MEDIA DOGS

居酒屋の倒産が2026年1-4月で88件、過去最多ペース更新 東京商工リサーチが発表

居酒屋の倒産が2026年1-4月で88件、過去最多ペース更新 東京商工リサーチが発表

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

東京商工リサーチが2026年5月17日、居酒屋の倒産動向を発表した。2026年1-4月の倒産は88件で前年同期比54.3%増となり、1989年以降の同期間で最多を更新。食材費や光熱費の上昇が値上げに転嫁され、客離れを招く悪循環が止まらない。

↓ 詳細が気になる方は、このまま下へ ↓

1989年以降で最多、前年同期比54.3%増の急増

東京商工リサーチが2026年5月17日に公表した調査で、2026年1-4月の「居酒屋」倒産が88件に達したことが分かった。前年同期比54.3%増と急増し、これまで同期間の最多だった2024年の59件を大きく上回る。1989年以降、1-4月期の集計で過去最多となった。

調査対象は同社の企業データベースから抽出した負債1千万円以上の倒産案件だ。同社は「物価高で価格競争に巻き込まれ、客足が遠のき、ジリ貧の悪循環から抜け出せない居酒屋の淘汰は、しばらく続きそうだ」と分析する。

居酒屋の倒産はコロナ禍では休業協力金や資金繰り支援で抑制されていた。コロナ禍が落ち着くと同時に、食材や光熱費、人件費の上昇が一気に押し寄せ、倒産は増勢に転じた。

ITバブル崩壊から続く曲線、転機はコロナ後

居酒屋の倒産件数は、これまでも景気の節目で動いてきた。ITバブル崩壊後の2003年に初めて20件台を記録。2007年は道交法改定の直前に39件まで増えた。震災直後の2012年は利用控えが浸透し、50件と大幅に増加した。

居酒屋は大手チェーンと地元店が共存し、会社員や学生、ファミリー層を取り込んできた業態だ。客層が幅広いだけに、その景気は世間の動向を映す鏡でもあった。

転機はコロナ後にあった。在宅勤務や働き方改革が定着し、忘年会や新年会、歓送迎会、取引先との接待は減少。焼肉店など専門料理店との競合、デリバリーの普及も重なる。コロナ禍で抑え込まれていた倒産が、補助制度の縮小と物価高を背景に一気に表面化した形だ。

2026年1月単月の動きも厳しい。同社の別の集計では、2026年1月の「飲食業」倒産は92件で、1月としては1997年以降の30年間で最多。うち「酒場、ビヤホール」は26件と前年同月比100.0%増(倍増)となった。

「飲み放題5,000円」の壁、宅飲みへの逃避

居酒屋業態の苦境を象徴するのが「飲み放題コース」の値上げだ。東京商工リサーチによると、居酒屋の魅力だった5,000円以下の飲み放題コースが値上げで減ると、財布の紐が一気に固くなったという。

肴の値上げや材料、ボリュームの変更を居酒屋は迫られた。値上げ疲れが続き、気軽な一杯に立ち寄りたい客の足を遠ざける。物価高へのささやかな抵抗として、宅飲み(うち呑み)など予算を抑える生活防衛策が広がり、居酒屋の苦境にますます拍車をかけた。

帝国データバンクの調査も同じ方向を示す。2025年の飲食店倒産は年間900件と過去最多を記録し、業態別で最多となったのが居酒屋を中心とする「酒場・ビヤホール」の204件だった。

外食市場全体は復調しているのに、居酒屋業態だけが取り残される。背景には消費者行動の変化がある。会社単位の飲み会や二次会の文化はコロナ前の水準には戻らない。若者の酒離れも進み、アルコールを介さないコミュニケーションが当たり前になりつつある。

居酒屋業態そのものが、現代のライフスタイルと噛み合いにくくなっている。一方で専門性を打ち出した小規模酒場や、地域密着の個人店には根強い支持もある。淘汰されているのは「均質化されたかつての総合居酒屋」という構造だ。

「コスパ悪い」「給料が追いつかない」SNSの反応

TSRの発表を受け、SNSでも反応が広がった。

「いやもうだって高いから。給与が物価高に追いついていないから。グランドメニューの焼き鳥とか5本セットでさえあの値段?ってくらいの見ると目ん玉飛び出すで」。Xユーザーの@nahadankは値上げの実感をそう書き込んだ。

「物価高なら節約が当たり前だよなー 酒コスパ悪いし」。@hama185cmは飲食コストへのシビアな見方を示した。

@DonaldPositionは需要側の構造変化を指摘する。「物価高とか人手不足の理由は間違いではないけど、最大の理由は世間(特に若者)からの需要がないこと。居酒屋によってアタリ・ハズレの差が大きいし、ファミレスなどに比べるとコスパが悪い」と書いた。

「うち呑みって、メディアでも流行らせたし、みんな可処分所得減ってるからお財布厳しいのよ。飲みに行けない!」。@mugichan124は宅飲みシフトの実感を漏らした。

「飲み会の回数が圧倒的に減ってる影響もあるかも」(@urazatsugaku)、「飲みニケーションが時代遅れやアルハラなどと言われたりしてるので、居酒屋を利用する人が減ってる」(@motimoti\_Lion)。職場文化の変化を指摘する声も並ぶ。

価格戦略の見直しか、業態転換か

小・零細店ほど経営体力を奪われている実態もある。東京商工リサーチの2026年1月集計では、「飲食業」倒産の資本金1千万円未満が約9割を占めた。食材費の上昇を価格転嫁できず、値上げが客足に直結する小規模事業者の息切れが、倒産件数を押し上げる構図だ。

会社員需要だけでなく、好調なインバウンド需要を取り込めない居酒屋は、厳しい状況が続く。価格戦略の見直し、業態転換、ノンアルコール需要の取り込みなど、生き残るための知恵が問われる局面に入った。

居酒屋業態が不要になったわけではない。淘汰されているのは画一化された総合居酒屋であり、専門性や地域性を打ち出す店舗には客がつく。物価高と消費者行動の変化に挟まれた業態の選別は、しばらく続く見通しだ。

[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]

コメントはこちら

*
*
* (公開されません)

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

ライフハック/実用

More

グルメ

More

エンタメ

永尾柚乃の天才エピソードがすごい 安達祐実「アドバイス不要」安藤サクラ「尊敬する」バカリズム「最初から完成されていた」――大人が認めた”普通の子役との違い”

永尾柚乃の天才エピソードがすごい 安達祐実「アドバイス不要」安藤サクラ「尊敬する...

9歳の子役・永尾柚乃が芸能界で異例の評価を集めている。安達祐実は「アドバイス不要」と断言し、斎藤工は彼女の脚本に衝撃を受けて映画プロデューサーに就任。3歳から脚本を書き、8歳で監督・脚本・編集・主演を務めた映画「リタ」の制作背景と、大人たち...
More

社会/ニュース

More

旅行/スポット

More

ファッション/ビューティー

More
Return Top