長野・東御の草如庵のランチレポ!築160年古民家で味わう摘み草料理が五感で楽しむアートだった

📷写真・📝レビュー提供:やままる
取材・編集:MEDIA DOGS 編集部/ © 2025 MEDIA DOGS
「美味しい」という言葉だけでは、到底表現しきれない。
長野県東御市(とうみし)の里山にひっそりと佇む日本料理店「草如庵(そうじょあん)」。母の誕生日祝いに訪れたこの場所は、単なる食事処ではありませんでした。
それは、築160年の古民家という空間、店主が自ら山で摘むという旬の恵み、そして隅々まで行き届いたおもてなしが一体となり、五感を優しく揺さぶる「体験」そのもの。
今回は、都会の喧騒を忘れさせてくれる、その特別な時間についてレポートします。
そもそも「摘み草料理」とは?山の恵みをいただく雅な食文化
「草如庵」を語る上で欠かせないのが、その料理の根幹をなす「摘み草料理」です。この言葉、初めて聞く方も多いかもしれません。単に「野草を食べること」と想像するかもしれませんが、その世界はもっと奥深いものです。
摘み草料理は、京都の奥座敷・花背(はなせ)にある名旅館「美山荘」が標榜し、文化人たちに愛される中で磨き上げられてきた料理スタイル。その原点は、主人が自ら野山に入り、その季節に芽吹くつくし、ふきのとう、よもぎといった山野草や、川魚、きのこなどを摘み、採り、その生命力を最大限に活かして美しく調理することにあります。
自然への深い敬意と知識、そして洗練された技術が融合した、まさに「野趣と風雅」を併せ持つ日本料理なのです。
「目の前にある山菜を採って食べる。…じつは、それが一番の贅沢なおいしさなのではないかと思います」
「草如庵」の店主・山田勉氏は、この摘み草料理の総本山である「美山荘」で長年修行を積んだ方。信州の豊かな自然を舞台に、その哲学を受け継ぎながら、独自の料理世界を築き上げています。
だからこそ、ここでいただく一皿一皿には、単なる食材ではない、信州の自然そのものの息吹が感じられるのです。
【訪問レビュー】五感で味わう、感動のランチコース体験
カーナビを頼りに細い道を進むと、趣のある看板が見えてきます。


車を停め、入り口へと続く小道を進むと、そこには時が止まったかのような空間が。


もともと養蚕農家だったという築160年の古民家は、ただ古いだけでなく、手入れの行き届いた風格を漂わせています。


のれんをくぐれば別世界。築160年の古民家が醸し出す静謐な空気
重厚な梁や柱が印象的な店内は、ほのかにお香と檜の香りが満ちていて、入った瞬間から心がすっと静かになるのを感じました。




自然の美しさや気品を称える意味合いのこの言葉は
自然の恵みをいただける草如庵にピッタリな言葉だと感じます。
そして、通されたのは、庭の緑が美しい座敷。


席に着くだけで、これから始まる食事への期待感が高まります。

ここは間違いなく「写真映え」する空間ですが、シャッター音を響かせるのがためらわれるほど、静かで神聖な雰囲気。まずはこの空気を心ゆくまで味わうのがおすすめです。
いよいよ、感動のコースが幕を開ける(6,600円コース)
今回いただいたのは、お昼の6,600円のコース。

ドリンクを注文後、早速コースがスタート。一品一品、店主の奥様が丁寧に説明してくださいます。
先付け:いちじくのくるみとクリームがけ

まず登場したのは、旬のいちじくに濃厚なクリームと胡桃のかけらを合わせた一品。胡桃のかけらと、クリームのまろやかさ。そしていちじくの優しい甘みと種のプチプチとした食感が絶妙なハーモニーを奏でます。

最初の一皿から、心を鷲掴みにされました。
お造り:金目鯛の炙りと鯛を昆布醤油で

「山の中なのに、こんなに美味しいお魚が…」と驚かされたお造り。皮目を香ばしく炙った金目鯛と、ねっとりとした旨味の鯛。

それを、ただの醤油ではない「昆布醤油」でいただきます。素材の良さが際立つ、見事な一品でした。
煮物椀:甘鯛と焼きなす

蓋を開けた瞬間に立ち上る、出汁と柚子の華やかな香り。これだけで幸せな気持ちになります。ふわっとした甘鯛、香ばしい焼きなす、そして何より、すべてをまとめ上げるお出汁が絶品。

オクラひとつとっても、普段食べているものとは違う、生命力に満ちた味がしました。
八寸:季節の恵みの玉手箱

これぞ摘み草料理の真骨頂。

一つ一つのお椀をご紹介します。





など、山の幸がふんだんに盛り込まれています。見た目も華やかで、一つひとつ味わうたびに新しい発見がありました。
焼物:すずきの塩焼き

まるで鶏肉のような、むっちりとした弾力のあるすずき。塩加減が完璧で、噛むほどに旨味が溢れ出します。

添えられた野菜にも丁寧に出汁の味が染みていて、細部へのこだわりに感服しました。
炊合せ:滋味深い野菜たちの饗宴

冬瓜、きくらげ、丸茄子などを、ゆばと白味噌を合わせた優しい餡でいただく一品。特に印象的だったのが、きくらげ。ぷりぷりで、宝石のように輝いて見えました。

野菜本来の味が体にじんわりと染み渡ります。
ご飯:みょうがと鮎のかざごしの炊き込みご飯

コースのクライマックス。土鍋で炊かれたご飯は、鮎の香ばしい香りで満ちています。驚くほど美味しい鮎と、爽やかなみょうがの風味、そして絶妙な味付け。おこげもまた格別です。

添えられたゴーヤの漬物も、苦味がまったくなく、箸休めにぴったりでした。
水菓子:豆乳のアイスと赤しそのゼリー

最後はさっぱりと。豆乳の優しい甘さのアイスと、赤しその爽やかな酸味のゼリー。意外な組み合わせですが、相性抜群で、最高の締めくくりでした。
1日限定数組だからこそ。心尽くしのおもてなし

料理の素晴らしさはもちろんですが、山田ご夫妻の温かいおもてなしも心に残りました。料理を運ぶタイミング、丁寧な説明、客との絶妙な距離感。1日に受け入れる客数を絞っているからこそできる、一人ひとりに向き合ったサービスが、この場所をさらに特別なものにしています。予約の電話は少し緊張するかもしれませんが、その価値は十分にあります。
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訪れてわかった「草如庵」の魅力と注意点
良かった点
- 唯一無二の空間:築160年の古民家が持つ圧倒的な雰囲気。
- 五感で味わう料理:味はもちろん、香り、見た目、食感すべてが計算され尽くしている。
- 物語のある食材:店主自らが採った山菜やきのこなど、一皿ごとの背景に物語を感じられる。
- 行き届いたサービス:ご夫婦で切り盛りされる温かく、丁寧なおもてなし。
注意点
- 予約のハードル:1日限定数組のため、予約はかなり取りにくい。数ヶ月前からの計画が必要。
- アクセスの不便さ:車がないと訪れるのは少し大変かもしれません。
- 靴下必須:夏はサンダルの方も多いかと思いますが、くつ下は必須です。
- 現金のみの支払い:カードや電子マネーは使えないので、現金の用意を忘れずに。
SNSでの評判は?「予約困難でも行く価値あり」の声多数
グルメサイトやSNSを覗いてみると、やはり絶賛の声が並びます。食べログでは「日本料理 EAST 百名店」にも選出されており、その評価は本物。
「雰囲気は今まで行った店の中でも指折りの素晴らしさ」
「次元の違うおいしさ。期待をはるかに超えるお料理でした」
「都会ではなかなか味わえない『時間』を過ごせました」
といった口コミが多く見られ、「予約が取りづらい」「場所が辺鄙」という点を差し引いても、多くの人がその体験に心から満足している様子が伝わってきます。
この古民家でお店をスタートしてから12年とのことですが、たくさんの方の心を掴んでいるお店なのは間違い無いですね。
わざわざ訪れたい、唯一無二の食体験がここに
「草如庵」は、ただお腹を満たすための場所ではありません。信州の豊かな自然と、悠久の時を刻んできた古民家、そして料理人の技と哲学が三位一体となった、魂が満たされる場所です。
誕生日や記念日など、大切な人と特別な時間を過ごしたい方。日常を離れ、心から癒される体験を求めている方。本物の食文化に触れたいと願う探求心旺盛な方には、これ以上ない場所でしょう。予約の電話をかけるその少しの勇気が、きっと忘れられない思い出の扉を開けてくれるはずです。
長野の隠れ家「草如庵」の基本情報


- 店名 草如庵(そうじょあん)
- 住所 長野県東御市布下165
- アクセス しなの鉄道「滋野駅」から車で約5分、徒歩約15〜20分。駐車場あり(6台)
- 電話番号 0268-67-3910(予約は電話のみ)
- 営業時間 昼 11:30~15:00 / 夜 17:30~21:00
- 定休日 火曜日
- 予約前日までの完全予約制 昼夜ともに1日1〜3組(昼は2組、夜は1組)限定のため、早めの予約を推奨。
- 予算 昼・夜ともに懐石コース 6,600円〜(税込)
- 支払い 現金のみ(カード・電子マネー不可)
- 注意点 裸足での入店は不可。香りの強い香水なども控えましょう。
- 公式サイト http://r.goope.jp/so-jyoan/
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]
※本記事は訪問時の情報をもとに作成しています。サービス内容や営業時間、料金等は変更される場合がありますので、最新情報は公式サイトや店舗にご確認ください。
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