大の里、13日のかほく場所で横綱土俵入り 地元石川で優勝後の巡業は「全然違う」

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
大相撲の秋巡業「かほく場所」が10月13日、石川県かほく市のとり野菜みそBLUECATS ARENA(かほく市総合体育館)で開かれた。9月の秋場所で1年ぶり6度目の優勝を果たした横綱・大の里(26)=二所ノ関部屋=は横綱土俵入りを披露し、優勝して巡業に参加する気持ちを「全然違う」と話した。かほく市は大の里の出身地・津幡町の隣のまちで、会場へ向かう道中では子どもの頃に遠足で訪れた公園の地名が目に入ったという。
北陸3日間の最終日、津幡町の隣で横綱土俵入り
10月6日に茨城県つくば市で始まった秋巡業は、北陸に入って11日の富山県射水市、12日の金沢市、13日のかほく市と3日続けて開かれた。かほく場所はその締めくくりで、主催は読売新聞社など。12日がスポーツの日の祝日で、3連休明けの平日の開催だったが、会場には最後尾が見えないほどの列ができた。臨時駐車場のイオンモールかほくと会場の間には無料のシャトルバスが走り、当日券も会場窓口で売り出された。
進行は午前9時の開場とともに公開稽古が始まり、午前11時半から幕下以下の取組や初切、相撲甚句、午後1時から幕内・横綱土俵入りと幕内の取組、午後2時半の弓取式で打ち出しという予定で組まれた。
大の里は朝稽古で土俵上の四股、土俵脇でのすり足など基礎運動を入念にこなしている。ぶつかり稽古では新鋭の寿之富士と、もう一人の横綱・豊昇龍に胸を出した。横綱同士のぶつかり稽古に、会場からは大きな拍手が送られた。豊昇龍は右膝の手術を受けて秋場所を全休し、10日の長野県松本市から巡業に合流したばかり。九州場所での復帰を目指して体を動かしている。
幕内土俵入りに続いて大の里が横綱土俵入りを見せると、場内が沸く。前日の金沢場所と同じく、大の里と豊昇龍の横綱対決には、この日いちばんの歓声が上がった。郷土力士では、金沢市出身の十両・炎鵬、七尾市出身の輝も地元ファンの注目を集めた。炎鵬は今年5月の夏場所で関取に復帰し、前日の金沢場所では「3年ぶりに関取として金沢に戻ってくることができて本当によかった」と喜んでいた。
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4月の小松巡業とは違った「おめでとう」の重み
タイトルにもなった言葉には前段がある。石川県での巡業は今年4月の小松市以来だった。当時は途中休場した春場所の直後で、大の里は「成績が伴わなくて複雑な気持ちがあった」と明かしている。
半年後の秋巡業は事情が違った。秋場所では左肩痛を抱えながら千秋楽に大関・安青錦との相星決戦を制し、12勝3敗で賜杯を手にした。6場所ぶりの優勝を手土産にした凱旋だった。東京で開かれる秋場所は、これで3連覇となる。
「優勝して、巡業に参加するというのは全然違う。久しぶりにこういう経験をして、それは本当に大きなものだった」
かほく場所で大の里はそう語った。会場では「今回こうやって優勝してすぐに石川で巡業があってよかった。たくさんおめでとうと言ってもらえたのでうれしいです」とも話し、北陸3日間を終えた感想として「親近感がありました。友人や親戚ら、いろんな方が来てくれたのが一番大きかった」と述べた。北陸の3日間、支度部屋には来客の行列ができた。
実家の横の道、「七塚」の標識
大の里は津幡町出身で、日本体育大学を経て2023年夏場所で初土俵を踏み、2025年5月に第75代横綱へ昇進した。かほく市は、その津幡町と境を接する。12日の夜は金沢市に泊まり、13日朝は津幡町を通ってかほく市の会場へ向かった。道のりは約20キロ。途中で実家の横の道路を通ったといい、「実家の横の道路を通ってきたので不思議な感覚だった。久々にこの道路を走って懐かしさを感じた」と話す。
かほく市に入ると「七塚」という道路標識が目に入る。七塚は、2004年3月1日に高松町、宇ノ気町と合併してかほく市になった旧七塚町の名前だ。会場近くの七塚中央公園は高台から日本海を望む公園で、大の里にとっては保育園や小学校の遠足で訪れた思い出の場所だ。「津幡や金沢には良く帰ってきますけど、このあたりの道は本当に久々。懐かしさを感じました」。地元の景色が、横綱の気持ちをほぐした。
会場の熱気も地元らしかった。大の里を目当てに来たという来場者は、声をかけるなら「まずは優勝おめでとうございます」と話していた。稽古を終えて土俵を降りると、サインや写真を求める人が一気に詰めかけ、係員が「押さないでください」と呼びかける場面もあった。サインをもらった来場者は、上下がどちらか分からずに「(書くのが)早いもんでね」と笑い、「孫にあげますわ」とうれしそうだった。
大の里と同じ日本体育大学の出身だというファンは「なおさら好き」と声を弾ませ、子ども連れの来場者は「間近で見られてすごい迫力があって、子どもも楽しんでいてうれしかった」と語った。来場所について「ぜ~んぶ、勝ってほしいです」と期待を込めたファンもいた。
九州場所へ体づくりに手応え、近く相撲を取る稽古を再開へ
次の本場所は九州場所だ。日本相撲協会によると、番付発表は10月26日、初日は11月8日で、会場は福岡国際センター。大の里は横綱として初の連続優勝がかかる。
ただ、九州場所は大の里がまだ賜杯を抱いていない場所でもある。2024年はこの秋巡業中に体調を崩し、9勝止まり。「一昨年は痛い目を見た。気温の変化もあるので体調管理が一番大事」と話し、昼夜の寒暖差に気を配りながら基礎運動とトレーニングを積んできた。
調整の段取りも見えている。秋場所前は、初日の24日前にあたる8月20日の気仙沼巡業で相撲を取る稽古を始め、徐々に状態を上げて優勝につなげた。九州場所初日の24日前は10月15日の滋賀県長浜市の巡業にあたる。
「(土台作りは)もうできたと思うので、そろそろ始動して九州に向けてやっていきたい」と大の里。秋場所前の調整を引き合いに「夏巡業後半からいい稽古ができた」と手応えも口にしている。近く相撲を取る稽古を再開する考えで、「良い形で九州に入れるように稽古していきたい」と意気込んだ。
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秋巡業は14日の岐阜県高山市を経て関西、中国地方へ移り、25日の山口県宇部市まで続く。故郷の隣町で受けた声援を背に、大の里は九州での初優勝へ仕上げに入る。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]













































































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