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森永製菓「ハイソフト」休売、中東情勢で原材料調達が困難に 1969年発売ロングセラーの再開時期は未定

森永製菓「ハイソフト」休売、中東情勢で原材料調達が困難に 1969年発売ロングセラーの再開時期は未定

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森永製菓が5月21日、キャラメル「ハイソフト<ミルク>」と「塩キャラメル」の出荷を一時休止していると明らかにした。中東情勢の悪化で一部原材料の調達が難しくなったためだ。再開時期は未定で、現状は2商品のみが対象だという。

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森永が定番キャラメル2商品の出荷を停止

森永製菓は5月21日、ロングセラーの「ハイソフト<ミルク>」と「塩キャラメル」の出荷を一時的に休止していると発表した。中東情勢の悪化で一部原材料の調達が難しくなったためだ。販売再開の時期は未定で、調達状況の改善次第で再開する見込みだという。

ハイソフトは1969年に発売した50年以上続く定番商品。ミルク分が多いソフトな食感が特徴で、12粒入りの紙サックは半世紀にわたり大きく変わっていない。今回休止になったのはミルク味で、塩キャラメルは岩塩を効かせた派生ブランドとして展開してきた。

森永製菓によると、現状で休売を予定しているのは2商品のみ。他の商品については「今後の可能性は排除できないが、現時点で話せることはない」としている。調達が難しくなっている原材料の中身については「基本的に開示しない」と説明し、品目の特定を避けた。

引き金は中東情勢、菓子業界に広がる調達難

背景には、中東をめぐる物流・素材調達の不安定さがある。米国とイスラエルによるイラン攻撃を機に、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上の封鎖状態に陥り、日本国内でもガソリンや包装資材、化学品の供給に揺らぎが広がってきた。

影響は菓子業界にも及ぶ。共同通信は5月13日、高知の名物菓子「ミレービスケット」の一部商品が、中東情勢悪化によるナフサ不足の影響で生産停止になっていると報じた。製造する野村煎豆加工店によると、4月23日から「ミレー超ビッグパック」の生産を止めており、6月1日からは「4連ミレービスケット」も対象となる。包装資材の原料が滞ったかたちだ。

森永のキャラメル2商品については、同社が原材料の品目を明らかにしていないため、ナフサ系の包装資材なのか、別の原材料なのかは判然としない。一方、流通の現場では別の影響も出ている。読売新聞によると、森永製菓はキャラメルの一部商品で、一粒ずつ包む包装紙のデザイン変更を済ませていた。

食品メーカー全体に目を向けると、調達難の波はじわじわ広がる。調味料大手のミツカンは、ナフサ高騰によるトレーやフィルムのコスト上昇を理由に、納豆19品の値上げを発表。住設機器のLIXILやパナソニック系では、ユニットバスなどで「納期未定」の表示も出始めた。森永の今回の判断は、こうした連鎖の中に置かれている。

「ハイソフト」とはどんな菓子か

森永製菓の公式サイトによると、ハイソフトは「ハイプライス・ハイクオリティ」を狙って1969年に発売された。当時、看板商品の「ミルクキャラメル」を進化させ、人々の関心が「量から質へ」と移った時代背景に応える商品として誕生した経緯がある。発売当時は12粒で50円。同時期のミルクキャラメルは12粒20円で、明確な高級路線だった。

原材料は水あめ、加糖練乳、砂糖、加糖脱脂練乳、植物油脂、クリームチーズ、還元水あめ、小麦たんぱく加水分解物、黒みつ、モルトエキスなど。1粒(標準4.9g)当たり21キロカロリー。ミルク分の多さがソフトな食感を支える。森永製菓は2026年3月3日付でパッケージをリニューアルし、現行品を発売したばかりだった。

派生ブランドの塩キャラメルは、フランスのロレーヌ産岩塩を使い、バターのコクと塩気を組み合わせた商品。森永ミルクキャラメルと同じ形態の箱型パッケージが2026年3月3日に発売されたばかりで、休止のタイミングはリニューアル直後と重なる。

森永製菓は、ハイソフトの封入カードを2023年に「森永おかしレトロカード」に変えるなど、ロングセラーの磨き直しを続けてきた。発売から半世紀を超えてもなお、店頭の定位置を保ち続けてきた菓子だ。その出荷が止まる。

ネットでは買い占めや転売の警戒も

休止の一報が流れた直後から、Xでは反応が広がった。「塩キャラメルが好きで、いつも小腹すいた時に食べてただけにショック」「キャラメルにも影響出てるんかい」と、定番の味が消えることへの戸惑いが目立つ。

Yahoo!ニュースのコメント欄には、別の動きを示す投稿も並んだ。「子どもが好きなので、すでに備蓄済みです」「お子さんが好きで、ないと困るお菓子は確保しておいた方がいい」。品薄を見越した買いだめの動きが、すでに広がりつつある。「プレ値になる可能性は非常に高い」と、フリマアプリでの転売を警戒する投稿もあった。

ハイソフトと塩キャラメルはコンビニやスーパーで手に取りやすい価格帯の菓子だ。生活に近い場所で起きた出荷停止が、遠い中東の出来事を急に身近に引き寄せた格好となった。

再開のカギは中東情勢の落ち着き

森永製菓は、調達状況が改善され次第、販売を再開する方針だ。ただ、具体的な見通しは示されていない。鍵を握るのはホルムズ海峡をめぐる情勢の落ち着きと、ナフサや原材料の供給ルートの正常化だろう。

食品サプライチェーンは長年、コスト最適化を理由に世界規模で調達網を組み立ててきた。その代償として、特定地域のリスクが日本の店頭にすばやく伝わる構造ができあがる。Yahoo!ニュースのエキスパート解説では、国内調達を軸にした分散調達と在庫戦略の見直しが今後の課題になると指摘されていた。

ハイソフトが店頭に戻る日まで、消費者と業界は中東情勢を見つめ続けることになる。半世紀を超えるロングセラーが一時店頭から消えるという事態は、日本のサプライチェーンが抱える脆さを浮かび上がらせた。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

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