7月26日は土用の丑の日 今年のうなぎは1〜3割安、シラスウナギ2年連続豊漁で”買い時”のワケを整理

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
7月26日は今年唯一の夏の土用の丑の日だ。稚魚のシラスウナギが2年続けて多く採れた影響で、うなぎの仕入れ値が下がり、スーパーでは前年より1〜3割安い売り場も出ている。値下がりの背景と、この安さがいつまで続くのかを整理する。
今年の丑の日は7月26日の1回だけ
例年なら「高いから今年は見送り」という声が聞こえてくる季節に、今年は様子が違う。売り場の値札が、確かに下がっている。
2026年の夏の土用の丑の日は7月26日の日曜日だ。年によっては8月に「二の丑」が巡ってくるが、今年の夏は丑の日が1回だけで、うなぎ商戦はこの週末に集中する。
丑の日を前に、報道各社が伝える売り場の様子は例年と一味違う。NHKは7月22日、スーパーなどの小売店で例年より1割ほど安く販売する店もあると伝えた。かば焼きの主力サイズが前年より数百円安い店もあり、店頭には「今年はお得」を前面に出したポップが並ぶ。
土用の丑の日に精のつくうなぎを食べる習わしは江戸時代から続き、蘭学者の平賀源内が広めたとする説が知られる。梅雨明けの暑さが本格化するこの時期、夏バテ対策の定番として食卓に上ってきた。
日曜日の丑の日は、家族でうなぎを囲みやすい巡り合わせでもある。買いやすい価格と重なり、店側は例年以上の客足を見込む。養殖が盛んな宮崎県では、今年1年間で前年と同じ1700トンの出荷を見込み、加工場は丑の日を前にフル稼働が続く。
スーパーで1〜3割安、輸入かば焼きの単価も1割下落
具体的な値下がり幅を見ていく。宮崎県のスーパーでは、前年に1枚2500円ほどだったサイズの国産かば焼きが、今年は2000円を切る価格で並んだ。約2割の値下がりだ。鹿児島県産の大型かば焼きを前年より約500円安く売る店や、国産うなぎを2000円から1700円台に下げた専門店も報じられた。市場関係者の間では、うなぎの市場価格は前年より3割ほど安くなるとの見通しも出ている。
輸入品も安い。中国産のかば焼きなど加工品の平均輸入単価は、2026年1〜3月に1キログラムあたり2225円と、前年同期から1割下がった。国産・輸入の両方で仕入れ値が下がり、小売価格に反映され始めた。
値下がりは、うなぎだけの話ではない。主食のコメも今年1月から徐々に値を下げ、店頭には5キロ3000円を切る商品が並ぶ。うな重とごはん、どちらの財布負担も昨夏より軽い。
背景はシラスウナギの2年連続豊漁
なぜ安くなったのか。鍵は、養殖のもとになる稚魚「シラスウナギ」だ。
国内で流通するうなぎの大半は養殖で、冬から春に河口などで採れるシラスウナギを池に入れて育てる。この稚魚の採れ具合が、半年から1年半後のうなぎの値段を大きく左右する。
昨シーズン(2025年漁期)は、このシラスウナギが久しぶりの豊漁になった。国内で採れた量は約14.8トンと前年の2倍以上に増え、1キログラムあたり約250万円だった取引価格はほぼ半値の約130万円まで下がった。今シーズン(2025年11月〜2026年5月)も流れは続く。水産庁の集計では、養殖池に入れられた稚魚は4月末までの累計で16.3トン。豊漁だった前年同期をやや下回ったものの、高い水準を保った。
産地のデータも豊漁を裏付ける。静岡県内のシラスウナギ漁獲量は2026年漁期に2064.8キロと、2年連続で2000キロを超えた。2年続けての大台超えは2006年、2007年以来だ。報道では、日本の南岸で長く続いた黒潮の大蛇行が収まり、稚魚が海流に乗って沿岸にたどり着きやすくなったことを好条件に挙げる声もある。
国際規制は見送り、それでも資源問題は残る
供給を左右しかねない国際ルールの議論にも、この間に節目があった。2025年11月末からのワシントン条約締約国会議で、ウナギ属全種を国際取引の規制対象(附属書II)に加えるEUなどの提案が、賛成35・反対100の大差で否決された。可決されていれば、輸入かば焼きや稚魚の取引に輸出国の許可証が必要になるところだった。かば焼きの多くを輸入に頼る日本の食卓への当面の影響は避けられた。
なお、この規制はあくまで国境をまたぐ取引が対象で、国内で採れた稚魚を国内で育てて売る分には直接影響しない。ただ、ニホンウナギが環境省のレッドリストで絶滅危惧種に位置づけられている状況は変わらない。EU側は資源の枯渇を訴えており、国際的な議論は今後も続く。豊漁の年にも、資源管理の手を緩めてよいわけではない。
安値はいつまで続くか
来年以降の値段は、次のシーズンにシラスウナギがどれだけ採れるかで変わる。池入れから出荷まで半年から1年半かかるため、この冬に採れる稚魚の多くは来年以降の食卓に届く。稚魚の漁獲は年による振れ幅が大きく、2年続いた豊漁が3年目も続くとは限らない。フードジャーナリストの山路力也は、価格の安定には資源管理と養殖技術の進展が欠かせないと指摘する。
確実に言えるのは、今年の丑の日が久しぶりに「手が届きやすい」水準で迎えられることだ。7月26日、店頭の値札を見比べてから選ぶ余裕が、今年はある。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]































































コメントはこちら