

路上喫煙2万件の実績、ポイ捨てでも通じるか

一方で渋谷区には、同じ「過料2000円」で成果を出してきた実績がある。2019年から路上や公共の場での喫煙を禁じ、違反者からその場で過料2000円を徴収してきた。2025年度の処分件数は2万件を超える。

ポイ捨てで外国人が過半数を占める現状で、同じ成果が出るかは未知数だ。渋谷で毎朝ごみを片付ける清掃業者は「みんなが捨てなくなってきれいな街ができればいい」と話す。東京23区初となる「ポイ捨て即2000円」が抑止効果と実徴収の両立を示せるか、6月以降の運用が問う。

[文/構成 by さとう つづり]

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