ヴァルツァーシャル、シリウスSで2024年マーチS以来の重賞2勝目 7歳・5番人気で斎藤新騎手騎乗、勝ちタイムは2分05秒3

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
9月26日に阪神競馬場で行われた第30回シリウスステークス(G3・ダート2000m)は、斎藤新騎手が騎乗した5番人気のヴァルツァーシャル(牡7、美浦・高木登厩舎)が中団から差し切って勝った。勝ちタイムは2分05秒3。2024年3月のマーチステークス以来、916日ぶりの勝利で、重賞は2勝目となった。
首差の接戦、上位4頭が0秒1以内
雨が降るなか、良馬場で行われたハンデ戦には16頭が出走した。ヴァルツァーシャルは58.5キロを背負い、単勝14.7倍の5番人気。1番人気は59キロのトップハンデを課されたラムジェット(三浦皇成騎手)で、単勝3.6倍だった。
ゴール前は大混戦となった。2着には13番人気のルシュヴァルドール(坂井瑠星騎手)が首差で入り、3着はさらに首差で7番人気のマイノワール(浜中俊騎手)。4着のハピ(幸英明騎手)までがアタマ差で続き、2着から4着の3頭は2分05秒4の同タイムだった。
| 着順 | 馬名 | 騎手 | 人気 | タイム(前の馬との着差) |
|---|---|---|---|---|
| 1着 | ヴァルツァーシャル | 斎藤新 | 5番人気 | 2分05秒3 |
| 2着 | ルシュヴァルドール | 坂井瑠星 | 13番人気 | 2分05秒4(クビ) |
| 3着 | マイノワール | 浜中俊 | 7番人気 | 2分05秒4(クビ) |
| 4着 | ハピ | 幸英明 | 12番人気 | 2分05秒4(アタマ) |
| 5着 | ギュルヴィ | 武豊 | 2番人気 | 2分05秒6(1馬身) |
| 6着 | ゼットリアン | 松若風馬 | 10番人気 | 2分05秒7(3/4馬身) |
| 7着 | ラムジェット | 三浦皇成 | 1番人気 | 2分05秒7(アタマ) |
人気の上位馬は伸び切れなかった。2番人気のギュルヴィ(武豊騎手)は5着、ラムジェットは7着、3番人気のサイモンザナドゥ(川田将雅騎手)は10着に終わる。2着に13番人気、3着に7番人気が入り、3連単の払戻金は69万9560円になった。
中団待機から馬群を割った直線
レースはダイシンピスケス(松本大輝騎手)が先頭に立ち、ギュルヴィ、ルシュヴァルドールが続く隊列で進んだ。最初の1000mは1分02秒8と平均的な流れ。ヴァルツァーシャルは1コーナーを10番手前後で回り、馬群の中で脚をためた。
4コーナーでは8、9番手の位置。外へ膨らまずにコーナーを回ると、直線は先行馬の間に進路を取る。競り合うラムジェットとルシュヴァルドールのわずかなすき間を割って抜け出し、最後は粘るルシュヴァルドールを首差で競り落とした。上がり3ハロンは36秒4で、メンバー中2位タイの数字だった。
条件は初めてづくしだった。2000mは27戦目までのキャリアで一度も走っておらず、阪神競馬場への出走も初めて。過去6勝は東京と中山で挙げたもので、関西圏で勝ったのは初めてとなる。関東馬のシリウスS制覇は、2025年のホウオウルーレットに続いて2年連続となった。
斎藤新騎手「感謝しかないです」
鞍上の斎藤新騎手(25)にとって、重賞勝利は2024年5月の新潟大賞典(ヤマニンサルバム)以来、約2年5か月ぶり。JRA重賞は通算7勝目で、シリウスSは初騎乗での勝利だった。レース後には次のように語っている。
「前々走の平安ステークスで久しぶりにコンビを組ませてもらい、リズム良く運べればいい脚を使ってくれると信じていました。今日はヴァルツァーシャルを信じてエスコートしただけです」
初の舞台についても不安はなかったという。前走の札幌で行われたエルムステークス(5着)の内容から、距離は延びた方がいいという話を高木調教師としていたと明かし、「斤量を含めて不安は一切ありませんでした」と続けた。締めくくりに口にしたのは、相棒への敬意だった。
「本当に競馬も乗りやすいですし、自分の脚の使いどころというか、自分がしっかり走るところをわかっている、賢い馬です。僕はこの馬に競馬をまだまだ教えてもらっている立場だと思うので、感謝しかないです」
2000mへの挑戦は、陣営が意図して選んだ道だった。高木登調教師は9月23日の最終追い切り後、「(前走の)1700メートルは忙しかったし、じっくり行きたいということで試してみます」と説明している。「最初は東京の1400~1600メートルくらいのイメージだったんだけどね」とも話しており、年齢を重ねて馬の適性が変わってきたことをうかがわせた。
斎藤騎手とヴァルツァーシャルのコンビは、ここまで4戦すべてが重賞。2024年マーチS1着、2026年5月の平安S2着、8月のエルムS5着に続く今回の勝利で、成績は2勝、2着1回、着外1回となる。高木調教師は、シリウスSには2頭目の出走で初勝利。父マクフィの産駒にとっても、このレースは初出走での勝利となった。
骨折による約1年4か月の休養を越えて
ヴァルツァーシャルは2019年4月22日生まれ。父マクフィ、母バイカターキン(母の父エンパイアメーカー)という血統で、北海道浦河町の梅田牧場で生まれた。馬主はウエスト・フォレスト・ステイブル。馬名はドイツ語で「円舞曲の響き」を意味する。
デビューは2021年10月30日、東京のダート1400mの新馬戦だった。このとき手綱を取ったのは、シリウスSで1番人気のラムジェットに騎乗していた三浦皇成騎手。新馬勝ちの後は1勝クラスで3着が続いたが、2022年4月に2勝目を挙げると、10月に2勝クラス、12月に3勝クラスの北総Sを勝ってオープンに上がった。オープン入り後も東京や中山のダート1600m~1800mを中心に走り、2024年1月のポルックスSを勝つと、続くマーチSで7番人気ながら重賞初制覇を果たした。
だが、そのマーチSの後、2024年5月に左第3中手骨の骨折が判明する。
戦列を離れた期間は約1年4か月。2025年8月のエルムSで復帰したものの10着に終わり、秋のカノープスSでは13着と大敗した。それでも11月の武蔵野Sで6着に入ると、12月の師走Sと2026年1月のポルックスSで連続2着。3月のマーチSは4着、5月の平安Sでは2着に食い込み、少しずつ持ち直してきた。
今回の勝利で通算成績は28戦7勝。重賞勝利は24年マーチSと、このシリウスSの2つになった。
7歳秋、次のステップは
シリウスSはダート路線の秋の重賞で、ここから年末に向けてダートの大きなレースが続いていく。ヴァルツァーシャルの次走について、9月27日時点で陣営からの正式な発表は出ていない。
7歳での重賞制覇は、長い回り道の先にあった。馬は約1年4か月の休養を経験し、斎藤騎手は約2年5か月にわたって重賞の勝ち星から遠ざかった。2024年にヴァルツァーシャルの重賞初勝利を一緒に手にしたコンビが、そろって止まっていた時計を動かしたことになる。
関東の中距離で走り続けてきた7歳馬が、初めての阪神、初めての2000mで結果を出した。距離の幅が広がったことで、陣営が選べるレースも増える。
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[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]








































































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