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今村聖奈、オークスで何が起きた? 女性騎手初G1制覇の全経緯とその経歴 「やばい、勝ってもうた」再生132万回超え

今村聖奈、オークスで何が起きた? 女性騎手初G1制覇の全経緯とその経歴 「やばい、勝ってもうた」再生132万回超え

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2026年5月24日、東京競馬場の第87回オークス(GI)で今村聖奈(22)=栗東・寺島=がジュウリョクピエロを操り、JRA女性騎手として史上初のGI制覇を果たした。JRA女性騎手のクラシック初騎乗での優勝は史上初めてのことだった。ゴール直後の「やばい、勝ってもうた」はJRA公式YouTubeで公開後、132万回超の再生を記録する。

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5番人気が馬群を割った 2分25秒6で決着

2026年5月24日午後、東京競馬場の第11レース。3歳牝馬18頭が1着賞金1億5000万円を懸けて芝2400mに挑んだ。

1番人気は桜花賞馬スターアニス。松山弘平が手綱を取り、単勝3.0倍の支持を受けた。ジュウリョクピエロは5番人気(単勝10.9倍)。女性騎手初のクラシック騎乗という話題性はあったが、2400mが未経験という点が人気を押し下げた。

今村は後方でじっくり脚をためた。「前半の入りで少しムキになったところはあったけど、途中からリズムよく走ってくれた」とレース後に振り返る。事前に寺島良調教師が渡した指示はシンプルだった。「東京得意なルメールと、人気の松山。ただそれだけを見て行け」という言葉だけを胸に、ゲートに入る。

直線半ばで追い出しをかけると、馬群の真ん中が割れた。3番人気ドリームコア(クリストフ・ルメール騎乗)との叩き合いを首の差で制し、先頭でゴール。勝ち時計は2分25秒6だった。1番人気スターアニスは直線で伸びを欠き、12着に沈む。JRA所属女性騎手によるGI制覇は史上初となった。

4年でたどり着いた頂点 処分・手術を越えたキャリア

今村聖奈は2003年11月28日、滋賀県に生まれた。父の今村康成は元JRA騎手で、2001年中山大障害(GI)をユウフヨウホウで制したGIジョッキー。現在は栗東・飯田祐史厩舎の調教助手を務める。幼いころから馬のそばで育ち、小学5年のときに騎手を志した。

2022年3月、JRA競馬学校騎手課程第38期を修了し、3月13日にブラビオへの騎乗で初勝利を挙げた。同年7月3日、CBC賞(G3)でテイエムスパーダを制覇。デビューイヤーでの重賞初制覇は14年ぶりで、JRA女性騎手として平地芝重賞の初勝利でもあった。そこからペースは上がる。デビュー年に51勝を挙げて、藤田菜七子が2019年に記録した女性騎手年間最多勝記録(43勝)を大幅に更新。同時にJRA新人騎手の年間最多勝記録も22年ぶりに塗り替えた。

しかし2023年、試練が届く。

騎手控室でのスマートフォン使用が発覚し、30日間の騎乗停止処分を受けた。その年の勝ち星は25にとどまる。翌2024年も流れは変わらなかった。5月4日、新潟6Rで馬場入場後に落馬して右足を負傷。さらに6月26日、函館での調教中に再び落馬し、右肩を脱臼して手術を受けた。2024年の苦しさは年間6勝という数字が示す。

それでも馬と向き合い続け、2025年5月11日、京都10R橘ステークスをムイで勝利(通算101勝目)し、見習騎手を卒業する。同年10月19日、新潟3RのインフローレでJRA通算100勝を1559戦目で達成。藤田菜七子(2150戦目)、永島まなみ(1688戦目)に次ぐJRA女性騎手史上3人目で、最少騎乗数での到達となった。

ゴール直後の絶叫 「ピエちゃん、アンタが一番格好いい」

勝利インタビューで今村は「夢見てるみたいです」と最初に答えた。「彼女(ジュウリョクピエロ)のことは一番分かっていると思っていたので、落ち着いて乗れた」と続ける。「本当に彼女は素晴らしい馬で、私が乗っていてもやっぱりついてこいって、男気ある馬だなと思っています」とも語った。

一方で、「本当にしんどいこともたくさんあったし、悔しい思いもたくさんした。今の現状に全然満足していない中、GIを勝たせてもらって、本当に馬に感謝の気持ちでいっぱいです」と打ち明けた。GIを制してなお「満足していない」という言葉が残る。

関連記事:ジュウリョクピエロ・近藤健介オーナーとは何者か ”馬主デビュー1年3ヶ月”G1勝利の異例記録と知られざる経歴とは 同姓同名でSNS大騒ぎ

JRA公式YouTubeチャンネルが公開したジョッキーカメラ映像には、その息遣いが克明に刻まれていた。ゲート裏では「はい、大丈夫です」「オッケーです」と落ち着いた声でジュウリョクピエロをなだめる。先頭でゴール板を越えた瞬間、声が上がった。

「やった~!やばい、勝ってもうた」。ウイニングランでは「やった、ピエちゃん」「アンタ一番格好いいわ」と愛馬へ語りかけ、スタンド前に戻ると「ほら、東京競馬場すごいね」と声をかける。映像は公開後、132万回を超える再生を集めた。

師匠の寺島良調教師はスポーツ報知の取材に「今回がダメでも次があると思っていたが、いきなりチャンスをものにして、人馬ともにすごかった。お礼というか、感謝しかない」と語った。

武豊「きっちり決めるのはさすが」 相次いだ称賛と祝福

アランカールで8着に終わった武豊は「自分が負けたから悔しいですよね」と苦笑しながらも、「立派だなと思います。チャンスがあるだろうなと思っていたから。きっちり決めるところはさすがですね」と称えた。元騎手の安藤勝己は「馬を信じて冷静やったんがジョッキー」と今村の騎乗を評価する。

ORICONが伝えたジョッキーカメラへのコメントには「まじで道が開いた」「歴史を変えるだけの胆力がある」「ニューヒロインの誕生。おめでとう」「生涯語り継がれるレース」などが相次いだ。この日の東京競馬場の入場人員は4万4539人で、前年比111.0%に達する。

凱旋門賞オッズは51倍から34倍へ 「次の1勝を」と語った22歳

ジュウリョクピエロはすでに凱旋門賞への登録を済ませる。英ブックメーカーはオークス制覇を受け、同馬のオッズを51倍から34倍へ引き上げた。欧州メディアも「今村聖奈騎手が歴史に名を刻みました」と速報で伝える。

寺島調教師は「凱旋門賞はオーナーと馬の状態を含めて話し合って決めたい」と述べ、遠征の結論は持ち越した。

「次の1勝ができるように頑張りたいと思います」。今村はGI制覇の会見をそう締めくくった。通算109勝、そのうちの1勝がオークスだ。

[文/構成 by さとう つづり]

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