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5ちゃんねる閉鎖危機、理由は「生き物苦手板」こと”動物虐待板”の放置か。2017年の逮捕者から2026年ドメイン剥奪までの全経緯とは

5ちゃんねる閉鎖危機、理由は「生き物苦手板」こと”動物虐待板”の放置か。2017年の逮捕者から2026年ドメイン剥奪までの全経緯とは

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国内最大級の匿名掲示板「5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)」のドメイン「5ch.net」が2026年3月5日、管理会社から剥奪された。原因は関連サイトで動物虐待コンテンツを長年放置したことによる「重大な違反」と判断されたためだった。運営は代替ドメインでサービスを継続するが、発端となった2017年の事件から続く問題が、サイトの根幹を揺るがす事態となった。

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ドメイン永久停止、ネット社会に走った衝撃

2026年3月6日早朝、多くのインターネット利用者が異変に気付いた。日本最大級の匿名掲示板「5ちゃんねる」の主要ドメイン「5ch.net」にアクセスできない状態になった。当初はサーバーダウンも憶測されたが、事態はより深刻だった。ドメインを管理する米国のレジストラ・Epik社が、このドメインを永久停止する措置を取ったことが判明する。

5ちゃんねるの運営者ジム・ワトキンス氏は、Epik社から受け取ったメールを公開し、ドメインを剥奪されたと報告した。その理由は、関連サイト「BBSPINK」(bbspink.com)および「5ch.net」上で動物虐待に関するコンテンツが放置され、これがEpik社の利用規約に対する重大な違反と判断された結果だった。Epik社はドメインの移管も認めず、永久停止という厳しい判断を下した。運営側は急遽、代替ドメイン「5ch.io」を立ち上げ、サービスの継続を図る異例の展開となった。

発端は9年前の虐待事件、「生き物苦手板」の闇

今回のドメイン剥奪劇の根源は、長年にわたり社会問題として指摘されてきた特定の掲示板の存在に行き着く。通称「生き物苦手板」。この掲示板が社会の注目を浴びる決定的なきっかけは、2017年に埼玉県で起きた元税理士の大矢誠による猫虐待事件だった。

大矢は捕獲した猫に対し、口で言うのもおぞましい残虐な虐待行為を繰り返し、少なくとも13匹を虐待、うち9匹を死なせた。さらに、その様子を撮影した動画を「生き物苦手板」に投稿。掲示板内では、彼の行為を称賛するような書き込みもあった。この事件は動物愛護団体や多くの市民に強い衝撃を与え、大矢は動物愛護法違反で逮捕された。裁判では懲役1年10ヶ月、執行猶予4年の判決が下された。

この事件を機に、「生き物苦手板」が単に「苦手」を語る場ではなく、動物虐待を助長し、実行犯が集うコミュニティとなっている実態が白日の下に晒された。Change.orgでは有志による掲示板の閉鎖を求める署名活動が展開された。また、女優の杉本彩氏が代表理事を務める公益財団法人「動物環境・福祉協会Eva」は、動物虐待罪の厳罰化を求める署名活動を進め、社会に広く問題を提起した。

運営の対応とレジストラの「重大な違反」認定

事件後も「生き物苦手板」は存続し、同様のコンテンツが投稿され続ける状況に、批判の声は絶えなかった。今回のドメイン剥奪に対し、運営者であるジム・ワトキンス氏はXで『これらはテキストのウェブサイトだ(These are text websites)』と反論した。しかし、この姿勢は問題解決にはつながらなかったようだ。

ドメインを管理するレジストラは、自社のサービス上で違法または倫理に反する行為があった場合、そのドメインの登録を停止・剥奪する権限を持つ。Epik社は、ワトキンス氏に送ったメールの中で「bbspink.comで違法で有害な動物虐待素材を確認した」「5ch.netでも同様の違反が見つかった」と指摘。長年にわたる動物虐待コンテンツの放置を「重大な違反」と判断した。ワトキンス氏が管理する全アカウントをブロックし、「5ch.net」と「bbspink.com」のドメイン移管を認めず永久停止とする決定を下した。これは、運営側の自浄作用が機能不全に陥っていたことへの最終通告とも言える措置だった。

突然のサービス停止に広がる困惑と批判

ドメイン剥奪のニュースは、SNSを中心に瞬く間に拡散した。利用者からは様々な反応が上がる。あるXユーザーは「5chのドメイン永久停止、理由がPinkの方での動物虐待絡みらしいの笑う もっと停止の理由になるようなコンテンツ他にいっぱいあるだろ」と投稿し、問題の根深さを指摘した。

一方で、「いい機会だし生き物苦手板は廃止で」といった、今回の措置を肯定的に捉える意見も多数見られた。長年、匿名掲示板の負の側面として問題視されてきた部分が、外部からの強制力によって是正されるきっかけになるという期待。突然の事態に戸惑いながらも、多くの人が匿名掲示板のあり方について改めて考える機会となった。

代替ドメインで運営継続も、問われる自浄作用

運営側は「5ch.io」という新たなドメインで掲示板の運営を継続している。ワトキンス氏はXで「There will be a solution soon, I can’t say what but it will be similar to what we did before.(まもなく解決策が見つかるだろう。詳細は言えないが、以前やったことと似たようなことになる)」と投稿し、復旧への意欲を見せた。

しかし、ドメインを変更しただけで、問題の温床となった掲示板の管理体制や運営方針が変わらなければ、同様の問題が再発する可能性は残る。1999年に「2ちゃんねる」として開設されて以来、日本のインターネット文化に良くも悪くも多大な影響を与えてきた巨大掲示板。表現の自由と、違法・有害コンテンツへの対策という難しい課題に、運営側がどう向き合っていくのか。その自浄作用が、今まさに問われている。

[文/構成 by さとう つづり]

寄稿者

さとう つづり
つづり|ライター・編集者 2018年より個人ブログの運営を開始。アフィリエイトライターとして活動後、Webメディアの運営、記事入稿、編集業務に携わる。7年にわたり「読まれる記事」を追求してきた経験を活かし、現在は日常のでの気になるニュースに対してコラムを執筆中。トレンドから日常の機微まで、幅広いテーマを独自の視点で言語化します。

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