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長谷川閑史さん、7月3日に死去していたと武田薬品工業が9月11日に発表 80歳、経済同友会代表幹事も務めた

長谷川閑史さん、7月3日に死去していたと武田薬品工業が9月11日に発表 80歳、経済同友会代表幹事も務めた

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武田薬品工業は9月11日、元社長の長谷川閑史さん(80)が7月3日に死去したと発表した。同社の社長を11年務め、退任後は経済同友会の代表幹事として東日本大震災からの復興にも携わった財界人だった。葬儀・告別式はすでに近親者のみで営まれたという。

80歳、7月3日に死去と武田薬品発表

武田薬品工業は9月11日、長谷川さんの死去を明らかにした。7月3日に80歳で亡くなったといい、同社は死因を明らかにしていない。葬儀・告別式は近親者のみで済ませ、武田薬品による「お別れの会」などは実施しないとしている。

長谷川さんは1946年6月19日、山口県日置町(現・長門市)に生まれた。福岡県立修猷館高校を経て早稲田大学政治経済学部経済学科に進み、1970年に卒業。同年、武田薬品工業に入社した。

1970年入社、社長就任は2003年

入社後の長谷川さんは国際畑を歩んだ。1986年にドイツ・タケダの社長、1988年にタケダ・ヨーロッパの社長を務めた。1989年には、武田薬品と米アボット社の折半出資でできた合弁会社、TAPファーマスーティカル・プロダクツの副社長に就き、1993年に同社長へ昇格している。

帰国後は1998年10月に医薬国際本部長、2001年6月に取締役経営企画部長、2002年4月に取締役事業戦略部長を歴任した。そして2003年6月、創業家出身の武田国男氏の後任として代表取締役社長に就いている。

社長在任中は海外事業の拡大に軸足を置いた。2008年4月には、がん領域に強い米バイオ医薬品大手、ミレニアム・ファーマシューティカルズを約88億ドルで買収すると発表。会見で長谷川さんは「過去にない巨額の投資であり、これまでの歴史の中でも重要な意味を持つ」と語った。

2011年5月には、欧州や新興国での販売網拡大を狙ってスイスの製薬大手ナイコメッドの買収を発表した。買収額は96億ユーロ(当時のレートで約1兆1200億円)。同年10月に手続きを終え、武田薬品の進出国は28カ国から70カ国以上に広がり、医療用医薬品の世界売上高でも12位に浮上した。相次ぐ大型M&Aは、国内メーカーだった武田薬品を世界で戦う製薬企業へと押し上げる原動力になった。

社長在任は11年に及ぶ。2014年6月に代表取締役会長兼CEOに就任し、後任の社長には英製薬大手出身のフランス人、クリストフ・ウェバー氏を起用した。武田薬品にとって初の外国人トップだった。2017年6月28日には取締役を退任し、相談役に退いている。

経済同友会代表幹事として震災復興に尽力

経営の第一線を退いた後も、長谷川さんの活動は止まらなかった。2011年4月27日、東日本大震災の発生からまもないタイミングで、経営者有志が個人の資格で参加する経済団体「経済同友会」の代表幹事に就任し、2015年まで務めた。

就任後すぐに、全国の経済同友会と手を組んで「IPPO IPPO NIPPONプロジェクト」を立ち上げる。被災地の職業高校への実習設備提供、国立大学の復興事業支援、震災で親を失った子どもたちへの支援基金など、5年間・10期にわたって活動を続けた取り組みだ。安倍政権下では産業競争力会議の民間議員として成長戦略の議論にも加わり、TPP交渉や規制改革、国家戦略特区の実現にも力を注いだ。

経済同友会は9月11日、山口明夫代表幹事のコメントを公式サイトで発表した。

「とりわけ心に残るのは、言葉だけでなく、行動で被災地に寄り添われたことです。」

山口氏はそう振り返り、提言から実行まで責任を持つ長谷川さんの姿勢を今の経済同友会も引き継いでいると説明した。危機を変革の機会に変えるという志を受け継ぐ考えも示している。

経団連や東電の社外取締役も歴任

経済同友会以外にも、長谷川さんは財界の要職を数多く歴任した。日本経済団体連合会(経団連)では評議員会副議長とアメリカ委員会委員長を務め、業界団体の日本製薬工業協会でも会長を歴任している。日米欧の有識者らでつくる国際組織「三極委員会」では、アジア太平洋地域の議長を2014年から2020年まで担当した。2015年3月からは東京電力ホールディングスの社外取締役にも就いている。

日本経済新聞は訃報を伝える記事で、長谷川さんの経営哲学を”変わらないことがリスク”という言葉で紹介した。創業家中心の経営から外部人材の登用、海外企業の大型買収まで、現状維持を選ばなかった歩みを言い表す一言だ。

現代表幹事「志を受け継ぐ」と追悼

1970年の入社から2003年の社長就任、2014年の会長就任を経て、2017年に相談役へ退くまで、長谷川さんは半世紀近くにわたって武田薬品と歩んだ。海外拠点でのキャリアを積み重ねた末に社長へ上り詰め、大型買収でグローバル企業への転換を主導した経営者だった。

経済同友会の代表幹事としての4年間は、東日本大震災という難題に財界のトップが正面から向き合った期間でもあった。山口代表幹事は9月11日のコメントで長谷川さんの志を受け継ぐ考えを示しており、経済同友会の活動にその姿勢は今も残る。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

寄稿者

MEDIA DOGS 編集部
メディアドッグス株式会社のMEDIA DOGS 編集部チーム。インターネットマーケティングに約10年携わるメンバーで編成し、企画・取材・執筆から公開後の改善まで一貫して担当。「出会いを、設計する。」のもと、人と企業が正しく出会える場をつくるために、一次情報の確認とファクトチェックを徹底。情報をわかりやすく誠実に届け、読者の疑問を解決します。

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