豊昇龍、名古屋場所10日目で関脇・安青錦に敗れる 大の里との両横綱連破で大関復帰に王手

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大相撲名古屋場所10日目の7月21日、横綱・豊昇龍が関脇・安青錦に上手投げで敗れ、この場所4敗目となった。安青錦は前日に横綱・大の里も破っており、両横綱を連破。9勝1敗とし、大関復帰に必要な10勝まであと1勝に迫った。安青錦は翌11日目に10勝目を挙げ、来場所の大関復帰を決めている。
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上手投げで沈んだ横綱、両横綱を連破した安青錦
名古屋場所10日目、横綱・豊昇龍(27)=立浪部屋=は関脇・安青錦(22)=安治川部屋=と対戦し、上手投げで敗れた。立ち合いから組み合う展開となり、安青錦が上手を引きつけて豊昇龍の体を投げ切る一番だった。この黒星で豊昇龍は6勝4敗、優勝争いからの脱落が決定的になる。安青錦との対戦成績はもともと分が悪く、この日の敗戦でその差はさらに広がった。
安青錦にとってはこの一番が9勝目で、1敗を守った。安青錦は前日9日目にも横綱・大の里(26)を上手だし投げで下しており、2日連続で横綱を破ったことになる。「大の里との両横綱連破」という今回のタイトルは、この9日目と10日目の連勝を指す。10日目終了時点、1敗で首位に並んだのは安青錦と琴栄峰の2人。2敗で霧島ら5人が追う展開だった。
大関からの陥落、一場所での復帰に挑む名古屋場所
安青錦がここまで注目される背景には、この1年の急激な番付の上がり下がりがある。安青錦はウクライナ・ヴィンニツャ州出身で、本名はダニーロ・ヤブグシシン。来日後に安治川部屋へ入門し、師匠の元関脇・安美錦にちなむしこ名を名乗る。2026年初場所後の番付編成会議で大関昇進が決まり、初土俵からわずか14場所での昇進は、付け出し力士を除くと年6場所制となった1958年以降で最速の記録となった。ウクライナ出身力士としても初の大関誕生だった。
ところが大関の地位は長く続かなかった。かど番で迎えた5月の夏場所を全休し、在位3場所で大関から陥落。大相撲には、大関から陥落した力士がその次の場所で10勝以上を挙げれば、番付編成会議を経ずに大関へ復帰できる特例がある。名古屋場所の安青錦はこの特例に挑む立場で土俵に上がっており、10日目終了時点で9勝1敗となって条件まであと1勝に迫っていた。
8日目に左足負傷、それでも横綱を連破した執念
安青錦は8日目の一番で左足を負傷し、9日目以降はテーピングの量が増えた状態で土俵に上がっていた。大の里戦では立ち合いのもろ手突きで土俵際まで押し込まれる場面もあったが、そこから左上手を引きながら体をずらすと、先に大の里が土俵を割る。安青錦は「体が勝手に動いてくれた」と振り返った。大の里は「内容はよかった」と結果を受け止め、5勝4敗とした。
続く豊昇龍戦でも足の状態が万全だったとは言い難い。それでも安青錦は上手投げで押し切り、けがを抱えたまま2日続けて横綱を仕留めた。この一番までの対戦成績は豊昇龍の1勝4敗と大きく負け越しており、この日の敗戦でさらに1勝5敗まで差が開いた。
9場所勝てない横綱、角界にくすぶる「昇進早すぎ」論
豊昇龍は2025年初場所で12勝3敗の成績を挙げ、優勝決定の巴戦を制して横綱に昇進した。それから数えて名古屋場所は9場所目にあたるが、この間に一度も優勝していない。今回の4敗でその状況がさらに続き、角界内では豊昇龍の横綱昇進を巡る評価が改めて話題になっている。ある親方は「3場所で33勝しかしていない。横綱に上がるような成績ではなかった」と昇進当時の基準そのものに疑問を投げかけ、「あの時に急いで昇進させず、もう1場所見てもよかったのでは」と振り返った。
横綱昇進から一度も優勝がないという足踏みと、安青錦のような若手相手にたびたび星を落とす相性の悪さが重なり、豊昇龍にとっては厳しい名古屋場所となった。立浪部屋には叔父にあたる第68代横綱・朝青龍がおり、その現役時代と比べられる場面も多いだけに、成績の停滞は目立ちやすい。
安青錦は翌日に10勝目、来場所の大関復帰が決まる
安青錦は名古屋場所11日目、豪ノ山との一番で10勝目を挙げた。これで一場所での大関復帰に必要な条件を満たし、来場所からの大関復帰が正式に決まっている。現行のかど番制度が始まった1969年名古屋場所以降、一場所での大関復帰は安青錦で8例目、直近の例は2019年九州場所の貴景勝以来となる。
1敗を守ったまま終盤に入った安青錦は、大関に復帰する場所での史上初となる優勝の可能性も視野に入る位置にいる。名古屋場所は15日制で、11日目を終えて残りは4日。1敗を守る安青錦を、2敗の霧島らがどこまで追い上げられるかが優勝争いの焦点になる。
初土俵からわずか14場所という最速記録で大関に駆け上がり、かど番の場所を全休して陥落し、その次の場所で左足を痛めながらも終盤まで1敗を守り続ける。安青錦の名古屋場所は、この1年の急な浮き沈みをそのまま映した15日間になっている。
一方の豊昇龍は、9場所連続で優勝を逃す状況がさらに続くことになった。優勝争いから外れた終盤戦をどう立て直すかが課題として残る。安青錦の大関復帰が決まった今、名古屋場所の後半戦は、若き大関の優勝挑戦と、苦しむ横綱の立て直しという2つの物語を軸に進んでいく。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]





































































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