林明子さん死去、81歳 半世紀読み継がれる『はじめてのおつかい』『こんとあき』の絵を描いた絵本作家、肺炎で永眠──その経歴を辿る

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『はじめてのおつかい』や『こんとあき』の絵を手がけた絵本作家の林明子さんが、7月1日に81歳で亡くなった。子どものまなざしやしぐさを、やわらかな筆でとらえた人だ。半世紀にわたって読み継がれる絵本を、いくつも世に送り出した。
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『はじめてのおつかい』の絵本作家、81歳で死去
絵本作家の林明子さんが7月1日、長野県諏訪市の病院で亡くなった。死因は肺炎で、81歳。所属先の福音館書店が8日、文書と公式インスタグラムでこの訃報を明らかにしている。
葬儀は家族で営まれ、喪主は長男が務めた。
代表作は『はじめてのおつかい』『こんとあき』『おつきさまこんばんは』と幅広い。小さな子の表情を、やわらかな筆でとらえる絵が持ち味だった。その世界は、世代を超えて読み継がれている。
横浜国大で美術を学び、絵本の道へ
林さんは1945年、東京に生まれた。横浜国立大学の教育学部で美術を学び、卒業後はイラストレーターとして仕事を始める。
絵本の道に入ったのは1973年。科学の月刊誌『かがくのとも』に載った『かみひこうき』で、初めて絵を手がけた。まだ28歳のころだ。
転機は、その3年後に訪れる。1976年に出た『はじめてのおつかい』は、刊行されるとすぐ評判になった。5歳の女の子が、母親に頼まれて初めて一人でおつかいに向かう。その不安と誇らしさを、林さんの絵は表情の一つひとつで描き分けた。文を書いたのは筒井頼子さん。以来この絵本は、50年ちかく読み継がれる定番になっている。
『こんとあき』で紡いだ、子どもと世界のあいだ
文だけでなく、絵と文の両方を手がけた作品もある。1989年の『こんとあき』は、その代表だ。古びたキツネのぬいぐるみ「こん」と、女の子「あき」が、遠いおばあちゃんの家を二人だけで目指す。道中の心細さや、二人の間に流れる時間を、余白の多い画面でていねいに描いた。
『おつきさまこんばんは』では、夜空の月と子どもの対話を、静かな色づかいで見せている。『おふろだいすき』(1982年4月刊)は、1983年にサンケイ児童出版文化賞の美術賞に選ばれた。
海外での評価も高い。『はじめてのキャンプ』はフランスの絵本賞を受けている。アニメで知られる『魔女の宅急便』も、原作の児童書では林さんが挿絵を担った。
福音館書店が伝えた温かな作品と、広がる追悼
福音館書店は訃報を伝える文書で、林さんの作品を「子どもたちへの愛情に満ちた温かな作品」と記した。新刊の間隔があいても、その絵を待つ読者は少なくない。2013年には、約11年ぶりの新作『ひよこさん』を世に出している。
訃報が伝わると、SNSでは子どものころに絵本に親しんだ人たちの投稿が相次いだ。自分が読んだ一冊や、わが子に読み聞かせた思い出を挙げる人が多い。読み手の記憶に、その絵は深く根を張っている。
半世紀読み継がれる絵本が残したもの
子どもが世界と初めて出会う瞬間を、林さんは五十年あまり描き続けた。初めてのおつかい、初めてのキャンプ、初めての留守番。どれも小さな子には大きな一歩で、その足元を、絵はそっと照らしてきた。
林さんの絵本は、これからも本屋や図書館の棚に並ぶ。新しく親になった人が、かつて自分の読んだ一冊を、子どもに手渡す日もくるだろう。静かな筆が届けた物語は、これからも読み継がれていく。
[文/構成 by 小川 そら]




































































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