パンジャタワー、スプリンターズS2番人気15着、年内休養の見通し 橋口慎介調教師「一回叩いて、高松宮記念に行ければ」、次走の見通しと敗因を整理

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
9月27日に中山競馬場で行われたスプリンターズステークス(G1・芝1200メートル)で、2番人気のパンジャタワー(牡4)は15着に敗れた。管理する橋口慎介調教師は10月1日、年内は休養させる見通しを示し、「一回叩いて、高松宮記念に行ければ」と来春の目標を口にした。敗因には馬場状態を挙げている。
2番人気パンジャタワーは勝ち馬から2秒7差の15着
秋のG1シリーズの初戦となった第60回スプリンターズステークスは、前日の雨の影響で芝が稍重まで悪化した中での一戦だった。16頭が出走し、勝ったのは岩田望来騎乗の9番人気ピューロマジック。大外16番枠から先手を奪い、3馬身ほどのリードを保って直線へ入ると、後続の追い上げをクビ差しのいでG1初制覇を決めた。勝ちタイムは1分9秒2で、前年の1分6秒9より2秒以上遅い決着となった。
上位の着順と、パンジャタワーの結果は次のとおり。
| 着順 | 馬名 | 騎手 | タイム(着差) | 人気 |
|---|---|---|---|---|
| 1着 | ピューロマジック | 岩田望来 | 1分9秒2 | 9番人気 |
| 2着 | ワールズエンド | 津村明秀 | 1分9秒2(クビ) | 5番人気 |
| 3着 | サウンドモリアーナ | 吉田隼人 | 1分9秒2(ハナ) | 11番人気 |
| 4着 | スターアニス | C.ルメール | 1分9秒4(1と1/4馬身) | 1番人気 |
| 5着 | レッドモンレーヴ | 酒井学 | 1分9秒6(1と1/4馬身) | 14番人気 |
| 15着 | パンジャタワー | 松山弘平 | 1分11秒9 | 2番人気 |
パンジャタワーは7枠13番から松山弘平が騎乗し、最終の単勝オッズは3.9倍。3.7倍のスターアニスに次ぐ支持を集めていた。走破タイムは1分11秒9で、勝ち馬とは2秒7差。14着のルガルからも7馬身離され、後ろにいたのは16着のブラックチャリスだけだった。
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9番人気、5番人気、11番人気の順で決まり、3連単は46万2120円の高配当となった。前日の最終オッズの段階では、パンジャタワーは5.5倍の2番人気。当日にかけて人気が集まり、3倍台まで下がっていた。
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ゲートを嫌がって出遅れ、4角で鞍上の手が動く
レースはスタート前からつまずいた。パンジャタワーはゲート入りを嫌がり、発馬でも後手を踏む。馬群の外を押し上げて3コーナーでは7番手、4コーナーでは8番手と中団まで位置を戻したが、4コーナーの時点で松山の手は激しく動いていた。直線に入っても伸びは見られず、上がり3ハロンは37秒8。上位5頭がいずれも35秒台でまとめた中で、2秒以上遅い数字となった。
松山はレース後、「枠もそうでしたが、前が止まらない得意、不得意の出る馬場でしたね。ノメるような走りで気持ちが折れてしまいました。ゲートも珍しく入らずナイーブなところが出ました」と肩を落とした。ノメるとは、馬が脚を滑らせるようにして走る状態を指す競馬用語だ。
ラップを見ると、前半600メートルは33秒6、後半600メートルは35秒6。先行馬にとっても楽な流れではなかったが、最後の200メートルが12秒6まで落ちる中で、前の馬はしぶとく粘った。1、2着馬は3コーナーで1番手と3番手、3着馬も5番手でレースを進めている。前に行った馬がそのまま残った決着は、松山が語った「前が止まらない」馬場と重なる。
橋口調教師は「内しか伸びない馬場」と分析
レースから4日後の10月1日、橋口慎介調教師が今後の方針を明かした。敗因について「一番は内しか伸びない馬場ですかね。やめているようなところもありました」と説明。最後は走る気をなくしたような様子があったと認めたうえで、「年内は恐らく休ませると思います。一回叩いて、高松宮記念に行ければ」と続けた。
報道によっては「一番(の敗因)は馬場だと思います。内しか伸びない馬場でしたからね」と伝えられ、「来年の高松宮記念を目標に、一回どこかで叩いていければと思います」とも話している。「叩く」は、目標のレースの前に別のレースを使って状態を上げることを指す。前哨戦をどこにするかは、10月2日時点で明らかになっていない。
レース前の見立てとは違う結果だった。橋口調教師は最終追い切り後の9月24日、中山開催の最終週となる馬場について「最終週の馬場はむしろこの馬にとってはいいですよ」と話していた。一方で、その朝のパンジャタワーは馬場入りで立ち止まり、栗東の坂路に姿を見せたのは予定の午前5時30分から10分ほど遅れてだった。橋口調教師は「少し我が強い面があるから仕上がってくると、そんな面が出てくるんです」と説明していた。
騎手は枠と馬場、気持ちの面を、調教師は馬場と途中でやめた走りを挙げた。言葉は違っても、2人とも馬場が向かなかったことには触れている。
NHKマイルC馬、短距離路線で積み上げた実績
パンジャタワーは2022年2月21日生まれの牡馬で、父はタワーオブロンドン、母はクラークスデール(母の父ヴィクトワールピサ)。馬主はDeepCreek、生産は北海道新ひだか町のチャンピオンズファームで、栗東の橋口慎介厩舎に所属する。
デビューは2024年9月の中京で、新馬戦を勝つと、続く京王杯2歳ステークス(G2)を8番人気で制した。朝日杯フューチュリティステークスは12着、年明けのファルコンステークスは4着と、勝ち切れない時期もあった。3歳になった2025年5月のNHKマイルカップでは9番人気ながら、マジックサンズを抑えてG1初制覇。夏には札幌のキーンランドカップ(G3)でペアポルックスを退けた。マイルのG1馬が、1200メートルでも重賞を勝てることを示した1勝だ。
その後はオーストラリアやサウジアラビアにも遠征した。4歳となった2026年は高松宮記念で4着、安田記念で5着、キーンランドカップで2着と上位争いを続け、スプリンターズステークスは1番人気に近い評価で迎えた一戦だった。通算成績は海外2戦を含む12戦4勝となる。
高松宮記念はサトノレーヴから0秒4差で、3着のウインカーネリアンともアタマ差。1200メートルのG1でも上位に食い込む力は、すでに示している。
来年3月28日の高松宮記念へ、前哨戦を1つ挟む構想
目標に定めた高松宮記念は、来年3月28日に中京競馬場の芝1200メートルで行われる予定だ。2026年は1枠1番から4着に入った舞台で、この時は前哨戦にサウジアラビアの芝1351メートル戦を使っていた。
休養の間に気持ちの面を立て直せるかが、来春に向けた焦点の1つだ。スプリンターズステークスではゲートを嫌う場面もあり、松山は「ナイーブなところが出ました」と振り返っていた。松山が「珍しく」と話したとおり、ふだんはゲート入りで手間取る馬ではない。休養明けの前哨戦では、発馬から直線までの走りぶりが状態を見極める材料になる。
5歳を迎える2027年、NHKマイルカップ以来となる2つ目のG1タイトルを狙う。まずは前哨戦の1戦で、秋に崩れた走りを立て直せるか。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]









































































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