井上尚弥、東京ドーム興行が”100億円規模”か THE MATCH超えの日本格闘技史上最高収益に「次元が違う」

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5月2日に東京ドームで行われたボクシングの世界戦興行「THE DAY」が、日本格闘技史上最高収益となる可能性が高いことが複数の関係者の話で明らかになった。これまで最高額だったキックボクシングイベント「THE MATCH 2022」の50億円超を大きく上回り、海外放映権やPPV、ライブビューイングなどを合算すると100億円規模に達する見込みだ。大橋秀行会長は出場選手全員のファイトマネーが「過去最高額」だと明言した。
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5万5000人を集め、THE MATCH超えが確実に
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5月2日、東京ドームで「NTTドコモ presents Lemino BOXING ダブル世界タイトルマッチ」が開催され、4団体世界スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(33)=大橋=が元3階級制覇王者・中谷潤人(28)=M.T=の挑戦を3-0の判定で退けた。会場に詰めかけた観衆は5万5000人。チケットは最高額33万円(税込)、最安値でも1万1000円と高額設定ながら、4月1日の時点で早々に完売していた。
試合後、複数の関係者の話から、この興行の総収益が日本格闘技史上最高額となることが確実視されると分かった。これまでの記録は2022年6月19日に同じく東京ドームで行われた那須川天心vs武尊をメインとしたキックボクシングイベント「THE MATCH 2022」の50億円超。この日の熱狂は、そのラインを「優に上回る」という。
PPV・海外放映・全国116館のライブビューイングが上積みに
収益の柱は複数ある。国内では、NTTドコモの動画配信サービス「Lemino」がPPV(視聴ごとに課金するペイ・パー・ビュー)形式で独占生配信した。料金は事前購入6050円、当日購入7150円(いずれも税込)。大橋秀行会長(61)は試合前の時点でPPVの売れ行きを「好調」と明言していた。
4年前の「THE MATCH 2022」では、PPVの購入者数は日本格闘技史上最多の約53万人に上り、入場料と合わせて50億円超の規模を作った。今回は5万5000人の入場料収入とPPVでそれぞれ「THE MATCH」と同等以上の数字が見込まれる。さらに、スポーツ専門動画配信の「DAZN」で世界中に生配信された海外放映権料、全国116の映画館で8200円で提供されたライブビューイング収入、スポンサー料、グッズ販売を合算すると、100億円規模のメガイベントとなった可能性がある。
これほどの数字を実現できた背景には、PPVの構造変化がある。以前は無料配信だったLeminoの井上戦中継は昨年12月から有料に切り替わった。Leminoの映像事業を担う田中智則部長は、その転換について「日本人頂上決戦の実現に感謝したい」と語っている。有料配信の浸透が選手へのファイトマネー上昇を後押しする流れが、今回の興行で一段と鮮明になった。
大橋会長「自分の時代とは次元が違う世界になっている」
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大橋会長は出場した4選手全員のファイトマネーが「過去最高額」だと明かした。「ファイトマネーは巨額です。金額はちょっと言えないけど、2人とも過去最高額。井上拓真も過去最高額です」と試合前の取材で語った。金額は非公表だが、複数の関係者の話を総合すると、井上尚弥のファイトマネーは30億円を突破したとみられる。
参考値として、スポーツ専門メディア「スポルティコ」が2026年1月に発表した2025年のアスリート長者番付では、井上のサラリー(年俸・賞金など)が約71億円と報じられた。昨年12月のサウジアラビア・リヤドでのアラン・ピカソ(メキシコ)戦が日本人最高額とされていたが、今回はその額も超えたという。
一方の挑戦者・中谷のファイトマネーも、複数の関係者によれば5億円前後とみられる。挑戦者という立場にもかかわらず、2022年に村田諒太が日本人最高額として受け取った6億円(当時)に迫る水準だ。ファイトマネーの基準が大きく塗り替わりつつある。
大橋会長は「自分の頃とは全然違う。本当に夢のある世界になっている」と語り、元WBA・WBCミニマム級王者として現役を戦った往時とのあまりの差に言葉を探す場面もあった。選手ファーストの環境整備が収益の拡大を呼び、そがまた選手の報酬増につながる好循環が動き始めている。
「THE MATCH 2022」とのスケール比較
「THE MATCH 2022」は5万6399人を動員し、ABEMAのPPV購入者が約53万人と記録的な数字を残した。当時の視聴料は5500円ほどで、入場料とPPVを合わせて50億円超をはじき出した。だが今回のTHE DAYはここに、DAZNを通じた海外配信の放映権料と全国116館のライブビューイング収入が上乗せされる。
「THE MATCH 2022」にはなかったこの2本の収益柱こそ、100億円という数字を現実的にする要因だ。井上という選手の世界的な知名度がなければ、海外放映権を買うプラットフォームは現れない。国内の興行規模が海外マーケットを引き寄せ、海外マーケットが興行規模をさらに押し上げる。その連鎖が、日本格闘技の経済規模を新しい水準に引き上げた。
世界基準から見た「100億円興行」の意味
世界的な比較として、2015年にメイウェザー対パッキャオ戦(米ラスベガス)の収益が語られることが多い。PPV購入件数は約500万件で収益は約4億ドル(当時約480億円)に上り、入場料収入だけでも約7000万ドル(約84億円)とされた。もちろん規模はまだ異なる。しかし、日本国内でPPVを軸に100億円規模を視野に収めたのは、国内格闘技興行としては初の領域だ。
今回の興行では、ギタリストの布袋寅泰が生演奏でオープニングを盛り上げるなど、エンターテインメントとしての演出にも力を入れた。チケットは一般層が先に購入し、コアなボクシングファンが入手できなかったとも大橋会長は明かした。スポーツファンを超えた層が会場に足を運んだ事実は、興行の訴求力が格闘技の枠を越えたことを示している。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]





























































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