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坂本怜、上海マスターズ初戦突破で2回戦はルブレフ戦 世界137位がストレート勝ち

坂本怜、上海マスターズ初戦突破で2回戦はルブレフ戦 世界137位がストレート勝ち

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

男子テニスの坂本怜(20)=IMG=が10月7日、ロレックス上海マスターズ(ATP1000)1回戦で世界90位のマルコ・トルンゲリティ(アルゼンチン)を6-3、7-5で破った。予選から勝ち上がった世界137位が、この大会で本戦初勝利。2回戦は第23シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)と初めて対戦する。

世界90位に1時間28分のストレート勝ち

試合はショーコート3で行われ、坂本が1時間28分で勝負を決めた。第1セットは第5ゲームで先にブレークし、第9ゲームではリターンエースで2度目のブレークを奪ってセットを先取する。

第2セットは簡単に進まなかった。第7ゲームでこの日初めてサービスゲームを落とし、相手のキープを挟んで3-5とリードされる。それでも相手がセットを取りにきた第10ゲームでブレークバックに成功すると、第11ゲームをキープし、第12ゲームも破った。3-5から4ゲームを続けて取り、試合を締めている。

数字を見ると、勝因はサーブにあった。大会公式のスタッツで坂本はエース9本、ダブルフォルト2本。ファーストサーブの確率は71%で、入ったときは75%のポイントを取っている。相手に握られたブレークポイントは試合を通じて1本だけ。一方、36歳のトルンゲリティにはブレークのチャンスを11度つくり、そのうち4度を取り切っている。

奪ったポイントの合計は73対57。ストレートのスコア以上に、内容でも上回った試合だった。

この勝利で、20歳以下の年間上位選手が集まるNext Gen ATPファイナルズ(12月、イタリア・レッジョカラブリア)の出場権レースでも2つ順位を上げ、5位に浮上している。

予選決勝はマッチポイント3本をしのいで本戦へ

本戦にたどり着くまでが、すでに苦しい道のりだった。予選第21シードで出場した坂本は、予選1回戦でホン・ソンチャン(韓国)を6-3、7-5で退ける。

10月6日の予選決勝では、予選第3シードで世界76位のキリアン・ジャケ(フランス)と2時間46分の熱戦になった。7-6、4-6で迎えた最終セットはタイブレークまでもつれ、相手のマッチポイントを3度しのいだうえで10-8で取り切っている。ジャケは直前のジャパンオープンで8強に入った選手で、勢いのある相手を振り切っての本戦入りとなった。

上海は2年連続2度目の出場になる。2025年も予選2試合を勝ち抜いて本戦に入ったが、1回戦でマッテオ・アルナルディ(イタリア)に6-7、4-6で敗れ、白星をつかめなかった。マスターズ1000で初戦を突破したのは、2026年3月のマイアミ・オープン以来2度目だ。マイアミではアレクサンダー・コバチェビッチ(米国)を下したあと、2回戦で当時第9シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)に逆転負けしていた。

大会公式サイトの記録では、坂本のツアー本戦での勝利はこれで通算3勝目となった。

全豪ジュニア王者、全米で錦織を破って1か月余り

坂本は2006年6月24日生まれ、愛知県名古屋市出身の右利きで、193cmの長身から打ち下ろすサーブが持ち味だ。2022年から米フロリダ州のIMGアカデミーを拠点に練習を重ね、2024年1月の全豪オープン・ジュニア男子シングルスで優勝。同年9月にプロ転向を宣言した。

2026年の流れは速い。8月の全米オープンでは予選3回戦で錦織圭を6-4、7-6で破って本戦入りし、1回戦で世界96位のアレクサンダー・ブキッチ(オーストラリア)に6-4、6-7、6-4、3-6、6-4のフルセットで勝って四大大会初勝利を挙げた。2回戦は第11シードのフランシス・ティアフォー(米国)にストレートで敗れたものの、当時157位だったランキングは1か月余りで137位まで上がっている。

その全米から約1か月後、ワイルドカードで出場した9月30日のジャパンオープン(ATP500)1回戦は、悔しい結果だった。世界37位のアルナルディに対して第1セットを6-2で先取しながら、4-6、4-6と逆転負けを喫した。第1セットは2度のブレークで主導権を握ったが、第2セットの4-5から初めてブレークを許し、流れを渡した。

関連記事:坂本怜、錦織圭の引退を前に次の顔への思い語る ジャパンオープン1回戦は世界37位アルナルディ

試合後の坂本は、敗因を自分の内面に求めた。「明らかに、メンタルで僕が弱気になっちゃったというのが、スコア的にも自分のフィーリング的にも、一番の理由」と語り、「僕の場合、プレッシャーがかかると焦っちゃって、早くポイント終わらせようとしすぎちゃう節がある」と自己分析している。

その1週間後、上海の第2セットではブレークを許して3-5と追い込まれながら、そこから4ゲームを続けて取った。東京で口にした課題に、結果で一つ答えを出した格好だ。

2回戦の相手ルブレフは通算18勝の元世界5位

2回戦で待つルブレフは28歳。シード選手は1回戦が免除されるため、ルブレフにとってはこの試合が大会初戦になる。大会公式サイトの対戦成績は0勝0敗で、2人は初顔合わせだ。

ツアー通算18勝を誇り、マスターズ1000は2023年のモンテカルロと2024年のマドリードで2度制している。シングルスの自己最高は2021年9月の5位で、年間上位8人によるATPファイナルズには5度出場権を得ている。4大大会はいずれもベスト8が最高成績となっている。

今季のツアー優勝は1回にとどまり、大会公式の記録で勝敗は33勝19敗。ランキングは現在23位にとどまる。それでも9月下旬の杭州オープン(ATP250)では準優勝しており、ATPファイナルズ出場を争うレースでは9月30日時点で20位につけていた。シーズン終盤の巻き返しを狙う時期の一戦になる。

坂本にとっての鍵は、やはりサーブだ。強烈なフォアハンドで主導権を握りにくるルブレフに対し、1回戦のようにファーストサーブを高い確率で入れ、ラリーの前にポイントを奪えるかどうか。ジャパンオープンで課題に挙げたメンタル面が、トップ選手との接戦で試される。

大会公式サイトの日程は10月8日の時点で1回戦の分までしか出ておらず、2回戦の日時はまだ発表されていない。

1年前は予選上がりの西岡良仁がルブレフを破った

同じ上海、同じ2回戦の舞台で、日本勢には前例がある。2025年大会では、予選を勝ち上がった西岡良仁が第13シードのルブレフを2-6、6-1、6-4の逆転で下した。ルブレフはこの年、中国で杭州、北京、上海の3大会に出て、シングルスはいずれも初戦で敗れている。

2026年の上海は、日本勢にとって厳しい大会になった。予選ではダニエル太郎、望月慎太郎、西岡、野口莉央が敗退し、ワイルドカードで本戦に出た島袋将も1回戦でミオミル・ケツマノビッチ(セルビア)に2-6、4-6で敗れた。本戦に勝ち残った日本人選手は坂本ただ1人だ。

全豪ジュニアの頂点から2年9か月。予選2試合と本戦1試合を勝ち抜いた20歳が、ツアー18勝の元世界5位に挑む。

[文/構成 by スポーツライター TAKU]

寄稿者

TAKU
ボールを使う競技なら何でも観ます、TAKUです。学生時代はずっとバスケ部、いまは週末にフットサル。スポーツを中心に書くWebライターになって5年です。Bリーグ、バレーボール、ラグビー、テニスを中心に、野球やサッカーも書きます。試合の流れが変わった瞬間を、スコアと一緒に伝えるのが得意です。

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