錦織圭、ジャパンOP最終日に日本テニス協会の特別栄誉賞を受賞 「休ませてください。必ず戻ってきて何かはします」と語った現在と今後

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
男子テニスの元世界ランキング4位、錦織圭(36)=ユニクロ=が10月6日、木下グループ・ジャパン・オープン最終日の東京・有明コロシアムで引退セレモニーに臨み、日本テニス協会から特別栄誉賞を贈られた。スピーチでは「まずはちょっと休ませてください」と笑わせ、「必ず戻ってきて何かはします」とファンに約束した。10月11日にはフェデラーらを招いたイベント、12月6日にはドリームテニスARIAKEへの出演が控えている。
最終日の有明で特別栄誉賞、協会の深澤会長から
セレモニーは大会最終日の10月6日、有明コロシアムで行われた。大会の公式スケジュールでは16時30分からの予定で、18時からのシングルス決勝の前に組まれていた。
錦織にとって、5日前に敗れたコートへの再登場。現役最後の試合は10月1日の1回戦で、世界ランク8位で第2シードのフランシス・ティアフォー(米国)に4-6、4-6で敗れ、19年のプロ生活を終えていた。
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平日にもかかわらず、客席はほぼ満員に埋まった。黒いスーツ姿で現れた錦織は「4、5日前に負けて、結構おなかいっぱいだった」と冗談めかし、再び観客の前に立てる喜びを口にする。
現役時代のハイライト映像が流れた後、日本テニス協会の深澤祐二会長から特別栄誉賞が手渡された。深澤会長はJR東日本の会長で、2025年4月から協会のトップを務めている。2014年全米オープンで日本選手として初めて四大大会シングルスの決勝に進み、2016年リオデジャネイロ五輪では日本勢に96年ぶりのテニスのメダルをもたらした。協会がたたえたのは、そうした長年の功績だった。
チャン氏と盛田氏がスピーチ、ナダルらは映像で
会場には家族のほか、ダンテ・ボティーニ元コーチや松岡修造氏ら、錦織のキャリアを支えた人たちが招かれた。そのうち、ゆかりの深い2人がスピーチに立った。
1人は2013年末から長くコーチを務めたマイケル・チャン氏(米国)。スピーチでは「成功に必要なハードワークから決して逃げ出さず、困難にも屈しなかった」と教え子をねぎらい、最後に「日本語を一言も教えてくれなかった」とこぼして会場を笑わせた。
もう1人が、日本テニス協会の元会長で名誉顧問の盛田正明氏だ。錦織は13歳で米フロリダ州の名門アカデミーへ渡ったが、その背中を押したのが盛田氏だった。盛田氏は12、3歳で親元を離れさせたことを「ひどいことをしたかな」と思ったこともあったと明かし、「彼の人生はこれから」とエールを送った。
ライバルからも言葉が届いた。ノバク・ジョコビッチ、ラファエル・ナダル、アンディ・マレーら同じ時代を戦った選手たちがビデオでメッセージを寄せ、錦織は「めちゃくちゃうれしい。もうちょっとのところで泣きそうでした」と受け止めた。1日の試合後は何度も涙を見せたが、この日は終始笑顔だった。
映像を見終えた錦織は「ケガが多いテニス人生だった」と認めつつ、記憶に残っているのは楽しい場面や優勝の瞬間だと語る。2012年と2014年に制したジャパン・オープンの優勝は、今も鮮明に覚えているという。
「休ませてください」、家族への感謝と描く未来
スピーチの中心は家族への感謝だった。
自分の趣味を捨てて公園でテニスの相手をしてくれた父、その父に叱られたときに陰で支えてくれた母。そして姉については、受験勉強中に隣の部屋から壁をたたいて邪魔をした思い出を打ち明け、「最初のライバル」として引っ張ってくれた時間がキャリアに欠かせなかったと話した。締めの「あの時はすみませんでした」で、場内は笑いに包まれた。
悔いもある。「結果ももうちょっと出したかった」と認め、四大大会やパラリンピックで頂点に立ち続けた車いすテニスの国枝慎吾を引き合いに、そこまでは届かなかったと率直に語った。それでも「すごく楽しいテニス人生を送れた」と言い切り、5歳から続けてきた競技人生に区切りをつけた。
では、これから何をするのか。
錦織の答えは、まず休むことだった。「まずはちょっと休ませてください」と笑いを誘ったうえで、「必ず戻ってきて何かはします」と続ける。その先に描くのは、日本とアジアのテニスがもっと強くなる未来で、そのために自分も手助けしたいと話した。具体的な役職や時期については、この日は触れていない。
セレモニーの最後には、妻の山内舞さんや両親、チャン氏らと記念撮影に収まった。場内を一周すると、客席からは「ありがとう」の歓声が飛んだ。
10月11日はフェデラーと、12月6日はドリームテニス
「休ませて」と言いながら、有明に戻る予定はすでに2つある。
1つ目は10月11日のエキシビションイベント「UNIQLO LifeWear Day Tokyo 2026 with Kei Nishikori」だ。所属先のユニクロが錦織の功績をたたえて開くもので、会場は同じ有明コロシアム。スペシャルゲストにはロジャー・フェデラー、国枝慎吾、車いすテニスのゴードン・リードが名を連ねる。観覧は事前応募の抽選制で、募集はすでに締め切られた。当日の様子はWOWOWとユニクロの公式Instagramで配信される予定だ。
2つ目が12月6日の「U-NEXT presents ドリームテニスARIAKE」で、13時から有明コロシアムで行われる。錦織が10月4日に自身のXで「2年ぶりに」開催すると報告したもので、2024年以来10度目。東日本大震災の復興チャリティとして錦織の呼びかけで始まった催しだ。出演は錦織、望月慎太郎、ダニエル太郎、松岡修造、上地結衣、小田凱人、国枝慎吾の7人で、チケットは10月10日12時からイープラスで抽選先行が始まる。
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現役を退いた錦織が日本のファンの前でラケットを握る機会は、年内にまだ残っている。
この日の夜、同じ有明コロシアムではシングルス決勝が行われ、第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン)がイジー・レヘチカ(チェコ)を7-6、6-4で下して大会2連覇を飾った。現役最後の大会が幕を閉じ、錦織は次の「何か」へ向かう。
[文/構成 by スポーツライター TAKU]








































































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