AWS障害、CloudFrontの『VPC Origins』利用顧客で5xxエラー PayPayやニコニコ生放送への影響と復旧を整理

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米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のコンテンツ配信サービス「Amazon CloudFront」で7月16日夕方、5xxエラーが相次ぐ障害が発生した。影響が及んだのは、非公開のシステムに直接つなぐ機能「VPC Origins」を使う利用者。国内ではキャッシュレス決済「PayPay」や「ニコニコ生放送」が一時つながりにくくなった。AWSは同日夜までに復旧したと発表している。
CloudFrontで5xxエラー急増、VPC Originsに影響
AWSは7月16日、CDN(コンテンツ配信網)サービス「Amazon CloudFront」で5xxエラーが増加していると発表した。米太平洋夏時間で16日午前0時45分から午前4時18分、日本時間では同日16時45分ごろから20時18分ごろにかけて、CloudFrontの「VPC Origins」接続を使う顧客向けにエラーが増えていたという。
AWSの説明によると、原因はプライベートなVPCオリジンへの接続を管理するシステムにあった。ルーティング設定をネットワーク処理装置に配信する仕組みが更新後の設定データを正しく読み込めなくなり、CloudFrontのエッジ拠点から顧客のVPC内リソースへ向かうリクエストの振り分けに支障が出たと説明している。海外メディアの報道では、ドイツ・フランクフルトに置かれたeu-central-1リージョンのアベイラビリティーゾーン「euc1-az2」が起点になったとの見方もある。通常のS3など、VPC Originsを使わない接続形態への影響はなかった。
VPC Originsとは何か、なぜ影響が広がったのか
VPC Originsは、AWSが2024年11月に発表した比較的新しい機能だ。従来、CloudFrontから配信するアプリケーションサーバーやロードバランサーは、インターネット上に公開しておく必要があった。VPC Originsを使うと、非公開のサブネット内に置いたApplication Load Balancer(ALB)やNetwork Load Balancer(NLB)、EC2インスタンスを、公開しないままCloudFrontの配信元として指定できる。セキュリティを高めつつ運用の手間を減らせる仕組みとして、採用する企業が増えていた。
その分、VPC Origins向けの接続をまとめて管理する仕組みに不具合が起きると、この機能を使う顧客に横断的に影響が及びやすい。CloudFrontは世界中にエッジ拠点を持つグローバルサービスで、特定リージョンの制御システムに生じた不具合が、地域を問わず利用者に及んだ。
PayPay、ニコニコ生放送で相次いだ不具合
国内で影響が最初に表面化したのは、キャッシュレス決済のPayPayだった。PayPayは公式サイトで、7月16日16時55分ごろから一部の支払いができない状態になり、18時30分ごろに解消したと明らかにした。サービスサイトの一部表示は19時35分ごろまで、アプリの一部機能は20時15分ごろまで不安定な状態が続いたという。同社は「PayPayが利用しているAWS(Amazon Web Services)の障害による事象」と説明し、利用者に謝罪した。
「ニコニコ生放送」を運営するドワンゴも、同日17時ごろからウェブ版とiOS・Android向けアプリでニコニコ生放送に接続できない状態を確認したと発表した。ログインやログアウト、新規会員登録・退会もできなくなっていたという。不具合は20時30分ごろまで続いた。20時35分の追記では、発生していた不具合はすべて復旧したと報告している。
このほか、ブログサービスの「はてなブログ」や、コンテンツ配信の「note」でも同じ時間帯につながりにくい状態が報告されたと、ITmedia NEWSなどが伝えている。海外でも、AI関連サービスのHugging Faceや英国の宝くじ「ナショナル・ロッタリー」など、複数のサービスで接続障害が確認された。
SNSでは「PayPay障害」がトレンド入り
X(旧Twitter)では「PayPay障害」がトレンド入りし、「アクセスできない」「オフラインの表示が出る」といった投稿が相次いだ。フードデリバリーの「出前館」や電子チケットサービスの「チケットボード」も、公式SNSで一時的にPayPay以外の支払い方法を案内するなど、影響は決済を扱う周辺サービスにまで広がっている。
復旧後も残る、クラウド依存というリスク
AWSは今回の障害について、影響を避ける当面の対処法として、VPC Originsが必須でない場合はほかの接続方式に切り替えるよう案内していた。修正の適用後は、一時的に接続方式を変更した顧客がVPC Originsへ戻しても問題ないとしている。
なお、同じ時間帯には行政サービス「マイナポータル」でもログインしづらい状態が報告された。ただし運営するデジタル庁は、使用しているクラウドサービスの名称を公式には明らかにしていない。AWS側からも、マイナポータルへの影響を名指しした公式発表は確認できなかった。
決済からエンタメ、行政サービスまで、幅広い分野が同じインフラの上で動いている実態が、今回の障害であらためて浮き彫りになった。特定のクラウド事業者への依存度が高まるほど、一つの不具合が広範囲に波及するリスクも大きくなる。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]
































































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