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中村倫也、UFCでヒースタンドに2R裸絞めで一本負け UFC戦績は3勝2敗に

中村倫也、UFCでヒースタンドに2R裸絞めで一本負け UFC戦績は3勝2敗に

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時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

総合格闘家の中村倫也(31)=アメリカン・トップチーム=が現地9月26日(日本時間27日)、米ラスベガスのMETA APEXで行われた「UFCファイトナイト:ロサスJr. vs. バルセロシュ」でブレイディ・ヒースタンド(27)=米国=に2R4分07秒、リアネイキドチョーク(裸絞め)で一本負けした。約1年1カ月ぶりの試合で、UFCでの戦績は3勝2敗。プロで初めての一本負けとなった。

2R残り53秒、バックを奪われて裸絞めでタップ

試合はバンタム級(61.2kg以下)の5分3R。大会の第7試合で、前半戦にあたるプレリムの最終試合に組まれた。UFC公式サイトのオッズでは中村が大きく有利とされていた一戦だった。

1R、中村は立ち上がりに右の前蹴りを放った際に足を滑らせ、尻もちをつく。ここからヒースタンドは何度もタックルで組みつき、背後に回って倒しにかかったが、中村はそのたびに立ち上がってスタンドへ戻した。サウスポーに構えた中村は左のインローと左ミドルを中心に、蹴りで相手の足と胴を削る。ヒースタンドも右のオーバーハンドやアッパーを返し、差がつききらないまま最初の5分が終わった。

2R、先にタックルを仕掛けたのは中村だった。片足タックル(シングルレッグ)に入ったところを、ヒースタンドが上から首を抱えてアナコンダチョークへ。仰向けにされて絞め上げられたが、中村は体を回転させて外し、窮地をしのいだ。その後は中村が組んで押し込み、左のヒジやショートパンチを顔面に当てる時間が続く。

流れが変わったのは終盤だった。中村がボディロックで組みついてケージに押し込み、一度は背後に回って絞めを狙う。しかし四つに組み直されると、今度はヒースタンドがボディロックで投げにいき、上を取り合うスクランブルの中で中村を前に振り落として背中を取る。前転して逃れようとした中村に食らいついたヒースタンドは、両足で胴を挟むボディトライアングルで固定し、右腕を首に巻いて絞め上げる。中村は逃れられず、2R4分07秒にタップした。

ROAD TO UFC優勝から3年半余り、戦績の数え方にも注意

中村は1995年3月23日生まれ、埼玉県出身。父・晃三氏が営んだ総合格闘技ジム「PUREBRED大宮」で5歳からレスリングを始め、幼なじみの山本アーセンと同じマットで育った。花咲徳栄高から専修大へ進み、全日本選抜選手権を2016年(57kg級)と17年(61kg級)に連覇。2017年にはU-23世界選手権のフリースタイル61kg級で優勝している。同年には世界選手権の日本代表にも選ばれた。

2020年4月にレスリング引退と総合格闘技への転向を発表し、LDH martial artsと契約。2021年7月に修斗でプロデビューした。2022年6月から出場した「ROAD TO UFC」のバンタム級トーナメントを全試合1Rで勝ち上がり、2023年2月4日の決勝で風間敏臣を33秒でKOしてUFCとの契約をつかんだ。LDH martial artsとの契約はこの大会の途中、2022年8月に解除されている。

UFCでの歩みは次のとおりだ。

日付(現地)大会対戦相手勝者決着
2023年2月4日UFCファイトナイト(ROAD TO UFC決勝)風間敏臣中村倫也1R0分33秒 KO
2023年8月26日UFCファイトナイト・シンガポールファーニー・ガルシア中村倫也判定3-0
2024年2月17日UFC298カルロス・ヴェラ中村倫也判定3-0
2025年1月18日UFC311ムイン・ガフロフムイン・ガフロフ判定3-0
2025年8月2日UFCファイトナイトネイサン・フレッチャー中村倫也1R1分02秒 TKO
2026年9月26日UFCファイトナイトブレイディ・ヒースタンドブレイディ・ヒースタンド2R4分07秒 裸絞め

UFC契約後の公式戦に限れば3勝2敗。ROAD TO UFC決勝の風間戦もUFC大会の中で行われたため、これを含めて4勝2敗と数える報道もある。プロ通算は10勝2敗だ。

2025年1月のガフロフ戦でプロ10戦目にして初黒星を喫したが、同年8月のフレッチャー戦では左の三日月蹴りからパウンドにつなぎ、62秒で仕留めて立て直した。その後、2026年3月にルアン・ラセルダと戦う予定だったものの、膝のけがで欠場。ヒースタンド戦は1年1カ月ぶりの実戦だった。

「誰が先にテイクダウンを奪った?」ヒースタンドはランカー戦を要求

勝ったヒースタンドは、米国の人気リアリティー番組「TUF(ジ・アルティメット・ファイター)」シーズン29の決勝(2021年8月)でリッキー・トゥルシオスに敗れた後、2022年11月のファーニー・ガルシア戦、2023年4月のバットゲレル・ダナー戦、2024年6月のギャレット・アームフィールド戦と3連勝していた。中村と同じくガルシアに勝っている選手だ。アームフィールド戦では3Rにリアネイキドチョークで一本勝ちしており、得意の形がこの日も出た。

それでも、ブランクは中村より長い。2024年6月以来、約2年3カ月ぶりの試合だった。両者の対戦は約2年半前にも一度決まりながら実現しておらず、ようやく組まれたカードでもあった。

ヒースタンドは試合後のインタビューで、中村をU-23世界王者でオリンピック級のレスラーと認めたうえで、先にテイクダウンを奪ったのも、バックを取って絞めたのも自分だと強調した。名前を覚えてほしいと呼びかけ、UFCのマッチメーカー、ショーン・シェルビーに感謝を伝えると、次はランキング入りしている選手、この日のメインイベントの勝者と戦いたいと求めた。これでUFC4連勝となる。

メインイベントでは、ランキング12位のラウル・ロサスJr.が13位のハオニ・バルセロシュを5R1分38秒TKOで下している。ヒースタンドが名前を挙げた「メインの勝者」は、このロサスJr.を指す。

「初めて負けました」中村がXで明かした胸の内

中村は9月27日午前、自身のXを更新した。「絶対勝てると思って迎えて初めて負けました。こんなんレスリング時代含めても初めてかも」。敗戦の受け止めをそうつづり、「でもこの生き方しか知らないし格闘技が大好きなので、学んで成長していく覚悟です。本当に応援ありがとうございました」と結んだ。

試合当日のセコンドには、後輩の鈴木崇矢と、幼少期から一緒にレスリングを続けてきた山本アーセンがついていた。父のジムで始まった2人の縁は、ラスベガスのケージの脇まで続く。

日本人選手のUFC挑戦をめぐっては、同じバンタム級で2026年5月、元RIZIN王者の朝倉海がキャメロン・スモザーマンを1R110秒でKOし、UFC初勝利を挙げたばかりだった。同じ階級の日本勢が白星を挙げた流れに、中村は続けなかった。

関連記事:朝倉海、UFC初勝利を110秒の失神KOで飾り男泣き スモザーマン戦の左フックとRIZIN王者の経歴

敗戦から何を持ち帰るのか

1Rは左の蹴りで試合を優位に進め、2Rもヒジで顔面をとらえる場面があった。打撃と組みの両方で見せ場を作りながら、最後はスクランブルの一瞬でバックを明け渡した。レスリングでU-23世界の頂点に立った中村にとって、組み合いの攻防で背中を取られての敗戦は重い。

UFCでの直近4試合は勝ちと負けが交互に並ぶ。バンタム級のランキング入りをうかがう位置から、もう一度勝ち星を重ねられるか。次戦の時期や相手は、9月28日時点で発表されていない。

試合の模様は、9月28日時点でU-NEXTの見放題作品として見逃し配信されている。見逃し配信の期間は10月26日23時59分まで(日本時間)だ。

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[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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