伊藤千飛、次戦は12月6日大阪で辻永遠とのWBOアジアパシフィック王座V2戦 初の日本選手との対戦と中山慧大の初防衛戦

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WBOアジアパシフィック・バンタム級王者の伊藤千飛(21)=真正=の次戦が、12月6日に大阪市住吉区の住吉スポーツセンターで行われる興行に決まった。相手は日本バンタム級2位の辻永遠(26)=KWORLD3=で、2度目の防衛戦となる。伊藤にとってはプロで初めて日本選手と拳を交える一戦。同じリングでは、OPBF東洋太平洋バンタム級王者の中山慧大(24)=六島=も初防衛戦に臨む。
伊藤と辻の一戦は日本王座の最強挑戦者決定戦も兼ねる
主催の六島ジムが10月6日、大阪市内のジムで記者会見を開き、12月6日の「コスメフェリーチェ&エムラビ presents You will be the Champion 34」の対戦カードを発表した。伊藤と辻の試合はWBOアジアパシフィック・バンタム級タイトルマッチ10回戦で、日本バンタム級の最強挑戦者決定戦を兼ねる。
最強挑戦者決定戦は、日本プロボクシング協会が毎年行う恒例の企画だ。各階級の上位ランカー同士が戦い、勝者は翌春のチャンピオンカーニバルへの出場権、つまり日本王座への挑戦権を手にする。協会は7月29日に発表した組み合わせで、バンタム級を伊藤と辻に決めていた。日程と会場が固まり、ベルトを懸けた一戦として組まれたのが今回の発表になる。
日本バンタム級王座は、10月3日に後楽園ホールで行われたタイトルマッチで、元王者の富施郁哉(ワタナベ)が王者の栗原慶太(KODLAB)に3-0の判定で勝ち、2年3カ月ぶりに奪い返した。伊藤と辻の勝者は、来春、この王座の持ち主に挑むことになる。
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「初の日本人選手との対決で、最強挑戦者決定戦ができることがうれしいです!」
伊藤は会見でこう喜びを口にした。しっかり勝って、世界で戦える選手だと示したいとも続け、「バッチリ仕上げて必ず良いパフォーマンスを見せるので、期待してほしいです!」と言葉に力を込める。
興行は午後3時に始まる予定だ。伊藤の試合を含めてタイトルマッチが4試合組まれ、WBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級王者ガブリエル・サンティシマ(22)=フィリピン=に山﨑海斗(28)=六島=が挑む一戦と、日本フェザー級王者の岡本恭佑(22)=HKスポーツ=が同級15位のそれいけ太一(34)=KG大和=を迎える2度目の防衛戦も並ぶ。前OPBF・WBOアジアパシフィック・ミドル級王者の国本陸(29)=六島=の再起戦、OPBFフライ級の指名挑戦者決定戦もある。チケットの価格は2階自由席の4400円からVIP席の4万4000円までで、2階自由席はチケットぴあだけで販売する。住吉区に住む中学生以下は2階自由席が無料になる。10月7日時点で、中継や配信の予定は告知されていない。
海外勢を次々に退け、プロ6戦目でアジアのベルト
伊藤は兵庫県出身。キックボクサーだった父の手ほどきで格闘技を始め、のちにボクシングへ転じた。大阪の興國高校では高校選抜大会でライトフライ級とフライ級を制し、アマチュアでは21戦20勝1敗の成績を残している。高校を卒業した2024年の4月20日にプロデビューし、真正ジムの山下正人会長の指導を受けながら、上京して世界王者の堤聖也らとスパーリングを重ねてきた。
プロでの歩みは、海外選手との連戦だった。2024年4月20日のデビュー戦では、タイのヨーティン・トンカンを1回55秒TKOで退けた。2024年9月21日の2戦目では中国のラン・コウコウを最終8回にストップし、2025年1月18日の後楽園ホールではフィリピンのアルビン・カミケに大差の判定勝ち。初めて8回をフルに戦った。5月6日に神戸市立中央体育館で初めてメインを任されると、韓国のジムに所属するフィリピン人選手ラネリオ・クイーゾを右ストレートで4回KOに仕留める。10月25日にはフィリピンのリカルド・スエノを2回TKOで下し、デビューから5連勝とした。
転機は2026年4月19日だった。坪井智也(帝拳)の返上で空位になったWBOアジアパシフィック・バンタム級王座の決定戦が大阪府門真市の東和薬品RACTABドームで組まれ、伊藤はプロ6戦目でフィリピンのサウスポー、エイドリアン・レラサンと対戦する。右ストレートでダウンを奪うと、すぐにコーナーへ追い込み、左ボディーで1回2分40秒のKO。20歳でベルトを巻いた。
9月5日の初防衛戦は後楽園ホールのメインで、無敗のフィリピン選手ビィラロサを迎えた。3回、相手が大きく振ってきたところへ右のカウンターを合わせ、50秒でTKO勝ち。戦績を7戦7勝(6KO)に伸ばした。世界ランキングはWBO8位、IBF13位、WBC31位に入る。
ここまでの相手は、デビュー戦のタイ選手に始まり、中国とフィリピンの選手が続いた。辻は、伊藤が自ら「初の日本人選手」と呼ぶ相手になる。
辻永遠は引き分けを挟んで9連勝中
辻は大阪府堺市出身の26歳。勝輝ジム、MRジムを経て、現在はKWORLD3ジムに所属する。戦績は14戦12勝(7KO)1敗1分で、引き分けを挟んで9連勝中だ。日本バンタム級2位のほか、WBOアジアパシフィックで9位、OPBFで4位にランクされている。
もともとはフェザー級で戦い、日本ユース・フェザー級のタイトルを手にした時期もある。2024年4月の試合後にユース王座を返上してバンタム級へ移る方針を示し、そこから階級を下げて白星を重ねた。
伊藤との縁は意外なところにある。2024年9月21日、伊藤がプロ2戦目を戦った同じ興行で、辻は54.5キロ契約の8回戦に出場し、真正ジムの与那覇勇気に3-0の判定で勝った。伊藤と同じジムの選手を下してから2年余り、今度は伊藤本人とベルトを懸けて向き合う。
国内上位との対戦経験も豊富だ。2025年3月30日には、のちに日本バンタム級王者となる梅津奨利(三谷大和スポーツ)と8回を戦い、1-0の引き分け。同年12月27日の日本-キルギス対抗戦では、キルギスのムルザバエフをアウトボックスして3-0の判定勝ちを収めた。緩急をつけたコンビネーションと回転の速い連打が持ち味だ。12月6日の試合は辻にとってプロ15戦目、伊藤は8戦目で、キャリアの数では辻が上回る。
中山慧大は5戦5KOの無敗で初防衛へ
メインイベントには中山が登場する。佐賀県出身で、東福岡高校から東洋大学に進み、2023年度の全日本選手権フェザー級で優勝した。アマチュアでは53戦40勝13敗。2025年4月13日にプロデビューし、ここまで5戦5勝(5KO)と、すべてKOで勝ってきた。
2025年12月14日のプロ3戦目では、初めてのメインで日本スーパーフライ級11位の神崎靖浩(倉敷守安)を最終8回に倒した。2026年4月12日には、かつて那須川天心(帝拳)と判定まで戦ったフィリピンのジャーウィン・アシロを、ボディー攻めで弱らせて5回KO。8月19日には後楽園ホールでOPBF東洋太平洋バンタム級王座決定戦に臨み、アマチュア時代から因縁のあった岡聖(大橋)を5回1分58秒TKOで退けてベルトを巻いた。
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初防衛戦の相手は、OPBFシルバー王者でOPBF同級5位のチャン・インス(26)=韓国=。戦績は19戦11勝(4KO)5敗3分で、上体を揺らしながら細かいパンチをまとめる好戦型だ。
「相手は緩急があり、パンチを振ってくる時があるので、もらわないようにしたい」
中山は警戒を口にしたうえで、「しっかり倒して勝って会場を盛り上げたい」と話し、世界でも通用すると思ってもらえる試合をしたいと語った。世界ランキングはIBF11位、WBC20位。左ボディーと右フック、右アッパーを武器に、6試合連続のKOを狙う。
勝者が手にするもの、関西のバンタム級に集まる視線
伊藤と中山は、ともに関西を拠点にするバンタム級の無敗王者だ。年齢は伊藤が21歳、中山が24歳で、どちらも世界ランキングに名前が載る。同じ日の同じリングで、2人がそろってベルトを守れるかどうか。
伊藤の試合は、勝てば王座の2度目の防衛と日本王座への挑戦権が一度に手に入る。負ければ、無敗の記録とベルト、来春の日本タイトル挑戦の道をまとめて失う。辻の側から見れば、2つの目標を一度にかなえる好機になる。
7戦すべてで勝ち、6度KOで終わらせてきた21歳が、国内上位の実力者を相手にどんな内容を見せるのか。12月6日、住吉スポーツセンターで答えが出る。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]








































































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