ニチレイ、冷蔵倉庫の入出庫と冷凍食品出荷を17日から順次再開 サイバー攻撃からの復旧はいつか

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食品大手ニチレイのグループで発生していたシステム障害は、サーバーへのサイバー攻撃が原因だったことが分かった。障害は7月13日朝に検知され、冷蔵倉庫の入出庫と冷凍食品の出荷が止まっていた。同社は17日、受注を一部制限したうえで両業務を順次再開したと発表し、来週中の全拠点での通常稼働を目指すとしている。
サーバーに不正アクセス、17日から業務再開
ニチレイは冷凍食品と低温物流を手がける食品グループで、家庭向けの冷凍食品から外食チェーン・スーパー向けの物流までを幅広く担う。7月13日午前6時50分ごろ、社内のシステム部門からの報告でシステム障害を確認した。原因を調べたところ、同社のサーバーが第三者からの不正アクセス、いわゆるサイバー攻撃を受けていたことが分かった。
影響を受けたのは、物流子会社ニチレイロジグループ各社が担う冷蔵倉庫の入出庫業務と、ニチレイフーズの冷凍食品出荷業務の2つだ。日本経済新聞によると、国内約140拠点の冷蔵倉庫と15カ所の食品工場を抱える、国内最大規模の低温物流網が事実上ストップした。影響は国内に限られている。
同社は17日、影響を受けていた業務を順次再開したと発表した。ただし全面復旧ではない。顧客や取引先からの受発注を一部制限したうえで、倉庫と工場を部分的に稼働させている段階だ。冷蔵倉庫は全拠点で入出庫を順次再開しており、来週中をめどに全拠点での通常稼働に向けた準備を進めているという。
公表は3段階、個人情報漏洩の調査は継続中
ニチレイの情報公開は、事態の進展に合わせて3段階に分かれた。
13日の第1報では「不正アクセスによるシステム障害」とだけ説明し、原因の断定を避けていた。個人情報や顧客データについて「社外へ流出した事実は確認されていない」とし、復旧時期も「改めてお知らせします」にとどめている。発生当日のうちに緊急対策本部を設置し、顧客情報の保護を優先してシステムを遮断したという。
2日後の15日、第2報でサイバー攻撃を受けていたことを正式に確認した。被害を受けたサーバーの一部には個人情報が保管されており、外部への流出の可能性がある事案として個人情報保護委員会にも報告している。あわせて、17日からの業務再開という具体的な見通しも示した。第1報にはなかった復旧の日付が、ここで初めて明示される。
そして17日、第3報で実際の業務再開を発表した。攻撃の具体的な手口や侵入経路は、被害拡大を防ぐためとして公表していない。身代金要求型の「ランサムウェア」の可能性を指摘する専門家もいれば、判断はまだ早いとみる専門家もおり、見方は割れている。ニチレイ自身は原因を断定せず、詳細は引き続き調査中としている。個人情報の流出についても、現時点で流出の事実は確認されていないという。
KFCやイオンにも波及「入荷ストップ」の声
ニチレイロジグループは年間およそ5000社に低温物流サービスを提供しており、売上の92%はニチレイグループ以外の取引先が占める。食品業界を下支えする裏方のインフラであり、その停止は取引先に連鎖的な影響を及ぼした。
日本ケンタッキー・フライド・チキンは、食材配送を委託するニチレイロジグループの障害を受け、一部店舗で商品の品切れやメニューの一部提供制限、営業時間の短縮が生じる可能性があると公表した。くら寿司でも寿司ネタなど一部食材の配送に遅れや未着が発生し、イオンの店舗でも一部商品が欠品した。
影響は外食・小売にとどまらない。東京新聞によると、仙台市では小中学校4校の給食約680食分でプリンやゼリーを他社製品に振り替える対応が取られ、秋田市でも40校で献立の一部を差し替えたという。学校給食という公共性の高い現場にまで、影響は及んでいた。
埼玉県上尾市のスーパーでは、売り場に商品は並んでいるものの、卸業者から「入荷がストップされている」との連絡を受けたという。店長はテレビ朝日系(ANN)の取材に「他メーカーで対応することが顧客に最も迷惑がかからない形」と語った。冷凍食品を週2回購入するという女性客も「食事は毎日のことだから便利に使わせてもらっている。なくてはならない感じ」と話し、身近な存在としての影響の大きさをうかがわせた。
来週中の全面復旧目指す、浮き彫りの物流リスク
日本経済新聞によると、取引先ごとに復旧のペースには差が出ている。ハイデイ日高が運営する「日高屋」は19日には唐揚げなどの食材を店舗に納品できる見込みだとし、森永乳業もアイスクリームなどの供給が20日ごろに通常へ戻る見通しを示した。
一方、コンビニエンスストア各社は約1カ月分の在庫を確保しているため影響は限定的とみられる。だが1週間程度の在庫しか持たないスーパーもあり、冷凍食品やアイスなどで欠品が続く可能性も指摘されている。
冷凍・冷蔵の状態を保ったまま食品を運ぶ物流網は「コールドチェーン」と呼ばれ、家庭の冷凍庫や外食チェーンの厨房を陰で支える基盤インフラだ。ふだん意識されることは少ないが、その一角がサイバー攻撃で止まっただけで、レジ横の在庫や店頭の品ぞろえにまで影響が及ぶことを、今回の一件は突きつけた。
今回のトラブルは、一つの物流企業への依存度が高まるほど、その企業を狙ったサイバー攻撃が食卓にまで波及しかねないという構図を改めて示した。ニチレイは来週中の全拠点での通常稼働を目標に掲げているが、原因調査と個人情報漏洩の有無の確認は、なお続いている。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]































































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