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井上尚弥とバム、来年3月の対戦へ交渉 代理人が明言、中間試合なしが焦点

井上尚弥とバム、来年3月の対戦へ交渉 代理人が明言、中間試合なしが焦点

撮影:メディアドッグス

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井上尚弥(33)=大橋=の代理人が、ジェシー・”バム”・ロドリゲス(26)=米国=との対戦実現に向けて交渉中だと明かした。来年3月の東京開催が見込まれるが、契約や合意はまだ発表されていない。カギを握るのは、バムが12月に別の試合を挟むかどうかだ。

井上の代理人、マッチルームと交渉中と明かす

井上の代理人ジョン・ルイス氏の発言が、10月24日(日本時間25日)に米国で報じられた。報道によると、ルイス氏はバムを共同でプロモートする英興行大手マッチルームと、試合の実現に向けて動いていると語った。両選手とも対戦を望んでいる、という認識も示したという。

報道では、両陣営は井上が持つスーパーバンタム級4団体の王座をかけた一戦を、2027年3月に東京で開く方向で話を詰めているとされる。ただし伝えられたのは合意をまとめる途中の段階で、契約書への署名や基本合意には触れていない。

井上は5月2日、東京ドームで中谷潤人に判定で勝ち、4団体の王座を守った。一方のバムは6月、アントニオ・バルガスに6回KO勝ちし、WBA世界バンタム級の王座を手にしている。そのバムが、井上の主戦場であるスーパーバンタム級へ階級を上げて挑む構図だ。

体重の上限は、バンタム級が118ポンド(約53.5キロ)、スーパーバンタム級が122ポンド(約55.3キロ)で、差は4ポンド(約1.8キロ)ある。試合が実現すれば、バムは1階級上げて井上に挑むことになる。

記録の面でも節目が重なる。バムはフライ級、スーパーフライ級、バンタム級で世界王座を手にした3階級制覇王者で、井上に勝てば4階級制覇となる。井上はすでに4階級を制しており、フェザー級へ上げれば5階級制覇を狙う立場だ。いずれも、試合が決まる前の段階の話になる。

「やるならダイレクトしかない」井上が示した条件

井上本人が考えを口にしたのは、その2日前だった。10月22日、都内のイベントに来場し、報道陣の取材に応じた。

次戦は来年3月あたりになるという。相手の名前は出さず「うわさされている選手」と表現しながらも、話はバムを念頭に置いたものだった。報道によれば、井上はバムが12月に試合をしたうえで3月に自分と戦う流れを「現実的ではない」と話し、「やるならダイレクトしかない」と述べた。

条件がそろわなければ、別の道へ進む。バム戦が実現しない場合はフェザー級に上げ、5階級制覇を目指す考えだ。調整試合を挟まず、転級初戦で世界王座に挑みたい意向も示している。

決断の時期にも触れた。「目処としてはもうそろそろかなと」。返事を待てる時間が長くないことをうかがわせる一言だった。

バム陣営は月末にも結論、メディナ戦を挟むか

ボールは今、バム陣営にある。

バムには、WBO世界バンタム級王者クリスチャン・メディナ=メキシコ=との統一戦の話が持ち上がっている。12月11日に英カーディフでの開催が計画されていると報じられ、この試合が組めなければ井上戦へ直接向かう意向だという。メディナ戦も正式な発表はない。

バムとメディナは、同じバンタム級で別の団体のベルトを持つ王者同士だ。そのため両者の試合は、バンタム級の王座をまとめる統一戦になる。一方、井上戦でかかると報じられているのは、井上が持つスーパーバンタム級の4団体王座で、バンタム級の統一戦とは別の試合だ。どちらを先に戦うのかが、いまの焦点になっている。

マッチルームのフランク・スミスCEOの考えも、10月22日(日本時間23日)に米国で報じられた。国内の報道によると、スミス氏はメディナ戦の可能性を五分五分とし、来週中に決める必要があると話した。報じられた時期どおりなら、10月いっぱいが一つの区切りになる。直接対決を求める井上の気持ちについても、スミス氏は完全に理解できると述べたという。

マッチルームのエディ・ハーン氏も、井上が望む来年3月に試合を組む用意があると明かしたと報じられている。

1週間で変わったトレーナーの言葉

10月16日に米国で報じられたインタビューでは、バムのトレーナー、ロバート・ガルシア氏が、井上陣営から交渉の連絡は一度も来ていないと語っていた。12月にメディナ戦を行ったうえで、3月の井上戦に向けて合意できるという考えも示していた。

ところが、その1週間後には言葉が変わる。

10月23日に報じられたインタビューで、ガルシア氏は、次の試合を飛ばして井上戦へ進むことにバム本人が応じると聞いていると明かした。報道によると、交渉がうまく進み、自分たちにとって見合う条件なら受ける用意があるという。24日には、ガルシア氏が井上側に契約書とオファーを送ってほしいと強い口調で求めたとも報じられた。一方で、12月の試合を望む気持ちも捨てていないと伝えられている。

そして24日、井上側の代理人が交渉中だと語ったことが報じられた。

この10日ほどの流れを並べると、言葉の中身は段階ごとに違う。16日のガルシア氏は、12月の統一戦を終えてから3月の井上戦に合意できるという順番を描いていた。

22日の井上は、その間に試合を挟まないことを求めた。

23日以降のバム側は、条件次第で井上戦を先に受ける姿勢を見せつつ、井上側に契約書を送るよう求めている。12月に試合をするかどうかには、まだ結論が出ていない。

契約も会場も未発表、3月東京は見通しの段階

両陣営とも、対戦そのものには前向きだ。ただ、公式に決まったことはまだない。

契約の締結、基本合意、開催決定のいずれも発表されていない。試合日、会場、配信先、開始時刻もすべて未発表で、来年3月の東京開催は報道が伝えた見通しにとどまる。中間試合なしで3月に臨む流れも、いまは井上側が示した条件の段階で、バム陣営の結論を待つ状態が続く。

ルイス氏の言う交渉が、具体的なオファーの提示まで進んでいるのかも分かっていない。ガルシア氏は井上側からの連絡を求め、ハーン氏は3月に組む用意を口にしている。双方の言葉は近づいてきたが、具体的な条件の合意がどこまで進んだかは公表されていない。

勝負の場面で井上が何を考えてきたかは、2019年11月に出た本人の著書『勝ちスイッチ』(秀和システム)にまとめられている。

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報道では、バム陣営は月末をめどに、メディナ戦を挟むか、井上戦へ直接進むかを決める見通しとされる。ただ、その時期に結論が出ると決まったわけではない。答えが出れば、来年3月の東京に向けた次の一手が見えてくる。

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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