戸山公園 大久保地区を散策レビュー!尾張徳川家の名園跡に残る歴史と、休日・平日の雰囲気を写真付きで紹介

取材・編集:MEDIA DOGS 編集部/ © 2026 MEDIA DOGS
戸山公園は、明治通りを挟んで「箱根山地区」と「大久保地区」の2か所に分かれている都立公園です。今回訪れたのは西側の大久保地区。
新宿区の真ん中にありながら緑豊かで、じつはこの場所、江戸時代には徳川御三家・尾張徳川家の大名庭園「戸山荘」が広がっていた由緒ある土地です。園内には鉄砲隊が副業で育てた「大久保つつじ」の歴史や、かつてのゴーカート交通公園の痕跡など、知ると散歩が何倍も楽しくなるエピソードが眠っています。
もちろん現在の見どころも充実していて、「やくどうの広場」や大型遊具のある「子供の広場」など多彩なエリアが詰まっており、子連れファミリーから学生、散歩好きの方まで幅広く楽しめます。
今回は休日と平日の両方で実際に歩いてきたので、この土地に刻まれた歴史をたどりつつ、混雑の違いや各エリアの雰囲気を写真付きでお伝えしていききます!
尾張徳川家の名園跡を歩く——大久保地区 散策レポート
まずは入口へ——並木道の先に広がる350年の歴史
公園に入るとすぐ、整備された並木道が目に飛び込んできます。

案内板が迎えてくれます。

各広場への方向がわかりやすく表示されています。
新宿区の住宅街に囲まれていますが、一歩中に入ると緑の量に驚きます。
冒頭でも触れたとおり、この一帯はかつて尾張徳川家の広大な下屋敷「戸山荘(戸山山荘)」が置かれていた場所です。ここからはもう少し詳しくご紹介しましょう。2代藩主・徳川光友が寛文8年(1668年)に造営を始め、敷地は約45ヘクタールにも及ぶ回遊式庭園として整備されました。
東海道の小田原宿を模した建物や、箱根山に見立てた築山「玉円峰」など二十五景がしつらえられ、水戸藩の小石川後楽園と並ぶ江戸屈指の名園だったといわれています。
明治維新後は陸軍戸山学校や練兵場などの軍事施設となり、戦後にそれらが廃止されると、跡地の一部が公園として整備されました。箱根山地区は昭和29年(1954年)に、大久保地区は昭和39年(1964年)に開園しています。
大久保地区はもともと旧陸軍の射撃場があった場所で、開園当初は「戸山交通公園」として子ども向けのゴーカート施設が設けられていました。交通事故が増えていた時代に、子どもたちが遊びながら交通ルールを学べる都内初のモデル交通公園として注目を集めた場所だったのです。
ゴーカートは昭和61年(1986年)に廃止されましたが、園路の立体交差やカーブの造りなどに当時の名残を感じることができます。こうした歴史の重なりを知ってから歩くと、なにげない園路もちょっと違って見えてきます。
ゴーカートコース跡が生まれ変わった「やくどうの広場」
ここが大久保地区の”中心”ともいえるエリアです。ゴムチップ舗装が特徴で、転んでも衝撃が少ないため小さなお子さんも安心して走り回れます。


休日に訪れると、学生グループのダンス練習やボール遊び、外国人の方がスポーツを楽しむ姿が目立ちました。一方、平日はほとんど人がおらず、広場を贅沢に使えます。静かに過ごしたい方は平日がおすすめです。
やくどうの広場のゴムチップ舗装は足腰への負担が少なく、子どもの転倒時のケガ防止だけでなく、ジョギングやダンス練習にも適しています。周囲に高い建物がないため空が広く、都心にいることを忘れるような開放感があります。かつてこの場所がゴーカートのコースだったとは想像しにくいほど、現在は緑に囲まれた気持ちのよい広場に生まれ変わっています。
子供の広場・幼児コーナー
子供の広場は、大型の複合遊具が目を引きます。

背景に高層ビルがそびえていて、都会の公園ならではの独特な景観を楽しめます。
また違うエリアにある幼児コーナーは柵で仕切られていて、小さな子ども向けの遊具が揃っています。年齢に合わせてエリアが分かれているのは、親御さんにとってありがたいポイントですよね。

ちなみに、幼児コーナーの遊具の背景にそびえる高層建物群は「戸山ハイツ」です。戦後、深刻な住宅不足のなか、昭和24年(1949年)に進駐軍から建設資材の提供を受けて建てられた都営住宅団地で、当初は1,052戸の水洗トイレ付き木造平屋住宅としてスタートしました。
その後、昭和43年(1968年)から鉄筋高層アパートへの建て替えが進み、現在の姿になっています。公園と団地がセットになった、戦後の新宿の歩みを象徴する景観といえるかもしれません。
喧騒を離れて一息——花壇・ベンチ・木漏れ日の散策路
やくどうの広場や遊具エリアから少し離れると、一気に静かな空間に変わります。陽だまりの丘にはハボタンやパンジーなど季節の花が植えられた花壇があり、手入れが行き届いています。

園内あちこちにベンチが設置されているので、散歩の途中でふと腰を下ろして休めるのがうれしいところです。

鉄砲隊が育てた花の名所——「大久保つつじ」の歴史をたどる
大久保地区は、江戸時代に「大久保つつじ」として名を馳せたつつじの名所でもあります。園内にはその由来を解説した案内板があり、歴史を感じながら散策できます。

この「大久保つつじ」には、じつはユニークな誕生秘話があります。
江戸時代、現在の新宿区百人町には「鉄砲組百人隊」と呼ばれる幕府の下級武士たちが暮らしていました。百人ずつ組を作り、江戸城の警備や将軍の参詣時の護衛にあたる鉄砲隊です。
しかし太平の世が続いて戦がなくなると、給与が上がる見込みもなく生活に困窮。そこで副業としてツツジの栽培を始めたのがきっかけでした。鉄砲隊には火薬の原料である木炭・硫黄・石灰が豊富にあり、これがツツジの肥料として活用されたといいます。
こうして大久保百人町は天保年間(1830〜1843年)に全盛期を迎え、約70品種・10,000株のツツジが生産され、7つのつつじ園が設けられるほどの名所になりました。
その後、市街地化や戦災などでツツジは姿を消していきましたが、大正4年(1915年)に群馬県館林市の「つつじが岡公園」に移された苗木が生き延び、平成21年(2009年)に地元の大久保小学校の子どもたちの願いをきっかけとして、原木6本が約90年ぶりに大久保へ”里帰り”しました。
新宿区の花がつつじに選ばれているのも、こうした深い縁があってのことなのです。案内板にはその経緯がまとめられているので、ぜひ立ち止まって読んでみてください。
春のつつじシーズン(4〜5月)に訪れると、公式Xでも紹介される美しい花景色を楽しめます。
公園のあとはひと汗流せる——新宿スポーツセンター&コンビニ情報
大久保地区のすぐそばに新宿区立新宿スポーツセンターがあり、プールやトレーニングジムを利用できます。
この建物は昭和59年(1984年)に竣工した地上5階・地下1階の総合体育館で、新宿区成立35周年を記念して建てられた区内初の本格的なスポーツ施設です。

プールやジムが利用できます。

飲み物や軽食の調達に便利です。
館内には25m温水プール(一般400円/中学生以下100円)、トレーニング室(一般400円)、大体育室、武道場、弓道場、5階には多目的コートやランニングコース(1周160m)まで備わっています。プールとトレーニング室のセット利用なら600円とリーズナブルなので、公園で散歩したあとにひと汗流すのもおすすめです。
1階にはファミリーマートが入っているので、手ぶらで来ても飲み物や軽食をすぐに調達できます。公園遊びとスポーツ施設を1か所でハシゴできるのは、この大久保地区ならではの強みですね。
桜・紅葉・バリアフリー——まだある大久保地区の見どころ

冒頭でご紹介したもう一方のエリア・箱根山地区は桜の名所として知られていますが、大久保地区にもソメイヨシノなどが点在しており、3月下旬〜4月上旬にはお花見を楽しめます。
箱根山地区まで足を延ばせば、明治通りを渡って徒歩圏内。山手線内で最も高い標高44.6mの箱根山(築山)から新宿の高層ビル群を見渡す桜の眺望は格別です。
大久保地区のつつじ(4〜5月)→桜(3〜4月)→紅葉(11月)と、季節ごとに違った表情を見せてくれるので、時期を変えてリピートするのも楽しみ方のひとつです。
実際に訪れた人の声——戸山公園 大久保地区の口コミ・評判
ここからは、戸山公園 大久保地区を実際に訪れた方のリアルな口コミを紹介します。良い意見も気になる意見もあわせて掲載しているので、訪問前の参考にしてみてください。
良い口コミ
まずは、戸山公園 大久保地区を高く評価している口コミから見ていきましょう。
①「緑いっぱいの中、芝生の広場が開放的」
高田馬場に近い方の大久保地区に行きました。緑がいっぱいの中、芝生の広場が結構あり開放的です。森林浴してリフレッシュ出来ました。大きい公園でしたが、同じ位大きい箱根山地区と離れてエリアが別になってました。今度は、そっちも行ってみたいです。出典:じゃらんnet
大久保地区の一番の魅力は、やはりこの開放的な芝生広場。都心にいながら森林浴ができるというのは、本当に贅沢なポイントですよね。平日は「やや空いていた」とのことなので、のんびりしたい方には平日の訪問がおすすめです。
②「芝生広場やジョギング広場など、複数の広場がある」
高田馬場から早稲田方面に向かって歩いていくと、戸山公園がありました。敷地がかなり広くて、明治通りを挟んで大久保地区と箱根山地区に分かれています。大久保地区には、新宿スポーツセンターの建物も公園内にあります。芝生広場やジョギング広場、やくどうの広場と子どもの広場など、複数の広場がありました。出典:フォートラベル
大久保地区には芝生広場だけでなく、ジョギング広場・やくどうの広場・子どもの広場など、目的別に複数の広場があるのが特徴です。お子さん連れでもランニング目的でも、それぞれの楽しみ方ができるのは嬉しいですね。
③「紅葉の時期は特に好き。お気に入りの場所」
とても素敵な公園ですよね。とても広くて、紅葉の時期は特に好きです。ここの広場的なところには多くの木が植わっていて、かつ芝生の広場になっているので、秋らしさを感じます。多くの人が訪れ、保育園のお散歩などでも使われるコースになっている為、にぎやかな公園とも言えますね。お気に入りの場所です。出典:エキテン
紅葉シーズンの大久保地区は、芝生と色づく木々のコントラストがとても美しいです。保育園のお散歩コースにもなっているとのことで、地域に愛されている公園であることが伝わってきます。
気になる口コミ
続いて、訪問前に知っておきたい、少し気になるポイントに触れている口コミも紹介します。
④「自然がいっぱいなので、蚊に容赦なく刺された」
高田馬場にある戸山公園(交通公園)。大久保地区と箱根山地区の2箇所の公園からなる。公園はキレイに整備された自然いっぱいなので、虫が沢山いて容赦なく蚊に刺された。ジョギングコースや子供の遊具も充実している広い場所だ。出典:フォートラベル
緑が豊かな分、特に夏場は蚊が多いようです。暖かい時期に訪れる場合は、虫よけスプレーを持参するのがおすすめ。長袖・長ズボンなどの対策もしておくと安心です。
⑤「曇りの日は人が少なく、入口付近が工事で通路が狭い」
山手線の新大久保駅から、メトロ副都心線の西早稲田駅に行く途中に広がる大きな公園。曇って寒い日で、あまり人は出ていませんが、緑が多くて天気が良ければ気持ちよさそうです。入り口付近は何か工事をしているようで、通路が極端に狭くなっていました。出典:フォートラベル
天気の悪い日はやはり人出が少なく、少し寂しい雰囲気になるようです。また、公園内では時期によって工事が行われていることもあるため、ベビーカーや車椅子で訪問する際はルートを事前に確認しておくと安心でしょう。
口コミ総評
全体的に見ると、戸山公園 大久保地区は「都心とは思えない緑と開放感」が最大の魅力として多くの方に評価されています。芝生広場でのんびり過ごしたり、ジョギングコースで汗を流したり、お子さんと遊具で遊んだりと、幅広い楽しみ方ができる公園です。一方で、夏場の虫対策や天候によっては人気のなさが気になるという声もあるので、訪問の際はちょっとした準備をしておくとより快適に楽しめるでしょう。
名園跡の緑に包まれて——まとめとおすすめの季節
戸山公園は箱根山地区と大久保地区の2か所に分かれていますが、今回歩いた大久保地区だけでも、その充実ぶりは十分すぎるほどでした。
休日はやくどうの広場を中心にダンスやスポーツ、遊具遊びで賑わいますが、平日は静かにのんびり過ごせるのが魅力的です。
子育てファミリーには大型遊具と幼児コーナーの充実ぶりが、学生にはダンスやスポーツの練習場所として、散歩やリフレッシュ目的の方には木漏れ日の散策路やベンチエリアがそれぞれおすすめです。
江戸時代の尾張徳川家の名園にはじまり、明治〜昭和の軍事施設、戦後の交通公園、そして現在の都市型パークへ——戸山公園大久保地区は、時代ごとにその役割を変えながら地域の暮らしに寄り添ってきた場所です。園内を歩くだけでも、ゴーカートコースの名残や鉄砲組百人隊ゆかりのつつじなど、さまざまな時代の痕跡に出会えます。歴史を知ってから訪れると、いつもの散歩がちょっとした”時間旅行”になるかもしれません。
尾張徳川家の名園から始まった歴史に思いを馳せながら、春のつつじや桜の季節にぜひ訪れてみてください。明治通りを渡った先の箱根山地区とあわせて巡れば、さらに充実した1日になるはずです。
戸山公園 大久保地区の基本情報
| 正式名称 | 東京都立戸山公園 大久保地区 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都新宿区大久保三丁目 |
| 開園日 | 常時開園(24時間) |
| 入園料 | 無料 |
| 駐車場 | なし(近隣コインパーキング利用) |
| アクセス | 東京メトロ副都心線「西早稲田」駅 徒歩6分/JR「新大久保」駅・「高田馬場」駅 徒歩約10分 |
| トイレ | 園内2ヶ所(多機能トイレあり) |
| ペット | リード着用で散歩可 |
| 面積 | 約186,472㎡(箱根山地区含む全体) |
| 主な施設 | やくどうの広場・幼児コーナー・芝生広場・つどいの広場・いこいの広場・子供の広場・疎林広場・のびのび広場 |
公式サイト:東京都公園協会 戸山公園
公式X(旧Twitter):@ParksToyama
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]
※本記事は訪問時の情報をもとに作成しています。サービス内容や営業時間、料金等は変更される場合がありますので、最新情報は公式サイトや店舗にご確認ください。



























































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