サイゼリヤ株がストップ高、松谷秀治社長「9月以降の価格改定を視野」 値上げは検討段階

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サイゼリヤ株が16日、前日比17%高の6,780円でストップ高となった。前日発表の第3四半期決算で純利益が87億円と過去最高を更新し、松谷秀治社長が9月以降の価格改定を視野に入れると述べたことが好感された。値上げはあくまで検討段階で、実施の可否や時期は未定だ。
純利益87億円で最高益、松谷社長「価格改定を視野に」
イタリアンレストランチェーンを展開するサイゼリヤの株価が16日、東京証券取引所でストップ高となった。前日終値比1,000円(17%)高の6,780円まで買いが集まり、東証が定める値幅制限の上限に達した。
きっかけは前日15日に発表された2026年8月期第3四半期(2025年9月〜2026年5月)の連結決算だった。純利益は前年同期比12%増の87億円で、この期間としては過去最高を更新し、市場予想も上回った。決算会見で松谷秀治社長は「消費者物価指数の動向を見ながら、9月以降の価格改定を視野に入れている」と述べた。全国一律の価格体系を見直し、立地によって価格を変える案も選択肢に入れているという。値上げの実施時期や幅は明らかにしておらず、あくまで検討段階にとどまる。
6年ぶりの本格改定になるか、2020年以来の据え置き
サイゼリヤの国内価格は長く据え置かれてきた。看板メニュー「ミラノ風ドリア」は2020年7月、税込み価格の端数をなくす目的で299円から300円に改定されて以降、主要メニューはほぼ変わっていない。この改定は新型コロナウイルス対策として会計時の釣り銭を減らす狙いで実施したもので、収益拡大を狙った値上げではなかった。検討している価格改定が実際に実施されれば、実質的に約6年ぶりの本格的な改定となる。
値上げをめぐっては2025年にも検討の動きがあったが、その際は見送りとなった経緯がある。松谷社長が示した「全国統一価格から立地別価格への移行も視野」という発言は、2025年の検討時にはなかった新しいニュアンスだ。円安による輸入食材コストの上昇は続いており、第3四半期の決算ではこの影響を既存店の増収効果や販管費の削減で吸収し、増収増益を確保した。売上高は2,213億3,200万円(17.5%増)、営業利益は133億2,700万円(25.6%増)、経常利益は136億1,000万円(24.9%増)だった。期末配当予想も30円から35円に引き上げている。
アナリストも前向き評価、決算内容より社長発言に反応
市場の反応は、決算の中身そのものよりも松谷社長の発言に強く出た。SMBC日興証券の皆川良造氏は、15日の決算発表自体に大きなサプライズはなかったとしつつ、価格改定に向けた社長発言は前向きに評価できるとの見方を示している。
松谷社長が触れた「立地別価格」は、都市部か郊外か、賃料水準の違いなど店舗の立地条件に応じてメニュー価格を変える方式を指す。サイゼリヤはこれまで全国どこの店舗でも同じ価格でメニューを提供する方針を貫いてきており、実現すれば価格戦略の大きな転換点になる。
通期(2026年8月期)の業績見通しも上方修正された。売上高は2,970億円(15.7%増)、営業利益は182億円(17.4%増)を見込む。経常利益は183億円(15.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は118億円(5.7%増)の計画だ。地域別では日本事業の営業利益が前年同期比120.7%増の55億9,200万円と大きく伸びた一方、アジア事業の営業利益は6.3%減の73億400万円にとどまった。
ストップ高の意味、投資家心理の急変を映す
証券市場では、株価が急騰して東京証券取引所が定める「値幅制限」の上限に達すると、その日はそれ以上の価格で値がつかなくなる。これが「ストップ高」だ。前日の終値を基準に、株価水準に応じた値幅があらかじめ決められており、極端な値動きから投資家を守る仕組みとされる。反対に株価が急落した場合は「ストップ安」となる。
サイゼリヤ株は16日、買い注文が売り注文を大きく上回る状態が続き、寄り付き直後から値幅の上限に近い水準で推移した。個人投資家を含む市場全体が、約6年ぶりとなる価格改定の検討と好調な決算内容に強気の反応を示し、買いが買いを呼ぶ展開になった。長らく「値上げをしない」外食チェーンとして知られてきた同社が価格改定に言及したこと自体、投資家にとって想定外の材料だった。
実施は9月以降、消費者や外食業界への影響は
松谷社長が示した価格改定の時期は「9月以降」で、具体的な実施日や値上げ幅は明らかになっていない。消費者物価指数の動向を見ながら判断するとしており、実施するかどうかも含めて検討課題のままだ。
価格改定に踏み切る場合、これまでの全国一律価格を見直し、立地別に価格を変える案が検討対象に含まれている点が、2025年の検討時との大きな違いになる。実現すれば都市部の店舗と郊外の店舗でメニュー価格が異なることになり、長年「どこでも同じ低価格」を売りにしてきた同社の価格戦略は転換点を迎える。
外食業界では円安や人件費の上昇を受けた値上げが相次いでいるが、サイゼリヤは低価格路線を維持することで集客力を保ってきた。同社の判断は、他の低価格帯の外食チェーンが今後の価格戦略を考えるうえでの目安にもなりそうだ。ただし、値上げが正式に決まったわけではない。検討段階にとどまる話であることには、引き続き注意が必要だ。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]
































































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