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森下翔太の家族と生い立ちとは 一人っ子を侍ジャパンに導いた父と母の20年間

森下翔太の家族と生い立ちとは 一人っ子を侍ジャパンに導いた父と母の20年間

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阪神タイガースの森下翔太は、父・善文さん、母・ゆりさんとの3人家族で育った一人っ子だった。野球好きの父による独自の練習法と「野球日記」に代表される熱心な指導が、その才能の礎を築いた。母は食事面や精神面で献身的に支え、家族一丸のサポートがプロでの活躍につながっている。

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「外れ1位」は家族の夢の結晶、父の野球愛が生んだ虎の主砲

2022年のドラフト会議で、阪神タイガースから1位指名を受けた森下翔太外野手(25)。当初指名した浅野翔吾(高松商)を抽選で外し、「外れ1位」での入団となった。しかし、ルーキーイヤーからチームの日本一に大きく貢献し、今や侍ジャパンの中軸も担う存在だ。

その強靭なフィジカルと勝負強い打撃の原点は、家族の存在抜きには語れない。父・善文さん、母・ゆりさん、そして森下本人からなる3人家族。一人っ子として両親の愛情と期待を一身に受け、野球エリートの道を歩んできた。

特に、父・善文さんの野球への情熱は並々ならぬものだった。息子のプロ入りは、家族全員で追いかけた夢の到達点であった。

「野球日記」に刻まれた父の夢、遊び心で育んだ打撃の礎

「プロ野球選手にさせるのが一つの夢だった」父・善文さんは、かつてメディアの取材にそう明かしている。自身も高校球児で、社会人になっても草野球を続けるために経理の道を選んだほどの野球好きだった。その夢は、一人息子の翔太に託された。

森下が6歳の時、善文さんは「翔太野球日記」をつけ始めた。その冒頭には「翔太には野球を通し、色々なことを学び、そして感じ、心も体も大きく育ってほしい。ガンバレ 翔太!」と、息子への深い愛情とサポートを誓う言葉が並ぶ。日記には日々の練習メニューや息子の言動、それに対する父の思いが克明に記録されていた。

指導は徹底していたが、強制ではなかった。野球を嫌いにならないよう、練習に遊びの要素を取り入れる工夫を凝らした。練習量に応じてゲームセンターで遊べる「素振り引換券」を発行したり、色の違うボールを投げ分けさせたりする独自の練習法を考案。自宅も「キャッチボールができる公園がそばにある家」を条件に購入し、リビングの一部をバッティングスペースに改造するほどだった。

2kg弁当と母の言葉、スランプを支えた揺るぎない愛情

父が技術指導の主役なら、母・ゆりさんは生活と精神面での大黒柱だった。共働きでありながら、毎朝早くに起きて息子のために2kgもの特大弁当を用意。仕事から帰れば、夜の練習のボール拾いをするなど、献身的にサポートを続けた。

ゆりさんの支えが特に光ったのは、森下が大学時代に成績不振に陥った時だ。「もう長距離砲じゃ通用しないかもしれない」と弱音を漏らした息子に対し、母は前を向くよう励ました。この母の言葉が、森下が自分を見失わずに進むきっかけとなった。

「やりたいことはやらせてあげるけど、一生懸命やりなさいね」これは、幼い頃に息子と交わした約束だ。野球が嫌になったらいつでも辞めていいと伝えながらも、息子の「好き」という気持ちを信じ、見守り続けた。その揺るぎない愛情が、幾多の壁を乗り越える力となったのは間違いない。

エリート街道の苦悩と決断、自ら選んだ道で掴んだ栄光

横浜市港南区で育った森下は、小1で野球を始めるとすぐに頭角を現した。中学では「戸塚リトルシニア」に所属し、高校は名門・東海大相模へ。1年夏から4番を任され、高校通算57本塁打を記録する。3年春の選抜では4強入りに貢献した。

プロからの注目も高かったが、本人はプロ志望届を提出せず、中央大学への進学を決断。「プロで本当にできるのかと考えて。いろいろな人と相談して、大学進学に決めました」と当時を振り返る。大学では1年春にベストナインを獲得する鮮烈なデビューを飾ったが、その後は2年以上にわたる長い不振を経験した。

それでもドラフトイヤーの4年春に打率3割、3本塁打で復活を遂げ、2度目のベストナインを獲得。そのポテンシャルを高く評価した阪神から1位指名を受け、プロの世界へ飛び込んだ。ルーキーイヤーの2023年は、開幕スタメンを勝ち取るも不振で二軍落ちを経験するなど、決して順風満帆ではなかった。しかし、夏場以降にレギュラーへ定着すると、球団の新人右打者としては岡田彰布監督以来43年ぶりとなる2桁本塁打を達成。日本シリーズでは新人最多記録となる7打点を挙げ、38年ぶりの日本一に大きく貢献した。

愛される選手へ、家族の願いを背負い挑む未来の4番候補

「ファンの皆様に愛される選手になってください」プロの門出に際し、両親はそう手紙でエールを送った。その言葉通り、森下は豪快なプレーと時折見せる天真爛漫なキャラクターで、多くのファンの心を掴んでいる。「iPhoneを知らない」「携帯の機種は5G」といった天然エピソードは、彼の愛すべき一面だ。

プロ4年目の今季、推定年俸は2億1000万円に到達。名実ともに関西を代表するスター選手となった。侍ジャパンの井端弘和監督も「一振りでチームの雰囲気をガラッと変えられる」と、その存在感に大きな期待を寄せている。

父が野球の道を教え、母がその背中を押し、本人がその道を切り拓いた。家族の愛情を一身に受けた一人っ子は、これからも多くの期待を背負い、グラウンドに立ち続ける。

[文/構成 by 森 けい]

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