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本田桜二郎、出雲駅伝2区で6人抜き区間賞 鳥取城北高校出身、早稲田大学1年の19歳の経歴

本田桜二郎、出雲駅伝2区で6人抜き区間賞 鳥取城北高校出身、早稲田大学1年の19歳の経歴

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

早稲田大学の本田桜二郎(19)が10月12日の第38回出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)で2区(5.8km)を走り、15分42秒で区間賞を手にした。トップと16秒差の7位でたすきを受け、前を行く6校をすべて抜いて首位で3区へつないだ。今春、鳥取城北高校から入学した1年生にとって、これが大学三大駅伝のデビュー戦。早大は2時間5分56秒の大会新記録で、16年ぶり3度目の優勝を飾った。

7位から首位へ、5.8kmで6校を抜いた2区

大会は出雲大社前から出雲ドーム前までの6区間45.1kmで争われ、19大学と3つの選抜チーム、計22チームが出場した(中国四国学連選抜はオープン参加)。最初の1区(8.0km)で、早大の吉倉ナヤブ直希(3年)は22分58秒の区間7位だった。区間賞の駒澤大学・鈴木大翔(1年)とは16秒差。1区を終えた時点の順位は駒大、青山学院大、中央大、國學院大、日本大、順天堂大と続き、早大はその後ろの7番手でたすきを渡した。

関連記事:出雲駅伝、早大・花田監督「国学院大学は今回も大本命と思う」 16年ぶり優勝へ1区吉倉ナヤブ直希、アンカー工藤慎作

2区は全6区間でいちばん短い。スピードの差がそのまま順位に出る区間で、本田は序盤から前を追い、前を行く集団に追いついた。残り1kmで中大の岡田開成(3年)がスパートをかけると、本田もすぐに反応する。残り700mで前に出て、そのまま後続を引き離した。

通算38分40秒で首位に立ち、3区の鈴木琉胤(2年)へ。2位の中大とは2秒差で、駒大と順大も同じ38分42秒で続く大混戦だった。1区終了時点で前にいた駒大、青学大、中大、國學院大、日大、順大の6校をすべて抜いての首位中継となった。

大会公式記録によると、2区の区間2位は創価大の織橋巧で15分45秒、3位は順大の吉岡大翔で15分47秒だった。本田は区間2位に3秒差をつけた。最後に競り合った中大の岡田は15分51秒の区間4位、前回大会を制した國學院大の鼻野木悠翔は15分53秒の区間6位だった。2区の区間記録は駒大の佐藤圭汰が第34回大会で出した15分27秒で、記録の更新はならなかった。

花田監督に求められていた2区の役割

レース後、本田は花田勝彦監督から求められていた役割を明かした。最短区間の2区では、終盤のスパートでライバルとの差を詰め、次の走者へつなぐこと。その役割について「最高の形で達成することができて」と喜びを口にした。

本田の武器は、高校時代から磨いてきたラストの切れ味だ。入学直後の4月、早稲田スポーツ新聞会の取材には「ラスト200メートルのスパートでは、誰にも負けない自信があります。」と答えていた。出雲の2区で見せたのも、残り1kmからの競り合いを制する走りだった。

アンカーの工藤慎作(4年)がフィニッシュテープを切る姿を楽しみにしている、とも話していた本田。その期待は約1時間半後、出雲ドーム前で現実になる。

福岡・大牟田から鳥取城北へ、高校時代の歩み

本田は2007年4月6日生まれで、福岡県大牟田市の出身。2023年春に地元の大牟田高等学校へ進み、2年生だった2024年には福岡インターハイの1500mで4位に入った。同年12月の全国高校駅伝では、エース区間の1区で区間2位と好走し、チームの準優勝に貢献している。

転機は3年生になる2025年春に訪れる。大牟田高でヘッドコーチを務めていた赤池健氏が鳥取城北高等学校(鳥取市)の監督に就いたのに合わせ、本田も鳥取城北へ転校した。赤池氏は本田について「群を抜く勝負強さがある」と評している。

鳥取城北での1年間で、本田は全国の舞台で結果を残した。U20日本選手権では3000mと5000mの2冠。12月の全国高校駅伝では2年連続で1区を任され、区間3位でチームを4位入賞に導いた。転校1年目の鳥取城北を、都大路の入賞校へ押し上げる力走だった。

高校生活の最後にも記録を残している。2026年3月14日、福岡・大濠公園で行われたロードの1マイルで4分0秒16をマークした。2023年に館澤亨次(当時DeNA)が出した4分1秒26を1秒10縮める日本記録で、高校生がシニアを含む日本記録を塗り替えた。レースを見た瀬古利彦氏は「最後のキレが素晴らしい」と評価していた。この日本記録は6月に永原颯磨(順大)が3分57秒00で更新したが、本田も9月の世界ロードランニング選手権で3分57秒50まで記録を伸ばしている。

大学1年目で日本選手権2位、U20世界選手権で銅

早大ではスポーツ科学部に進み、競走部の長距離ブロックに入った。同じ年に入学した増子陽太、新妻遼己とともに、大型ルーキーとして入学前から注目を集めていた。

春から夏にかけての伸びは早かった。6月の日本選手権男子1500mでは決勝で2位に入り、予選で出した3分37秒53が自己ベストになっている。優勝は3連覇の飯澤千翔(住友電工)だった。5000mでも13分32秒61まで記録を縮めた。

8月には米国オレゴン州で開かれたU20世界選手権に出場し、男子3000mで7分48秒49の3位。U20日本歴代2位の記録で銅メダルを手にした。1500mでも決勝に進み、レース中に一時先頭に立つ場面もあったが、3分51秒59の14位に終わった。

世界大会のメダルから約2か月。大学駅伝の初戦でも、区間トップの走りを見せた。

早大は4区間で区間賞、次は全日本と箱根

早大は本田の後も勢いを保った。3区の鈴木は従来の区間記録を上回る23分31秒で走ったが区間3位にとどまり、日大のシャドラック・キップケメイ(4年)に抜かれて2位に後退する。それでも4区の新妻遼己(1年)が17分10秒の区間新記録で首位を奪い返し、5区の山口竣平(3年)も17分35秒の区間新。アンカーの工藤が29分00秒で区間賞を取り、2位の國學院大に58秒差をつけてフィニッシュした。

区間賞は2区の本田、4区の新妻、5区の山口、6区の工藤の4人。優勝タイムの2時間5分56秒は、駒大が第35回大会で出した2時間7分51秒を1分55秒上回る大会新記録となった。早大の出雲制覇は2010年度以来で、16年ぶり3度目。2位は國學院大、3位はアイビーリーグ選抜が入り、上位7チームが従来の大会記録を上回る高速レースだった。

大学三大駅伝は、このあと全日本大学駅伝、箱根駅伝と続く。早大は16年ぶりの三冠を目標に掲げてシーズンに臨んでいる。本田は入学時に「4年間の目標は、日本選手権で優勝することと、箱根総合優勝です。」と語っていた。19歳のルーキーが、次は8区間の全日本でどの区間を任されるか。

[文/構成 by スポーツライター 南條楓]

寄稿者

南條楓
学生時代に陸上の中距離を続けていたこともあり、記録で勝負が決まる競技に惹かれてスポーツを書くWebライターに。執筆歴は8年。陸上や水泳、体操、フィギュアスケートなど、記録と採点が結果を左右する競技を中心に、国際大会の速報から選手の歩みをたどる記事まで担当してきた。タイムや得点の意味、予選から決勝までの流れを、初めて観る人にも伝わる言葉で書くことを大切にしている。

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