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中井亜美、東京選手権SPで81.29点の首位 「まさか81点を出せるとは思っていなかった」

中井亜美、東京選手権SPで81.29点の首位 「まさか81点を出せるとは思っていなかった」

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

フィギュアスケートの東京選手権は2日に開幕し、女子ショートプログラム(SP)でミラノ・コルティナ五輪銅メダルの中井亜美(18)=TOKIOインカラミ=が81.29点で首位に立った。ISU非公認の大会ながら、9月の木下グループ杯SPの80.27点を上回った。2位は千葉百音、3位は青木祐奈。

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午前9時前、冒頭の3回転半から全ジャンプを着氷

東京選手権は2日から4日まで、東京・田中貴金属アイスアリーナで開かれている。2日は女子SPがあり、中井が午前8時56分に滑り出した。THE ANSWERによると、その1分後の8時57分には冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めている。

続く3回転ルッツ―3回転トーループの連続ジャンプ、最後の3回転ループも着氷し、ノーミスで終えた。演技後は小さくガッツポーズを握る。得点を待つキス・アンド・クライでは「ちょっと緊張した」と振り返り、スコアを見ると両手で口元を覆って驚きの表情を浮かべた。

点数は81.29点だった。ISU(国際スケート連盟)非公認の大会だが、9月の木下グループ杯SPで出した80.27点を超え、2戦連続で80点台に乗せた。

70点台後半を見込んでいた本人も驚いた81点

本人にとっても想定外の数字だったようだ。読売新聞オンラインによると、中井はこう語っている。

「国内の試合だったので、どのくらい点数が出るか、つかめていなかった。まさか81点を出せるとは思っていなかったので、すごくうれしい」

日刊スポーツによると、70点台後半が出れば良いほうだと考えていたという。毎日新聞によると、「正直、自分自身でもかなりびっくりしている」と目を丸くしたという。

手応えの裏づけにしたのは、木下グループ杯後の練習だった。スポーツ報知は、中井が「木下杯からかなり練習を積んできていた。自信があったので、成果がしっかりと出てよかった」と話したと伝えている。日テレNEWS NNNによると、フリーの曲をかけたあとにSPを滑る負荷の高い練習を積んできたことが、今回の演技につながったと説明している。

息抜きは名古屋アジア大会のテレビ観戦だった。日本が金メダルを獲得した陸上男子1600メートルリレーでは、家のソファで飛び跳ねながら応援したという。スポニチアネックスによると、同世代の10代が活躍する姿に「自分自身が次の日の練習も頑張ろうって思える」と刺激を受けている。

五輪後の揺れを越え、「一からのスタート」へ

昨季は、シニアデビューのシーズンに五輪で銅メダルを手にした。一方で、3月の世界選手権は9位に終わっている。

スポーツ報知によると、五輪後は燃え尽きもあり、中井は「シーズンが終わってからは、気持ちの整理がつかないまま練習していた」と明かした。メダリストとして注目を集めたことは、プレッシャーにもなっていた。

「評価していただけることは嬉しいけど、それが多少、プレッシャーになったりする部分もあった」

流れが変わったのは、7月から8月にかけて約2週間、カナダで行ったキャンプだった。「しっかりとスケートに向き合う時間や、スケート漬けの日々を過ごしたのが一番大きなきっかけ」と振り返る。師事する中庭健介コーチとも話し合い、気持ちの整理がついたという。

「今は、去年のことを忘れるくらいスッキリした感情でいる。一からのスタートという気持ちで迎えられていると思う」

2位千葉百音、3位青木祐奈も77点台

上位の層の厚さも目を引いた。千葉百音(21)=木下グループ=が77.31点で2位に入り、青木祐奈(24)=日本建物管財=が77.11点で3位につけた。

千葉は7月に右足首を捻挫し、約1カ月は氷上練習を避けた。8月のサマーカップと9月の木下グループ杯は欠場しており、今大会が今季初戦となる。今季のSPは映画「007」で、黒の衣装でボンドガールを演じた。冒頭の3回転フリップ―3回転トーループを含め、ジャンプは全て着氷している。

「いい緊張感で、そのまま練習の力を出すという感覚がまずショートでできたので、すごい良かった」

氷から離れた期間の気づきも、報道陣を笑わせた。読売新聞によると、千葉は「私は動き続けないと、だめなタイプの体と気づいた。マグロみたいだとわかりました」と話している。

青木は、9月の木下グループ杯で失敗した冒頭のルッツ―ループの連続3回転を決めて勢いに乗った。ダブルアクセル、3回転フリップも成功し、観客からは手拍子が起きた。ISU公認の自己ベスト71.41点を大きく上回る77.11点で、昨季の四大陸選手権を制した24歳が存在感を示している。

4位は住吉りをん(23)=オリエンタルバイオ=の70.42点、5位は河辺愛菜=オリエンタルバイオ・中京大=の67.41点、6位は渡辺倫果=三和建装・法大=の63.33点だった。

「ブロック大会で出してええ点数ではない」

東京選手権は、12月の全日本選手権に向けた予選となるブロック大会だ。その大会で上位3人が77点を超えたことに、Xのファンも反応した。THE ANSWERは、次のような投稿を紹介している。

「ブロック大会で出してええ点数ではない」

「何?東京ブロック、世界選手権やってんの?」

THE ANSWERは、5位の河辺愛菜が2022年北京五輪代表だったことも伝えている。

フランス大会へ、3日のフリーが最後の調整

中井は10月のGPシリーズ第1戦、フランス大会(23〜25日、アンジェ)から今季のGPに入る。昨季はGP初出場でこの大会を制しており、共同通信によると、9月18日の練習公開で「結果にこだわり過ぎないようにしたいが、少し意識してしまうかな」と笑っていた。

日刊スポーツによると、9月25日には2030年フランス・アルプス大会に向けて「銅メダル以上を取りたい思いが一番ある」と明かした。2日の演技後も、毎日新聞によると次のように話している。

「五輪で感じたうれしい気持ちをもう一度経験したい思いもあるし、もっと成長した姿で五輪に戻りたい」

フリーは3日に行われる。日テレNEWS NNNによると、中井は「国内の試合でも緊張に負けないように、自分自身いつも通りできることを信じてやれればいいなと思います」と意気込んだ。SP終了時点で首位に立つ中井は、そのままフリーに臨む。

なお、千葉のGPシリーズ初戦は第3戦の中国杯(11月6日初日)で、スポーツ報知が伝えている。

[文/構成 by スポーツライター 南條楓]

寄稿者

南條楓
学生時代に陸上の中距離を続けていたこともあり、記録で勝負が決まる競技に惹かれてスポーツを書くWebライターに。執筆歴は8年。陸上や水泳、体操、フィギュアスケートなど、記録と採点が結果を左右する競技を中心に、国際大会の速報から選手の歩みをたどる記事まで担当してきた。タイムや得点の意味、予選から決勝までの流れを、初めて観る人にも伝わる言葉で書くことを大切にしている。

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