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ブラッサム初回は加賀まりこ演じる85歳の葉野珠で開幕 松田聖子『チェリーブラッサム』が流れた朝ドラ初日

ブラッサム初回は加賀まりこ演じる85歳の葉野珠で開幕 松田聖子『チェリーブラッサム』が流れた朝ドラ初日

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NHK連続テレビ小説「ブラッサム」が28日に始まった。第1回は1982年、85歳の葉野珠(加賀まりこ)が原稿を書く場面で幕を開け、ラジオから松田聖子の「チェリーブラッサム」が流れる。台本になかったこの選曲を、制作統括は「一択ですね」と説明した。主演の石橋静河は、本編には声だけの登場だった。

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第1回は1982年の青山から始まった

女優の石橋静河(32)が主演するNHK連続テレビ小説「ブラッサム」が28日、スタートした。作家・宇野千代をモデルにした朝ドラ通算115作目で、放送は総合テレビで月~土曜の午前8時から(土曜は1週間の振り返り)。

第1回の冒頭は1982年(昭和57年)、東京・青山の自宅だった。85歳の作家・葉野珠(加賀まりこ)が新聞連載中の自伝的小説「生きて行く私」の原稿に向かい、そばには秘書の藤川優子(松たか子)が付き添う。ラジオでは珠を紹介するコーナーが始まり、その前の1曲として「チェリーブラッサム」がかかった。

珠は岩国へ出かける予定があり、空港へ向かう時間が迫っていた。それでも筆を止めない。「毎日書く。それが大事」。そう言って書き上げた原稿の最後の一文を、珠の声で読み上げたのは石橋だった。

主題歌とタイトル映像を挟むと、舞台は1908年(明治41年)の山口・岩国へ移る。10歳の珠(村上蘭)がおつかいのために錦帯橋を渡る場面から、幼少期の物語が動き出す。

台本になかった「チェリーブラッサム」

「チェリーブラッサム」は1981年、松田聖子(64)がデビュー2年目に出した4枚目のシングルだ。作詞は三浦徳子、作曲は財津和夫。それまでのシングルとは曲調が異なるニューミュージック調の1曲で、推定67万5000枚のヒットになった。

ところが、この曲は台本に書かれていなかった。スポニチアネックスの取材に、制作統括の村山峻平チーフ・プロデューサー(CP)は「当初、ラジオから聴こえるのは葉野珠の紹介だけで、何かの曲が流れる設定もありませんでした」と明かしている。

曲を加えたのは、80年代の空気を一瞬で伝えるためだった。村山CPは同じ取材に「1980年代の空気感は、歌謡曲一つで瞬時に表現できるのではないか」と述べ、第1週のチーフ演出・盆子原誠監督と相談して決めたと説明する。

理由はもう1つある。宇野千代のトレードマークは桜で、着物から赤いちゃんちゃんこまで、多くの桜のデザインを遺した。英語で桜を指す言葉が「チェリーブラッサム」。ドラマのテーマ「咲き誇れ私」とも重なる。候補に迷ったかを日刊スポーツに問われた村山CPは「一択ですね」と答えた。

なぜ85歳の珠から始めたのか

子役から始まる朝ドラでも、初回には主演俳優が何らかの形で姿を見せるのが通例だった。今作の石橋は、本編では声だけの出演だった。スポニチアネックスによると、主演が本編に姿を見せない初回は2021年度後期「カムカムエヴリバディ」以来、5年ぶりになる。

村山CPは、晩年の珠から始める構成について「1980年代の葉野珠が登場しないことには、この企画は成立しないのではないか」と脚本づくりの途中で気づいたという。珠は数々の困難を越え、最後は幸せにたどり着く。つらい場面の先に80代の珠がいると視聴者に感じてもらうため、晩年の珠は別の俳優に託した。

村山CPが最初に思い浮かべたのが加賀だった。「冒頭のシーンは“ファーストカットは加賀さんで勝負する”という我々の思いが詰まっています」と語る。

丸い黒縁の眼鏡は、加賀が自分で見つけたものだ。9月7日の第1週完成試写会見で加賀は「一生懸命探し回って、偶然、宇野さんが住んでいらした東京・青山の街で見つけたんです」と明かしていた。扮装姿は初回の放送で初めて公開され、宇野千代にそっくりだとする投稿がSNSで相次いだ。

秘書役の松は、今作が朝ドラ初出演になる。オリコンの取材では、大阪のNHKでの顔合わせを「想像以上の数のスタッフの方々がリハーサル室に集まっていて、皆さんの気合いを感じました」と表現し、石橋について「とにかく石橋さんの邪魔になりたくないなと。自分なりに見守り、支えていけたらという気持ちです」と話した。

注目度のピークは父・清治の帰宅場面

明治の岩国編では、葉野家の暮らしが描かれた。珠は4人きょうだいの長女で、しつけに厳しい父・清治(渡部篤郎)と継母・リョウ(国仲涼子)と暮らしている。

おつかいの帰り、妹を背負い弟・守(大西悠貴)を連れた珠は、岩田屋の店主・岩田幸三(八嶋智人)から働き者だと褒められ、ハッサクをもらう。床に伏せるリョウにそれを見せると、清治が帰る前に食べるよう促された。やがて清治が馬を走らせて帰宅し、家族は玄関で正座して迎える。

自室に入った清治は珠を呼びつけ、珠の務めであるカナリアの世話を持ち出して餌の有無を問う。珠はすぐに買いに出ようとするが、外は雨だった。清治は、前に草履を濡らしてだめにしたことを引き合いに「裸足で行け」と言い渡す。

MANTANWEBによると、テレビの前にいる人のうち画面を注視していた人の割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)は、清治が帰宅した午前8時10分台に70.9%でピークとなった。裸足で行けと命じる8時11分台も68.3%と高い数字だった。人体認識センサーで視線を計る指標で、世帯視聴率とは別の物差しだ。初回からこの場面に目がくぎ付けになった視聴者が多かったことを示す。

第1週は「私の父、私の母」

第1週のタイトルは「私の父、私の母」で、10月2日まで放送される。主題歌はYOASOBIの「咲き誇れ」で、原作小説は綿矢りさが書き下ろした。脚本は、2023年度後期「ブギウギ」を足立紳と手がけた櫻井剛と、小松與志子が担当する。

タイトル映像は映画監督の奥山大史が手がけた。宇野千代の「花咲かばあさんになりたい」という言葉を発想の核にした映像で、石橋はここで初回から姿を見せている。村山CPは石橋の起用理由として「まなざしの強さ」と「笑顔」を挙げた。

前作「風、薫る」の期間平均視聴率は世帯13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、2020年度以降では下から2番目の数字だった。85歳の珠から明治の岩国へさかのぼる物語が、ここからどう数字を積み上げていくか。石橋が本格的に登場するまでの幼少期編が、最初の見どころになる。

[文/構成 by エンタメライター 真柴 ことね]

寄稿者

真柴 ことね
芸能ニュースや音楽、テレビ番組の話題を中心に書いているWebライター。ライター歴は11年。朝は情報番組をはしごするのが日課で、気になった話題はその日のうちに調べ始める。心がけているのは「公式発表を最初に読む」こと。所属事務所やレーベルの発表、番組の公式サイトまで確かめてから書く。ドラマは録画して週末にまとめて観る派。

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