小椋藍、MotoGPインドネシアGP決勝で4位 前日スプリント2位、ベッツェッキ優勝でアプリリア勢が1〜4位独占

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
MotoGP第17戦インドネシアGPの決勝が10月11日、インドネシア・ロンボク島のマンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットで行われ、小椋藍(25)=スーパーファイル・トラックハウスMotoGPチーム=が7番グリッドから4位でゴールした。前日10日のスプリントでは2位表彰台。決勝はマルコ・ベッツェッキ(アプリリア・レーシング)が今季5勝目を挙げ、2位ラウル・フェルナンデス、3位ホルヘ・マルティン、4位小椋と、アプリリアのマシンが上位4つを占めた。
7番グリッドから4人抜き、アプリリア初のトップ4独占
決勝は全27周、気温29度、路面温度62度の暑さの中、現地時間15時(日本時間16時)にスタートした。ポールポジションは、MotoGPクラスで初めてポールを取ったフェルナンデス。2番グリッドにベッツェッキ、3番グリッドにファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)が並び、小椋は3列目の7番グリッドだった。
スタート直後の小椋は苦しんだ。7番手を保ったものの、1周目の後半で2台に先行され、9番手で2周目に入る。その2周目、昨年このサーキットで優勝したフェルミン・アルデゲル(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)が16コーナーで転倒し、小椋は8番手に戻った。
ここから追い上げが始まる。中盤までアレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)と競り合い、13周目にかわして7番手へ。残り10周でディ・ジャンアントニオ、終盤にマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)を抜くと、残り3周でペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)と横並びの攻防を制して4番手に上がった。アコスタは最後まで背後に迫ったが、小椋は1コーナーを守り切り、0.114秒差で4位を手にしている。3位マルティンとの差は約2.5秒だった。
先頭争いは、フェルナンデスが序盤から引っ張り、ベッツェッキが0.5秒前後の差で追った。27周中の19周目、ベッツェッキが1コーナーでフェルナンデスを捉えると、そのまま後続を引き離して独走でチェッカーを受けた。19周目に出した1分29秒960は、決勝のサーキット最速ラップ記録を更新した。ベッツェッキの優勝は5月のイタリアGP以来で、今季5勝目になった。
フェルナンデスはスプリントの転倒で右手の人差し指を痛め、フロントブレーキを中指だけで操作しながら2位を守った。アプリリアのファクトリーチーム2人と、アプリリアのマシンを使うトラックハウスの2人がそろって上位4つを占めたのは、メーカーとして初めてだった。
インドネシアGP決勝の結果(上位10人)
| 順位 | 選手 | チーム(マシン) | タイム/トップとの差 |
|---|---|---|---|
| 1位 | マルコ・ベッツェッキ | アプリリア・レーシング(アプリリア) | 40分46秒582 |
| 2位 | ラウル・フェルナンデス | スーパーファイル・トラックハウスMotoGPチーム(アプリリア) | +4秒260 |
| 3位 | ホルヘ・マルティン | アプリリア・レーシング(アプリリア) | +6秒890 |
| 4位 | 小椋藍 | スーパーファイル・トラックハウスMotoGPチーム(アプリリア) | +9秒378 |
| 5位 | ペドロ・アコスタ | レッドブルKTMファクトリー・レーシング(KTM) | +9秒492 |
| 6位 | マルク・マルケス | ドゥカティ・レノボ・チーム(ドゥカティ) | +10秒778 |
| 7位 | アレックス・マルケス | BK8グレシーニ・レーシングMotoGP(ドゥカティ) | +16秒821 |
| 8位 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム(ドゥカティ) | +19秒840 |
| 9位 | ファビオ・クアルタラロ | モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム(ヤマハ) | +19秒999 |
| 10位 | エネア・バスティアニーニ | レッドブルKTMテック3(KTM) | +21秒111 |
決勝は体調不良のジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)と、その代役に決まっていたアレイシ・エスパルガロがともに欠場し、21台で争われた。完走は17人。アルデゲルのほか、ジャック・ミラー、フランチェスコ・バニャイア、トプラク・ラズガットリオグルがリタイアしている。
転倒2度の週末、スプリントでは2カ月ぶりの表彰台
週末の滑り出しは悪かった。小椋は9日のフリー走行1回目で転倒し、午後のセッションでは最後のアタックが黄旗に阻まれ、予選Q2への直接進出を逃した。10日の予選Q1では、2回目のアタック中に12コーナーで再び転倒したものの、1分29秒729の2番手でQ2へ進んだ。Q2は最初のアタックがトラックリミット違反で抹消されながら、2回目に1分29秒279を出して7番手に食い込んだ。
13周で争われた10日のスプリントは、1周目の1コーナーで波乱が起きた。ポールのフェルナンデスとベッツェッキが接触して転倒し、アプリリアの2台がいきなり姿を消す。混乱の中で3番手に上がった小椋は、残り5周でペースを落としたマルティンに迫り、残り2周、15コーナーでオーバーランしたマルティンを抜いて2番手に浮上した。優勝はマルク・マルケスで、小椋との差は0.509秒だった。
小椋のスプリント表彰台は、8月のイギリスGP(2位)以来2カ月ぶり。今季のスプリント表彰台はチェコGP、オランダGP、イギリスGPに続く4回目になった。
インドネシアGPスプリントの結果(上位5人)
| 順位 | 選手 | チーム(マシン) | タイム/トップとの差 |
|---|---|---|---|
| 1位 | マルク・マルケス | ドゥカティ・レノボ・チーム(ドゥカティ) | 19分37秒125 |
| 2位 | 小椋藍 | スーパーファイル・トラックハウスMotoGPチーム(アプリリア) | +0秒509 |
| 3位 | ファビオ・ディ・ジャンアントニオ | プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム(ドゥカティ) | +0秒835 |
| 4位 | ホルヘ・マルティン | アプリリア・レーシング(アプリリア) | +1秒947 |
| 5位 | アレックス・マルケス | BK8グレシーニ・レーシングMotoGP(ドゥカティ) | +3秒410 |
小椋「高速コーナーではかなり速く走ることができました」
スプリントの後、小椋はチームのリリースで「この表彰台は、僕たちにとって本当に大きな意味があります」とコメントした。ただ、満足はしていない。「タイトなコーナーでは、さらにプッシュするための自信をなかなかつかめないことが分かりました」と課題を挙げ、体の状態については「マシンに乗っているときの身体的な状態は問題ないので、その点は良かったです」と話している。
決勝の後は、追い上げの手応えと週末全体への反省を分けて語った。「厳しいレースでしたけど、バイクの性能を大いに活かすことができ、特に高速コーナーではかなり速く走ることができました。そのおかげで、4位でフィニッシュすることができました」。一方で「全体的に見ると、今週末の僕たちのパフォーマンスは決して良いものではありませんでしたし、もっと努力していく必要があります」と続け、「もし2位や3位を争っていたなら、バトルをもっと楽しめていたと思います。それでも、いいバトルができました」と締めくくった。
スプリント2位の9ポイントと決勝4位の13ポイントで、小椋がこの大会で積み上げたのは22ポイント。日本GPを終えた時点の5位から、ランキング4位に戻った。
Moto2王者から2年目、日本GPは6位
小椋は2024年にMoto2クラスで年間王者となり、2025年に最高峰のMotoGPクラスへ昇格した。所属は米国のトラックハウスで、マシンはアプリリアのRS-GP。ルーキーイヤーの2025年は負傷に苦しみ、9月のサンマリノGPで右手を痛めた影響でインドネシアGPを欠場している。マンダリカでのMotoGPクラスの決勝は、2026年が初めてだった。
2年目の今季は序盤から上位に定着した。5月のフランスGPで3位、6月のチェコGPで2位に入ると、6月28日のオランダGPでMotoGPクラス初優勝。日本人ライダーの最高峰クラス優勝は22年ぶりだった。7月のドイツGPでも決勝2位に入っている。
だが、夏に再び負傷が襲う。8月のイギリスGPの後、トレーニング中の転倒で左手の親指付近を骨折し、スペイン・バルセロナで手術を受けた。8月末のアラゴンGPと9月のサンマリノGPを欠場し、9月のオーストリアGPで3戦ぶりに復帰。オーストリアはスプリント、決勝とも4位だった。
前戦の10月4日の日本GP(モビリティリゾートもてぎ)は、11番グリッドから決勝6位。スプリントは5位だった。日本GPの決勝はマルク・マルケスが制し、今季6勝目を挙げている。
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マルティンが首位奪還、残り5戦は2点差の争い
タイトル争いは週末の中で2度入れ替わった。日本GPを終えた時点で首位マルティンと2位マルク・マルケスの差は2ポイント。スプリントでマルケスが勝ち、4位のマルティンを逆転して4ポイント差でランキング首位に立った。決勝は3位マルティンが6位マルケスを上回り、2ポイント差で首位を取り戻している。
第17戦インドネシアGP終了時点のランキング(10月11日時点、上位5人)
| 順位 | 選手 | チーム | ポイント |
|---|---|---|---|
| 1位 | ホルヘ・マルティン | アプリリア・レーシング | 355 |
| 2位 | マルク・マルケス | ドゥカティ・レノボ・チーム | 353 |
| 3位 | マルコ・ベッツェッキ | アプリリア・レーシング | 309 |
| 4位 | 小椋藍 | スーパーファイル・トラックハウスMotoGPチーム | 259 |
| 5位 | ペドロ・アコスタ | レッドブルKTMファクトリー・レーシング | 258 |
小椋と5位アコスタの差はわずか1ポイント。6位ディ・ジャンアントニオも245ポイントで続き、4位争いは混戦のままだ。
シーズンは残り5戦。次の第18戦オーストラリアGPは10月23日から25日まで、フィリップアイランド・サーキットで行われる。その後はマレーシア、カタール、ポルトガル、11月29日決勝の最終戦バレンシアと続く。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]


















































































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