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エヌビディア、5/20米時間決算で5-7月期売上見通し910億ドル公表 前年同期比95%増・市場予想約870億ドル超で日本市場も即反応

エヌビディア、5/20米時間決算で5-7月期売上見通し910億ドル公表 前年同期比95%増・市場予想約870億ドル超で日本市場も即反応

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米エヌビディアが5月20日(米時間)、2-4月期決算を発表した。5-7月期の売上見通しは前年同期比95%増の910億ドルで、LSEGの市場予想(約868億ドル)を上回る。日経平均は21日に1879円高で6営業日ぶり反発、ソフトバンクGはストップ高となった。 —

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売上816億ドル、データセンターが752億ドル

米半導体大手エヌビディアは5月20日(米時間)、2027年1月期第1四半期(2026年2-4月期)決算を発表した。売上高は前年同期比85%増の816億1500万ドル。会社見通しの780億ドルや市場予想平均の789億ドルを上回り、四半期として過去最高を更新した。

同社は四半期締め日を4月26日とし、純利益は583億2100万ドルと前年同期から3倍強に膨らんだ。GAAPベースの希薄化後1株利益は2.39ドル、調整後ベースでは1.87ドルで、市場予想の1.75〜1.78ドルを超えた。粗利益率もGAAPで74.9%、調整後で75.0%と高水準を保つ。

注目を集めたのは次の四半期、つまり5-7月期の見通しだ。会社は売上高を910億ドル±2%(891.80〜928.20億ドル)と公表。LSEGの市場予想(約868億ドル)やFactSetコンセンサス(約860億ドル台)を大きく上回る数字だ。前年同期比に直すと約95%増。日経や野村證券、マネックス証券が一斉に「強気の水準」と報じた。

項目Q1 FY27 実績前年同期比市場予想(FactSet等)
売上高816.15億ドル+85%約789億ドル
データセンター売上752億ドル+92%(過去最高)
純利益(GAAP)583.21億ドル+211%(約3.1倍)
EPS(調整後)1.87ドル約+131〜140%1.76〜1.77ドル
粗利益率(調整後)75.0%高水準維持約75.0%
Q2 FY27売上見通し910億ドル±2%+95%約868億ドル(LSEG)

AIファクトリーが収益を押し上げる

稼ぎ頭のデータセンター事業は752億ドル。前年同期比で大きく伸び、四半期の売上の9割超を占める計算だ。エヌビディアは今四半期から事業区分を見直し、データセンターを「ハイパースケール」と「ACIE(AIクラウド・産業・企業向け)」に再分類した。クラウド大手向けの安定成長に加え、AI専業クラウドや各国政府の自国インフラ整備、さらに製造・医療・エネルギー業界向けが勢いづく。

これまで成長を支えてきたのはAIモデルの「訓練」需要だった。今の重心は推論、つまりAIを「使う」側へ移りつつある。マネックス証券のリポートによると、決算カンファレンスで創業者兼CEOのジェンスン・フアンは「エージェンティックAI」という言葉を11回使った。AIが自律的に計画し、ツールを呼び出してタスクを完了させる段階に入った、との認識だ。

AIモデル「Claude」を開発するアンソロピックがNVIDIA・マイクロソフトと結んだ提携(2025年11月発表、Grace BlackwellとVera Rubinで最大1ギガワット規模のコンピュート利用)を、CFOコレット・クレスが決算カンファレンスで改めて強調した。ChatGPTを提供するオープンAI、グーグル親会社アルファベット、メタ・プラットフォームズに続き、フロンティアAIと呼ばれる最先端AIの主要プレイヤーがエヌビディア陣営に集まる構図が改めて確認された。

10メガワットを超える規模のパートナーデータセンターは、わずか1年で2倍に増加し80拠点を突破。ハイパースケーラーの設備投資は2027年に1兆ドルを超える見通しだ。フアンは決算リリースで次のように述べた。

> “AIファクトリーの構築は、人類史上最大のインフラ拡張だ。それが驚くほどのスピードで加速している。エージェンティックAIが到来し、生産的な仕事をこなし、現実の価値を生み、企業や産業へ急速に広がっている”

配当25倍、自社株買い枠800億ドル追加

株主還元の拡大も今回の決算の大きな柱だ。エヌビディアは四半期配当を1株あたり0.01ドルから0.25ドルに引き上げた。実に25倍の増配で、6月26日に支払われる。権利確定日は6月4日。

取締役会は5月18日、自社株買い枠を新たに800億ドル追加することを承認した。第1四半期末時点で残っていた385億ドルの枠と合わせ、株主還元の余力は大きく積み増される。第1四半期だけで自社株買いと配当を合わせ約200億ドルを株主に還元しており、過去最高の水準だ。

これまでマグニフィセント・セブンと呼ばれる大型テック企業のなかで、エヌビディアは株主還元の手薄さが投資家の不満材料となっていた。マネックス証券は2022〜2025年のフリーキャッシュフロー(FCF)に対する株主還元比率が47%にとどまり、同業他社の約80%に届かなかったと指摘する。今回の増配と自社株買い増額は、その流れを変える方針表明と受け止められた。

2026年のFCFは約490億ドルが見込まれており、その約半分が株主に戻る計算となる。

好決算でも米株は下落、日本市場は急反発

市場の反応は対照的になった。米国の時間外取引でエヌビディア株は乱高下し、終値は222ドル前後と前日比で下落。野村證券の村山誠シニア・ストラテジストは、3月30日の安値から決算前までに36%上昇していたことや、市場の一部に960億ドル超の見通しを期待する声があったことを背景に挙げる。「予想を大幅に上回る数字を期待していた投資家には、910億ドルでは物足りなかった」(株探の記事から)。

もうひとつの理由が中国だ。エヌビディアは今回の見通しに、中国向けデータセンター売上を含めていない。米政府はAI半導体「H200」の中国企業約10社への販売許可に動いたが、中国側が購入に動いていないとの観測もあり、ガイダンスへの織り込みは見送られた。2四半期連続の同様の状況だ。

一方、日本市場は逆方向に動いた。21日の東京株式市場で日経平均株価は前日比1879円73銭高の6万1684円14銭で取引を終え、6営業日ぶりに反発した。上昇率は3.1%。米オープンAIが22日にも新規株式公開(IPO)を申請する観測も重なり、AI関連株への買いが広がった。

主役はオープンAIに大型出資するソフトバンクグループだ。終値は前日比1000円(19.85%)高の6039円でストップ高水準まで買われ、1銘柄で日経平均を約804円押し上げた。アドバンテストや東京エレクトロン、イビデンといった半導体製造装置・関連株もそろって上昇。一時、日経平均は2100円を超える上げ幅を記録する場面もあった。

強気と慎重論、夏場の焦点はVera Rubinと中国

2026年後半に向けた焦点は、次世代チップ「Vera Rubin(ヴェラ・ルービン)」の出荷だ。現在の主力「Blackwell」の後継となり、2026年下半期から出荷が始まる予定だ。NVIDIAはBlackwell比で推論性能を最大5倍、1メガワットあたりの推論スループット(兆パラメータ級モデル)では最大35倍と謳う。すでにオープンAI、グーグル、アンソロピックといった主要顧客が発注を済ませている。フアンは「Blackwell以上の成功になる」と自信を見せた。

もうひとつのテーマがCPU市場への参入だ。エヌビディアは世界初の「エージェンティックAI専用CPU Vera」を打ち出し、2026年だけでスタンドアローンVera CPUの売上が約200億ドルに達する可能性があるとした。フアンは「これまで取り組んだことのない2000億ドル規模の市場をVeraが開く」と発言している。

市場が次に注視するのは、中国向けH200の販売再開と、2025〜2027年累計で「1兆ドル」を掲げたBlackwellとRubinの売上目標、そして6月3日に控えるブロードコムの決算だ。AI半導体業界全体の動向を測る材料が続く。

世界の時価総額1位を走る企業が、純利益を3倍に伸ばし、配当を25倍にした。それでも米株は下落、日本株は急騰した。期待と実績のギャップこそが、AI相場の現在地を映している。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

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