最低賃金、東京は10月1日から時給1,280円 東京労働局が54円引き上げ、発効日と対象の確認ポイント

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
東京都の最低賃金が1日、時給1,226円から54円上がって1,280円になった。東京労働局によると、10月1日以降に都内の事業場で働いた分が対象で、パートやアルバイトも含めすべての労働者に適用される。全国の改定は都道府県ごとに10月から12月にかけて順次発効し、全国一斉ではない。
↓ 詳細が気になる方は、このまま下へ ↓
都内で働く人は1日から時給1,280円以上
東京労働局(増田嗣郎局長)が決めた東京都最低賃金(地域別最低賃金)は、1日に効力が発生した。改定前の1,226円から54円の引き上げで、引上げ率は4.4%。金額は全国で最も高い。
東京労働局は9月30日付の報道発表で、都内で事業を営む使用者が効力発生後の労働に対して1,280円以上の賃金を払わない場合は最低賃金法違反になると明記した。今後は都内の各労働基準監督署が監督指導を行い、支払いの徹底を図る方針だ。
例えば時給1,250円で働いていたアルバイトの場合、1日以降の勤務分は少なくとも30円の上乗せが必要になる。1日8時間、月20日働く人なら、54円の差は月8,640円の差だ。
8月の答申から10月発効まで、決定の流れ
手続きは6月30日に始まった。東京労働局長が東京地方最低賃金審議会(本田敦子会長)に改定を諮問し、同審議会は8月5日、1,226円を54円引き上げて1,280円とするのが適当だと答申した。
業界紙の労働新聞によると、引き上げ額は国の中央最低賃金審議会が示した目安どおりだった。審議では使用者側から、原資を確保するため発効日を遅らせる「指定日発効」を求める意見が強く出たが、合意には至らなかったという。
その後、東京労働局長は答申内容の公示などを経て1,280円への改定を決め、9月1日に官報で公示した。発効日は当初の見込みどおり10月1日となった。
労働局は9月1日から10月31日までを最低賃金・各種助成金の周知強化期間に位置づけ、「さいちんキャンペーン(TOKYO 1280)」と名づけて広報を続けている。賃上げのために設備投資などを行う中小企業向けの業務改善助成金などもあわせて案内する。
全国平均は1,177円、発効日は都道府県でばらばら
厚生労働省の改定状況資料によると、2026年度の地域別最低賃金の全国加重平均額は1,177円で、前年度の1,121円から56円上がる。朝日新聞によると、都道府県ごとの引き上げ幅は54〜65円。最高は東京の1,280円、最低は宮崎の1,085円で、その差は従来の203円から195円に縮まる。
注意したいのは発効日だ。厚生労働省の地域別最低賃金全国一覧を見ると、東京のほか神奈川、埼玉、千葉、愛知、大阪など多くの都道府県が10月1日に切り替わった一方、長野と岡山は2日、長崎は11月2日、熊本は12月1日、沖縄は12月2日と、改定時期は県によって大きく違う。
| 都道府県 | 改定後の時給 | 改定前の時給 | 発効日 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 1,280円 | 1,226円 | 10月1日 |
| 神奈川県 | 1,279円 | 1,225円 | 10月1日 |
| 埼玉県 | 1,196円 | 1,141円 | 10月1日 |
| 千葉県 | 1,195円 | 1,140円 | 10月1日 |
| 大阪府 | 1,231円 | 1,177円 | 10月1日 |
| 宮崎県 | 1,085円 | 1,023円 | 10月24日 |
神奈川は東京とわずか1円差。首都圏でも埼玉・千葉とは80円以上の開きがある。
対象になる賃金、ならない賃金
勘違いしやすいのが、どの賃金を最低賃金と比べるかという点だ。厚生労働省によると、比べる対象は毎月支払われる基本的な賃金で、次のものは計算から外す。
– 結婚手当など臨時に支払われる賃金
– 賞与など1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
– 時間外割増賃金(残業代)、休日割増賃金
– 深夜割増賃金のうち、通常の賃金を超える部分
– 精皆勤手当、通勤手当、家族手当
つまり、残業代や通勤手当を足してようやく1,280円を超えるような給与は、最低賃金を満たしていないことになる。
月給制の人は、月給から上の手当などを除いた額を1か月の平均所定労働時間で割って時給に換算し、1,280円と比べる。例えば月の平均所定労働時間が160時間なら、対象となる月給は20万4,800円以上が必要になる。日給制なら、日給を1日の所定労働時間で割って比べる。
派遣や県をまたぐ通勤の場合は
地域別最低賃金は、雇用形態や呼び方に関係なく、都内の事業場で働くすべての労働者に適用される。パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託も同じ扱いだ。住んでいる場所ではなく、働く事業場の所在地で決まるため、埼玉や千葉から都内の職場に通う人には東京の1,280円が適用される。
派遣労働者は、派遣元の会社がどこにあっても、派遣先の事業場がある都道府県の最低賃金が基準になる。都内の職場に派遣されていれば、派遣会社が他県にあっても1,280円以上を払う必要がある。
特定の産業には、地域別より高い水準の特定(産業別)最低賃金が設けられている場合がある。厚生労働省は、地域別と特定(産業別)の両方が適用される労働者には高い方の金額以上を払わなければならないと説明している。ただし厚生労働省の「特定(産業別)最低賃金全国一覧」によると、東京都の特定(産業別)最低賃金は鉄鋼業など4件で、いずれも時給800円台と1,280円を下回るため、都内ではこれらの産業でも地域別の1,280円が基準になる。
下回っていたらどうなるか
最低賃金より低い時給は、たとえ労使が合意して決めていても法律上は無効になり、最低賃金と同じ額で契約したものとみなされる。使用者は差額を払わなければならない。
地域別最低賃金を下回る賃金しか払わない場合、最低賃金法は50万円以下の罰金を定める。特定(産業別)最低賃金の場合は、労働基準法で30万円以下の罰金だ。使用者には、最低賃金額や対象外の賃金、効力発生日を職場の見やすい場所に掲示するなどして周知する義務もある。
10月分の給与明細が届いたら、時給や換算した額が1,280円に届いているかを一度確かめておきたい。疑問がある場合は、東京労働局労働基準部賃金課や最寄りの労働基準監督署が相談に応じている。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]










































































コメントはこちら