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Suica新キャラ3案公開 ”ペンギンロス”のまま投票開始 紫うさぎのB案に”キモかわ”期待論「ミャクミャクみたいで好き」

Suica新キャラ3案公開 ”ペンギンロス”のまま投票開始 紫うさぎのB案に”キモかわ”期待論「ミャクミャクみたいで好き」

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

JR東日本が9月8日、Suicaの新イメージキャラクター候補3案を公開し、同日15時から利用者投票を始めた。最多票を得た案が2027年4月、25年間続いた「Suicaのペンギン」の後を継ぐ。紫のうさぎを描いたB案には、戸惑いと期待が入り混じる。

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投票は9月23日まで 最多票が11月18日に新キャラへ

JR東日本は9月8日、交通系ICカード「Suica」の新しいイメージキャラクターを決める利用者投票を始めた。受付は特設サイトで、同日15時から23日23時59分まで。1人1回に限られ、年齢や性別、職業、国籍を問わず、規約に同意すれば国内外の誰でも参加できる。

候補はA、B、Cの3案。A案はリスで、頭から尻尾の先まで一本のラインでつながる模様が入る。B案は紫色のうさぎ。C案はポシェットにモグラを入れた「オレンジの子」で、本体が何の動物なのかは明かされていない。

得票数が最も多かった案を新イメージキャラクターとして採用する、と同社は明言した。発表日は、2001年にSuicaが誕生してから25年の節目にあたる11月18日。現行の「Suicaのペンギン」は2027年3月31日に卒業し、翌4月1日にバトンを渡す。

「ペンギンを返して」と「一周回ってB」 受け止めは割れた

公開から数時間で、Xの反応は真っ二つに割れた。

ITmediaによると、JR東日本の公式Xアカウントが3案を紹介すると「ペンギンを返して」「いっそ無地の方が良い」といった投稿が相次いだ。一方で「最初は衝撃だけど、数年経てば慣れるのかも」「違和感は今だけ」と時間の経過に期待する受け止めもあった。

案ごとの評価も分かれる。同記事によれば、A案には「デザインが古い」「無難だけどチープすぎる」という指摘が出た反面、「一番しっくりくる」「JRのイメージに合う」と推す投稿もあった。B案については「デザインが不気味すぎる」「うさぎに見えない」が目立ちながら、「キモ可愛ければ可愛いほど売れる」「大阪・関西万博のミャクミャクみたいで好き」と独特さを歓迎する反応も同じくらい多かったという。C案には「やる気がなさそう」「何を考えているのか分からない」の一方、「よく見たら可愛い」「モグラのモチーフが斬新で良い」との評価が並ぶ。

スポーツニッポンも「リスのキャラがクオリティが高い」「かわいい」「モグラかな」といった投稿と、「今までのペンギンの方がいい」という嘆きが同居する状況を伝えた。

女優でタレントの村井美樹は8日、自身のXに「うーーーん。(やっぱりスイカペンギンがよかったな…)」と投稿。東京スポーツは、ほかにも「選択肢、D案にペンギンも追加でお願いします」「いっそノーキャラでいいのでは?」「私はずっとペンギンさん」といった投稿が目立ったと報じている。同紙は「A以外は言い方悪いけど噛ませ」「無難にAになりそう」という下馬評と、「ペンギンを超えるインパクトは、どう考えても真ん中の気持ち悪いやつしかいないでしょ」「一周回ってBかも」というB案推しの両方を紹介した。

Xでは「Suicaの新キャラクター、B案がいちばん良い。本命感ある。ちょっと気持ち悪いし。他のキャラは既視感があってあんまり」と書き込むユーザーもいた。不気味さが、そのまま推す理由になる。

投票開始後、特設サイトには「アクセス集中により、一時的に投票フォームにつながりにくい場合がございます」との案内が掲示された。

卒業発表から10カ月 署名1万8000件が残した空気

そもそも、なぜペンギンは去るのか。

きっかけは2025年11月11日の発表だった。JR東日本はグループ経営ビジョン「勇翔2034」に掲げる構想「Suica Renaissance」の第2弾として、Suicaを「移動と少額決済のデバイス」から「生活のデバイス」へ進化させる方針を示す。2026年秋に予定するモバイルSuicaアプリへのコード決済機能の実装が節目となり、その進化を示す役目として、キャラクターの交代を決めた。コード決済ではサーバ管理式で残高上限を30万円まで広げ、ビューカードを紐付ければチャージなしの後払いも使える。

発表当日、生みの親であるイラストレーターの坂崎千春はコメントを寄せた。「2001年に『Suica』のイメージキャラクターとして選んでいただいたとき、とてもうれしく誇らしかったのを覚えています」。そう振り出したうえで、「25年という長い時間、『Suica のペンギン』として歩むことができて幸せでした。最後の1年も精一杯務めさせていただきます」と結んだ。

ファンの反発は、そこから一気に膨らむ。オンライン署名サイト「Change.org」では卒業撤回を求める署名が始まり、女性自身の報道によれば11月13日夜時点で1万8000件を超えた。同誌の取材に対し、JR東日本コーポレート・コミュニケーション部門は「『Suicaのペンギン』は、『Suica』の認知度向上・利用促進に多大な貢献をいただきました。お客さまのこれまでのご愛顧に、心より感謝申し上げます」と答えている。

騒動のなかで、意外な事実も広まった。ITmediaの取材によると、Suicaのペンギンには坂崎の絵本という”原作”がある。デビュー作「ペンギンゴコロ」は1998年の刊行で、Suicaより3年早い。グッズの著作権表記には坂崎、JR東日本、電通の3者が並び、同社も共同保有であることを認めた。ペンギンという存在そのものが消えるわけではない。

投票そのものへの不信も、根深く残る。JR東日本は2018年12月、山手線新駅の駅名公募で6万4000件を集めながら、1位の「高輪」8398件ではなく、わずか36件の「高輪ゲートウェイ」を採用した過去がある。この記憶を持ち出して選考の公正さを疑う書き込みは、2026年2月の選考プロセス発表時点でも相次いだ。

2026年3月30日には、公式YouTubeで動画「Penguin Years ごいっしょに」が公開された。ナレーションは声優の矢島晶子。「キミがいたから」というメッセージとともにペンギンが振り向く構成で、Xでは「スイペン行かないで」「卒業しないで」「涙が出た」と反響が広がった。

半年後の三択は、その余韻のなかで示された。

選考は「予定時間を大幅に超えるほど白熱」 紫は青と赤を混ぜた色

3案は、放送作家で脚本家の小山薫堂を座長とする選考委員会が、若手クリエイターの原案から選んだ。委員はモデルの市川紗椰、キャラクターデザイナーのきはらようすけ、デザイナーの篠原ともえ、アニメ作家のしまぐちニケ、クリエイティブディレクターの水野学。声優で俳優の津田健次郎が加わったことも、8日に併せて公表された。時事通信によると、20弱の案から3案に絞り込まれた。

小山は選考で重視した点を3つ挙げる。「長いあいだ愛されるキャラクターになり得るか」「幅広い層に共感してもらえる多様性を持ち合わせているか」「そのキャラクターの豊かな物語を想像できるか」。そのうえで「さまざまな角度から議論を重ね、選考会は予定時間を大幅に超えるほど白熱しました」と振り返った。

制作意図は特設サイトに掲載されている。A案の作者は、体の模様が「頭から尻尾の先まで一本のライン(RAILWAY)で繋がっています」と説明し、日本をつなぎ人々の生活をつなぐJR東日本から着想を得たと記した。選考委員は「『生活に寄り添う』というコンセプトを体現する、親しみやすさと愛らしさを兼ね備えたキャラクター」と評している。

議論を呼ぶB案の紫にも、理屈がある。「スイスイ(安心)」を表す青と、「ワクワク(感動)」を表す赤が混ざって生まれる色だという。周囲の声に耳を傾け、未来へ跳び進むうさぎ。選考委員からは「非常にインパクトが強く、印象的」「これまでにない新しさを備えている」との評価が出た。

C案の作者は、土の中しか見たことのないモグラをポシェットに入れ、いろいろな場所を見せてあげようとする設定を用意した。こだわった点として挙げたのが「オレンジの子がなんの動物かいまいちわからないところ」。分からなさを、意図して残した。選考委員の評は「ふわふわしたかわいさがありつつも、頼れる強さがある」だった。

愛称は11月から公募 卒業イベントは2027年3月31日

結果発表と同時に、決まったキャラクターの愛称公募が始まる。特設サイトのスケジュールでは、2027年1月に選考委員会が審査し、同年3月に愛称発表とバトンタッチ式を開く。公募の詳細は11月18日に案内される。

ペンギンの”最後の1年”も動く。JR東日本は8月26日、ペンギンが描かれた現行のSuicaカードについて、各発売箇所の在庫がなくなり次第、取り扱いを終えると発表した。以降は無地のカードに切り替わる。Appleウォレットに表示される券面も一時的に無地へ変更する予定で、時期は公表していない。

感謝企画「Penguin Years」も年度末まで続く。10月1日から12月25日までのデジタルスタンプラリー、10月30日から11月4日まで上野駅で開くファン感謝イベント、11月運行予定の山手線特別ラッピング編成が並ぶ。関連グッズは2027年3月末で販売を終える予定だと、同社は女性自身の取材に答えている。そして2027年3月31日、卒業イベント。

25年前、Suicaは「スイスイ」行けるコンセプトに合うという理由でペンギンを選んだ。次に選ぶのは、企業ではなく利用者だ。投票締め切りまで、残り2週間を切った。

[文/構成 by さとう つづり]

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