祇園祭、2026年の前祭・山鉾巡行が17日午前9時に出発 長刀鉾先頭の23基と見どころ3つを整理

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京都・祇園祭の前祭・山鉾巡行が7月17日午前9時、四条烏丸を出発した。「くじ取らず」の長刀鉾を先頭に、月鉾や函谷鉾など計23基が都大路を巡行する。今年のくじ取り式では郭巨山が「山一番」に決まった。巡行当日は午後に38.0度を観測する記録的な暑さとなり、熱中症の疑いで12人が救急搬送された。
「くじ取らず」長刀鉾が先頭、計23基が都大路へ
京都市中心部で7月17日、祇園祭前祭の山鉾巡行があった。午前9時、四条烏丸から鉾6基・傘鉾2基・曳山1基・船鉾・舁山13基の計23基が次々と出発した。
先頭を務めたのは「くじ取らず」の長刀鉾だ。毎年の順番を決めるくじ取り式に関わらず、必ず1番目を行くことが古くからの習わしとなっている。生稚児が乗る唯一の鉾でもあり、注連縄切りなど巡行の先陣を切る役目を担う。祇園囃子の「コンチキチン」の音色に合わせ、各山鉾が四条通を進んだ。
2番手には郭巨山が続いた。7月2日に京都市役所で開かれたくじ取り式で、くじ取らずを除く18基のうち最も早い順番を引き当て、「山一番」となった。以下、占出山、山伏山、函谷鉾と続き、月鉾、鶏鉾、菊水鉾、放下鉾、岩戸山、船鉾までの計23基が四条通を東へ進んだ。
くじ取らずと山一番、23基の顔ぶれ
前祭の山鉾は、後祭の11基と合わせた全34基のうち23基にあたる。このうち長刀鉾、函谷鉾、放下鉾、岩戸山、船鉾の5基は毎年決まった順番で巡行する「くじ取らず」だ。長刀鉾は先頭、船鉾は最後尾と、位置づけも固定されている。
残る18基は、7月2日のくじ取り式で順番を決める。くじを引いて決まった順は、巡行当日に四条堺町で行われる「くじ改め」で改めて確認される仕組みだ。各山鉾町の代表がくじ札を掲げ、順番に相違がないかを確かめる神事で、今年は郭巨山を筆頭に占出山、山伏山と続く順があらかじめ決まっていた。
祇園祭は869年、疫病の流行を鎮めるため、当時の国の数にあたる66本の鉾を立てて祈願したことに始まるとされる。八坂神社の祭礼として受け継がれ、山鉾行事は国の重要無形民俗文化財に指定されている。2009年にユネスコ無形文化遺産に登録され、2016年には全国の類似行事とともに「山・鉾・屋台行事」として拡張登録された。
巡行に先立つ7月14日から16日の3日間は「宵山」と呼ばれ、駒形提灯に明かりがともる各山鉾町は浴衣姿の見物客で賑わう。15日・16日には四条通や烏丸通の一部が歩行者天国となり、屏風祭で町家の秘蔵の品々を公開する町も多く、巡行本番に向けて祭りの熱気が徐々に高まっていた。
今年の巡行では、くじ改めと山一番の行方、豪快な辻回し、記録的な暑さという3つが見どころとして際立った。
四条河原町、河原町御池…豪快な「辻回し」
巡行ルートは四条烏丸を出発し、四条通を東へ進んで四条河原町に至る。ここで大型の山鉾が90度方向転換する「辻回し」があり、午前9時45分ごろに見られた。その後河原町通を北上して河原町御池へ。午前10時30分ごろに2度目の辻回しをこなし、御池通を西へ進んだ。
新町御池には午前11時20分ごろ到着する見通しで、ここから新町通を南下し、四条通に戻って各山鉾町へ帰っていく流れとなる。方向転換の機構を持たない山鉾を、音頭取りの掛け声に合わせて青竹と水で滑らせながら回す辻回しは、巡行を代表する見せ場のひとつだ。
重いものでは10トンを超える大型の鉾は、車方と呼ばれる担当者が車輪の向きを調整しながら、曳き手の力だけで少しずつ方向を変えていく。青竹がきしむ音と観客の歓声が交錯する瞬間は、沿道が最も沸く場面のひとつになっている。
実測38度、記録的な暑さの巡行に12人搬送
今年の巡行は、記録的な暑さの中での開催となった。京都地方気象台は17日朝の時点で京都市の最高気温を37度と予想していたが、午前9時10分の時点ですでに32.1度を記録し、正午を待たずに35度を超えて猛暑日となった。その後も気温は上がり続け、午後2時38分には38.0度を観測。予想を上回る、今年最も暑い一日となった。暑さ指数(WBGT)は「危険、外出は控えて」の水準に達していた。
1881年以降の観測では、7月17日の京都市の最高気温は2018年の38.1度が最も高く、2023年の37.7度、1944年の37.5度と続く。今年観測された38.0度は、これらの記録と比べても歴代上位に入る暑さだった。
沿道で見物する観客にも、熱中症への注意が必要だった。日本気象協会が運営するtenki.jpの気象予報士は、水分は少し多めに用意して小まめに補給すること、汗で失われる塩分を塩分タブレットや塩あめで補うこと、ネッククーラーなど冷却グッズを併用することを対策として挙げている。長時間の炎天下での観覧になるだけに、無理のない範囲での見物が呼びかけられた格好だ。
実際、京都市消防局によると、山鉾巡行が行われた一帯で12人(暫定値)が熱中症の疑いで救急搬送された。中京区の新町通では、見物客の年配男性が倒れ、周囲が冷えた飲み物や氷を持ち寄って山鉾関係者が応急処置にあたる場面もあった。
後祭は24日、山鉾行事は7月いっぱい続く
祇園祭は7月1日から31日まで、1カ月にわたって神事が続く長い祭りだ。前祭の山鉾巡行を終えると、17日夜には神幸祭で3基の神輿が八坂神社を出発し、氏子地域を巡って四条河原町の御旅所に安置される。
後祭の山鉾巡行は7月24日、橋弁慶山を先頭に11基が巡行する予定だ。24日には神輿が御旅所から八坂神社へ戻る還幸祭も控えている。前祭・後祭合わせて34基それぞれの懸装品や御神体人形は個性豊かで、同じものはひとつとしてなく、「動く美術館」とも呼ばれる。
祭りの締めくくりとなるのは、31日に八坂神社境内の疫神社で行われる「夏越祭」だ。参道に設けられた茅の輪をくぐり、夏の疫病払いを祈願する神事で、これをもって1カ月にわたる祇園祭の全日程が終わる。1000年余り受け継がれてきた祭りは、今年も記録的な暑さの中、夏の京都を彩った。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]































































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