2022年に箱根・強羅に開業したラグジュアリーリゾート「ふふ 箱根」。今回は、その中でも特に評判の高い夕食に焦点を当てて、徹底的にレビューします。
私が体験したのは「日本料理 山の笑(やまのえ)」の日本料理コース。結論から言うと、「美味しい」なんてひと言じゃとても足りないくらい、心に残る食体験でした。
このホテルの夕食が他と一線を画す最大の理由は、「プリフィックススタイル」というユニークな提供方法にあります。これは、ただ決められたコースをいただくのではなく、メインディッシュなどを数多くの選択肢から自分で選んでコースを完成させるというもの。
この「選ぶ」という行為そのものが、食事を忘れられない思い出へと昇華させてくれました。
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不思議な一体感とプライベート感。「日本料理 山の笑」の空間デザイン


まず驚いたのは、レストランの空間設計です。私たちが案内されたのは、二人で横並びに座るカウンターのような席。会場全体が三段ほどの段差で構成されており、私たちは一番上の段でした。窓際の席が一番低くなっているため、どの席からもレストラン全体や窓の外の景色が見渡せる、まるで劇場の観客席のような造りです。
面白いのは、同じ空間に他の宿泊客もいるのに、巧みな仕切りや段差のおかげで、まるで個室にいるかのようなプライベート感が保たれていること。周りの気配をほのかに感じつつも、自分たちの世界に没頭できる。この絶妙な距離感が、とても心地よかったです。
ふふ箱根だけの特別体験!「プリフィックス会席」とは?
「プリフィックス」という言葉、聞き慣れない方もいるかもしれません。これは、コースの基本的な構成は決まっているものの、前菜やメイン料理、デザートなどを複数の選択肢から自分の好みで選んで組み立てるスタイルのことです。
ふふ箱根の日本料理では、このスタイルを大胆に取り入れています。特に驚くべきは、コースの華である「進め肴(すすめざかな)」と呼ばれるメイン料理。


これは私たちが行った時のメニューですが、なんと、旬菜、揚げ物、魚料理、肉料理、さらには鉄板焼きまで、合計14種類以上の中から好きなものを3品も選べるのです(※内容は季節により変動します)。
お部屋でじっくり選ぶ、という贅沢な時間


オーダー方法もユニークでした。レストランへ向かう前、お部屋でメニューを渡され、二人で「どれにする?」と相談しながらオーダーシートに記入していくのです。
この時間がまた、たまらなく楽しい!「私はお肉が食べたいな」「お魚と、揚げ物も捨てがたい…」なんて会話をしながら、自分たちだけのオリジナルコースを創り上げていくワクワク感は、他では味わえない体験でした。
この選択肢の多さゆえに、決めるのには結構時間がかかりました(笑)。お部屋でゆっくりと作戦会議をすることをおすすめします。
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