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武尊、引退試合で”次を考えない”覚悟 ―「HPがあと50残っていたら全部使い切る」 フジテレビ地上波中継実現に「デビューからずっと言い続けてきた」

武尊、引退試合で”次を考えない”覚悟 ―「HPがあと50残っていたら全部使い切る」 フジテレビ地上波中継実現に「デビューからずっと言い続けてきた」

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

元K-1三階級制覇王者の武尊(34)=team VASILEUS=が4月26日、引退試合を前に都内で囲み取材に応じた。4月29日の有明アリーナでロッタン・ジットムアンノンと再戦する。フジテレビ系列の地上波中継も実現し、武尊は「HPがあと50残っていたら全部使い切る」と完全燃焼を誓った。

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引退試合3日前、「勝って”やりきった”と思いたい」

武尊(34)=team VASILEUS=が4月26日、都内で行われたメディアデーに出席し、現役最後の試合に向けた心境を語った。3日後の4月29日、東京・有明アリーナで開催される「U-NEXT presents ONE SAMURAI 1 〜武尊引退試合 運命のリベンジマッチ〜」のメインイベントに臨む。対戦相手はロッタン・ジットムアンノン(タイ)。ONEフライ級キックボクシング暫定世界王座決定戦として、3分5ラウンドで戦う。

「最後の大きな挑戦になるので、あまり引退試合っていう感覚は自分の中でなくて」。武尊はそう切り出した。「これが最後で寂しいみたいな感情はないんですけれど、本当に最後は出し切って勝って、その後にやりきったと思えたらいい」と続け、感傷より勝利への意識を前面に出した。

仕上がりについては手応えを口にする。「今回は本当に調整もいろいろ気をつけたり、追い込みもコンディション重視でやってきた。大きな怪我もなく、凄く順調な仕上がり」。過去にはオーバーワークで怪我を招き、パフォーマンスを落とした経験もあった。その反省が今回の調整に生きたという。

8カ月前、わずか80秒のKO敗戦という原点

武尊が”リベンジ”にこだわる背景には、2025年3月のさいたまスーパーアリーナ大会がある。ONE 172のメインでロッタンと対戦し、1Rわずか80秒でKO負け。立ち技日本人エースとして迎えた一戦の結末は、誰も予想していなかった。

敗戦から2日後、同門の野杁正明が試合前の事実を明かす。武尊は試合2週間前に左肋骨と胸骨の2カ所を骨折し、全治7週間の状態で試合に臨んでいた。呼吸もままならない状況だった、とスポニチアネックスなどが報じている。

敗戦から8カ月、武尊は2025年11月の日本大会に姿を現した。デニス・ピューリックと対戦し、2RTKOで勝利。約4年半ぶりの国内での勝利となった。試合後、リング上で「僕は次の試合で現役を引退します」と発表し、引退試合の相手にロッタンを指名した。

「ロッタン選手が受けてくれるなら、最後の試合ロッタン選手と思いっきり戦いたい」。あの日の武尊の発言が、今回のリマッチにつながった。

「作戦はちゃんと立てる」、揺さぶりには冷静

先日のフェイスオフでロッタンと対面した際の印象を問われると、「変わらないですけれど、ロッタン選手も気合い入れて今回やってきたというのは分かりました」と武尊。準備については「ONEと契約する前からロッタン戦を意識して練習してきたので、何か大きな対策を変えてはいない」と答え、従来の延長線上にあることを強調した。

ロッタンは公開練習後、「1、2ラウンドは国際式ボクシングで戦う」と発言している。この揺さぶりについて、武尊は冷静だった。「ロッタン選手は結構揺さぶりを今までもすごいかけてくる。あまり僕は喋る言葉に対しては全く気にしてない。試合になったらどうせ蹴りを使ってくる」。

過去の試合では打ち合いに夢中になり、頭のヒューズが飛ぶような場面もあった。今回もそのつもりなのか、それとも理詰めで勝ちにいくのか。武尊は「意識してやってるわけではなかった。実際試合になったら多分打ち合いになったりとか、楽しくなってアドレナリン全開になると思うんですけど、作戦はちゃんと立てて今回挑みます」と、感情と戦略の両面で臨む姿勢を見せた。

「HPが50残っていたら全部使い切る」、次を考えない覚悟

前回のロッタン戦と今回の違いを問われると、武尊は言葉を選びながら語った。「今までの試合も100%ではやってるんですけど、前回もこれ勝って次はロッタン戦みたいなとこがあったり、これに勝ってまた次があるっていうのがあった上で追い込みも試合もやっていた」。

今回は違うという。「自分の体の筋肉・繊維・全組織を使って試合をしようと思っている。いい意味で次を考えていない」。そして、こう続けた。「自分のHPがあと50残ってるとしたら、それを全部使い切って試合しようと思っています。そういう意味ではだいぶ違うんじゃないですかね」。

文字通り完全燃焼か――。記者のその問いに、武尊は短く答えた。

「怪我しようが何しようが勝てばいい。そういう戦いをしようと思っています」

悲願の地上波中継、「デビューからずっと言い続けてきた」

関連記事:武尊引退試合のvsロッタン戦がフジ地上波放送決定!4月29日は何時から?

本大会はフジテレビ系列全国ネットで、4月29日22時00分から23時24分までディレイ放送される。番組名は「U-NEXT presents ONE SAMURAI 1 〜武尊引退試合 運命のリベンジマッチ〜」。メインの武尊対ロッタン戦、若松佑弥対アバズベク・ホルミルザエフのフライ級総合格闘技世界タイトルマッチ、吉成名高対ソンチャイノーイのアトム級ムエタイ世界タイトルマッチ、ジョナサン・ハガティー対与座優貴のバンタム級キックボクシング世界タイトルマッチの4試合を放送する予定だ。

武尊にとって、地上波は長年の悲願だった。「地上波に関してはデビューからずっと言い続けて。僕が上京した年に昔のK-1が消滅して、テレビで格闘技がなくなって世間に格闘技が届きにくい時代になってしまっていた。それを戻したかった」。

ネット配信が主流となった現在だからこそ、地上波の意義を武尊は強調する。「ネットで誰でも簡単に見られるようにはなっているんですけど、やっぱり格闘技に興味ある人しかわざわざネットで見るっていうのがなくなってしまっている。テレビって家で家族団らんしている時にチャンネルをたまたま変えて、面白そうだなと思って観る。僕も元々それで格闘技を好きになっている」。

地上波放送の効果は、引退後の格闘技界にも及ぶと語る。「僕が引退したあとに格闘技界が盛り下がらないためにも、地上波放送してもらえることによって、また新しい格闘技のファンも増える。若い選手やこれからの選手を注目して、格闘技ファンになってくれる人も絶対いる。そういう意味では絶対この地上波っていうのは大事な一つの手段だと思います」。

実現に向けて自ら直接働きかけたのか――。武尊は関係者への謝意を口にした。「僕はずっと口では言ってたんですけど、ONEのスタッフさんだったり、関係者の人たちが動いてくれて決まりました。THE MATCHの時もそうだし、選手一人の力だとどうにもならない部分だったり、いろいろな邪魔が入ったりということもあったと思うので、皆さんの力で今回実現できた。感謝しかないです」。

視聴率への意気込み、裏番組はSixTONES

視聴率への目標は高い。「昔、大晦日のDynamite!!で40%とか出ていた時代もあった。そこまでは難しいかもしれないですけど、それに近いくらい見てもらえたらいいな」。武尊は動画内でそう語っている。

同じ時間帯には強力な裏番組が6本並ぶ。男性アイドルグループ「SixTONES」の特番が放送されることも記者から指摘されると、武尊は笑顔でこう答えた。「負けないように頑張ります」。

新人時代からテレビ出演の影響力は肌で感じてきたという。「地上波に出るようになってから声をかけられることも増えたし、認識してくれている人が増えたと感じ始めたのはテレビに出始めてから。やっぱりテレビの力は大きいなって思います」。

暫定王座、現役ストーリーの”最後のピース”

今回懸かるのはONEフライ級キックボクシング暫定世界王座。武尊はベルトへの思いをこう語った。「今の立ち技で頂点だと思うので、これを獲ったら自分の現役生活にも納得ができる」。

正規王者のスーパーレック・キアトモー9が、この階級に体重を落とせるかは未知数だ。武尊は続ける。「それがなければこの階級で一番を証明できる。ロッタン選手を倒してベルトを獲ることが、僕の現役のストーリーの最後のピースだと思っているので、必ず獲りたい」。

1991年7月29日生まれの武尊は、2015年にK-1スーパー・バンタム級、2016年にフェザー級、2018年にスーパー・フェザー級を制し、K-1史上初の三階級制覇を達成した。2022年の「THE MATCH 2022」で那須川天心と対戦し、判定で敗れている。戦績は50戦45勝5敗、うち27KO。現役最後の試合で、日本人初のONEフライ級キックボクシング世界王座獲得に挑む。

かつて「K-1を背負う」と言われた男が、34歳で現役最後のリングに立つ。メディアデーの最後、武尊は短く言葉を残した。「最後は出し切って、勝った後に”やり切った”と思えたらいい」。勝負の舞台は3日後、有明アリーナで幕を開ける。

[文/構成 by 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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