屋久島で24時間雨量479.0mmの記録的大雨、5日9時までに観測史上最大 土砂災害はレベル4へ切り替わったが警戒が続く理由を整理

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
鹿児島県屋久島町南部の尾之間で、5日午前9時までの24時間雨量が479.0ミリに達した。1976年の統計開始以来で最も多い。鹿児島地方気象台は同日午前5時10分に町へレベル5土砂災害特別警報を出し、気象庁が午前11時30分にレベル4土砂災害危険警報へ切り替えた。ただし土の中の水は減っていない。
尾之間で479.0ミリ、49年前の記録を大きく超えた
気象庁のアメダスによると、尾之間の24時間雨量は5日午前9時までに479.0ミリとなった。ピークは同日午前5時30分までの490.5ミリで、24時間で500ミリに迫る。午前4時30分に479.5ミリ、午前6時に484.5ミリと、明け方から500ミリ近い水準が続いた。
尾之間の統計は1976年に始まる。これまでの24時間雨量の1位は1977年7月11日の386ミリだった。ピークの490.5ミリは、その記録を104.5ミリ上回っている。3時間152.0ミリ、6時間236.0ミリ、12時間414.0ミリも、いずれも過去の記録を塗り替えた。
線状降水帯が2度、1時間120ミリの猛烈な雨
雨が集中したのは、4日夜から5日未明にかけてだ。4日午後7時半までの1時間に、屋久島町付近で約120ミリの猛烈な雨が降り、気象庁が記録的短時間大雨情報を出す。発達した雨雲が同じ場所へ次々と流れ込む線状降水帯も、4日午後9時29分と5日午前2時48分の2度発生した。
台風24号と熱帯低気圧、秋雨前線が重なったことが原因になる。台風などから流れ込む暖かく湿った空気で秋雨前線の活動が活発になり、雨雲が屋久島に居座った。台風24号は5日午前の時点で沖縄・久米島の北の海上にあり、中心気圧は990ヘクトパスカル。南寄りにゆっくり進んでいた。
特別警報から危険警報へ、午前11時半の切り替え
レベル5土砂災害特別警報は、自治体が警戒レベル5の緊急安全確保を発令する判断材料になる情報で、気象庁は発表時の状況を「何らかの災害がすでに発生している可能性が極めて高い」と説明する。土砂災害の特別警報としては、5月29日に始まった新しい防災気象情報のもとで全国2例目になった。1例目は8月13日の千葉県だ。
切り替え先のレベル4土砂災害危険警報は、都道府県と気象庁が共同で発表する情報になる。5月の見直しで、従来の「土砂災害警戒情報」と「土砂崩れに関する警報」がこの名前に一本化された。情報名に数字が入り、市町村が出す避難指示と同じ警戒レベル4に対応する。
避難指示のほうが先に出ていた。屋久島町は4日午後7時38分、宮之浦や安房など島の東側を中心とした11地区の3574世帯6228人へ避難指示を出す。避難所も11か所を開けた。
数字が下がっても土の中の水は減らない
レベルが下がっても、危険が去ったわけではない。気象庁は切り替え後も「土砂災害には引き続き、厳重に警戒してください。危険な斜面や増水した河川には近づかないようにしてください」と呼びかけた。
理由は土の中にある。気象庁は雨量そのものではなく、降った雨が地中にどれだけたまっているかを土壌雨量指数という数値に置き換えて危険度を判定する。タンクの水と同じで、雨がやんでも指数はすぐには下がらない。5日午後1時の時点でも、屋久島町は土の中の水分量が極めて多く、土砂災害の危険性が極めて高い状態が続いた。種子島や大隅地方、宮崎県南部でも土の中の水分は多い。
そこへ新しい雨が加わる。5日時点の予想では、6日午前6時までの24時間雨量が種子島・屋久島地方で多い所200ミリ。緩んだ斜面には、少しの雨でも崩れる余地が残る。
土砂災害には前ぶれがある。がけ崩れならひび割れ、小石の落下、湧き水。地滑りなら地面の亀裂や陥没、井戸や沢の濁り、木々の傾き。土石流なら山鳴り、川が急に濁る、流木が混じる。ひとつでも見つけたら、避難指示を待たずに動く。
断水と通行止め、雨は6日も続く
屋久島町役場には道路の陥没や路肩の崩れが数件寄せられた。5日午前11時の時点で人的被害の情報はない。停電は5日未明に一時約20戸へ広がり、午前10時ごろの復旧を見込んでいた。
水道にも影響が出る。宮之浦地区では水道水の濁りが確認され、長峰地区では水源地の取水口が壊れて断水した。町は5日午後2時から宮之浦の屋久島離島開発総合センターで給水車を出し、飲用水を配る。長峰地区への配給は午後1時半に始まった。
交通の乱れも広がる。県道は78号の屋久島灯台と瀬切の間、592号の明星岳展望所とヤクスギランドの間、594号の宮之浦と白谷雲水峡の間の3区間が通行止め。船は種子屋久高速船の午前発の便が欠航し、フェリーはいびすかすとフェリー屋久島2も全便が運休する。飛行機は5日午前の時点で欠航がなかった。
前線はこのあと北上する。6日は九州南部で午前を中心に激しい雨が降り、7日は東海や関東で警報級の大雨になる恐れがある。屋久島では雨がやんだ後も、斜面から目を離せない時間が続く。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]






























































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